健康経営を実施している企業は56.9% 中小企業は認知度の低さが課題に 帝国データバンク調査
株式会社帝国データバンク(以下、TDB)は、健康経営への取り組みに対する企業の意識調査を実施し、その結果を公表した。
健康経営=定期健康診断の実施?
株式会社帝国データバンクは、健康経営への取り組みに対する企業の意識調査を実施した。健康経営とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること。従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績や株価の改善につながると期待されている。一方で労働人口が減少するなかで健康の不調により、人員が減少するリスクも高まっているという。
健康経営に取り組んでいる企業は、56.9%となり半数の企業が従業員の健康管理について対策を行っている結果となった。具体的な内容としては「定期健康診断の実施(88.4%)」「職場の喫煙対策の実施(47.3%)」「労働時間・労働密度など心身の過重負荷要因の改善(43.0%)」が上位にあげられており、「健康経営の実施=定期健康診断の実施」としている企業が多そうだ。
健康経営に取り組んでいない理由、人材や情報不足
健康経営に取り組んでいない理由としては、「適当な人材確保が困難(39.0%)」「効果的な実施方法が分からない(37.3%)」「費用対効果が分からない(29.3%)」が上位。企業からは関心の低さや人手不足の意見があがったという。
導入したい健康保持、増進サービスについては「健診結果のデータ化・管理、分析(25.5%)」「メンタルヘルスに関する各種チェックの策定・実施(20.9%)」などが続いた。現状取り組んでいる健康診断のデータ分析や、体だけでなく心の健康状態についても関心がうかがえる結果となっていた。
まとめ
健康経営について半数の企業が取り組んでおり、内容としては定期健康診断の受診が8割を占める結果となっていた。一方で、中小企業の健康経営に対する認知度について、経済産業省によれば2021年9月時点で意味や内容を理解している企業は22%、言葉だけ聞いたことがある企業は47%だという(※1)。大企業では浸透しているかもしれないが、中小企業に至っては健康経営に関する認知度の向上から始める必要がありそうだ。
健康経営に取り組む中小企業の事例については、「健康経営優良法人2022(中小規模法人部門)認定法人 取り組み事例集」より確認できる(※2)。
※1出典元:健康経営の推進について
※2出典元:健康経営優良法人2022 (中小規模法人部門)認定法人 取り組み事例集
調査概要
調査期間:2023年9月15日~30日
調査対象:全国26991社
有効効回答企業数:11039社(回答率40.9%)