世代間ギャップによる課題に直面する40代中間管理職が約9割 グロービス調査

株式会社グロービス(東京都千代田区、代表取締役:堀義人)が提供する定額制動画学習サービス「GLOBIS 学び放題」は、40代中間管理職を対象に「新たな場における挑戦に伴う不安や課題」に関する実態調査を実施。発表されたレポートの概要をお伝えする。
調査概要
調査期間:2025年2月7日~2月10日
調査方法:インターネット調査
調査対象:ホワイトカラーの職種(営業職、経理職、総務職、事務職など)に就く40代中間管理職
調査人数:1715名
出典元:新たな場に挑戦した40代中間管理職の約9割が、「世代間ギャップ」に起因する課題に直面!GLOBIS 学び放題、「異動、転職などに伴う不安や課題」を調査(株式会社グロービス)
新たな場に挑戦した人の約9割が「世代間ギャップ」に起因する課題に直面

本調査結果を見ると、40代中間管理職の約5割が直近1年間に仕事上で何かしらの変化を経験していることがわかる。具体的な変化としては「所属組織内で新たなプロジェクトに参加した(8.7%)」「所属組織内で担当する顧客や業務範囲が変わった(8.3%)」「所属組織内で異動した(7.8%)」などが挙げられたという。
続いて同社は、新たな環境での挑戦である「所属組織内で新たなプロジェクトに参加した」「所属組織内で異動した」「転職をした」を選んだ人を対象に「新たな場で活動を始めた際の不安や課題は何だったか」と質問。その結果「業務量が多いこと(44.0%)」「新しい部下、同僚とのコミュニケーション(42.1%)」「成果へのプレッシャーが強いこと(38.7%)」が上位に並び、4位以降も回答率30%を超える回答が複数続く形となったことを報告。新たな場で活動を始めた際の不安や課題は多岐に渡ることがうかがえる。
次に同社は、直近1年間に新たな場で活動を始めた際に不安や課題を感じたと回答した人を対象に「直近1年間に新たな場で活動を始めた際、世代間ギャップが原因で感じた悩みや課題は何か」と質問。「若手の育成・教育がうまくいかない(39.5%)」「世代間で働き方への考え方が異なり、マネジメントが難しい(36.5%)」「異なる世代間でのコミュニケーションが生まれづらい(25.3%)」などが上位に並び、「特になかった」という回答は8.5%にとどまったことが報告された。
6カ月以上が経過しても不安や課題が解消されていない人が7割以上

さらに同社は、新たな場で活動を始めてから6カ月以上が経過したと回答した人を対象に、当時の不安や課題は解消されたか尋ねており「一部は解消された(58.0%)」が最多回答となったことを報告。「大部分が解消された(21.9%)」と「完全に解消された(5.5%)」の合計は3割未満にとどまったという。
また、「完全に解消された」「大部分が解消された」と回答した人を対象とした「不安や課題を解消するために取った手段」を尋ねる項目では、「部下や同僚に質問・相談しながら解決した(50.0%)」「業務経験を積む中で自然に解消された(43.3%)」「上司に質問・相談しながら解決した(40.0%)」「不安・課題に感じることに関して学習をした(28.3%)」といった回答が上位に並んでいる。
「不安・課題に感じることに関して学習をした」と回答した人に学習した内容を尋ねる項目では、「リーダーシップ(52.9%)」「マーケティング(47.1%)」「ITスキル・デジタルリテラシー(47.1%)」「コミュニケーションスキル(35.3%)」「データ分析(35.3%)」などの回答が多かったようだ。
まとめ
中間管理職を担う機会が多いミドル層には、組織内の世代間ギャップを埋め、組織のパフォーマンスを最大化するという役割がある。本調査では40代の中間管理職の多くが世代間ギャップを起因とする課題に直面しており、半年以上経過してもその不安や課題は解消されていないことが明らかに。
不安や課題の解消には周囲とのコミュニケーションや業務経験、学習が重要であることも示唆された。組織の成長を支える中間管理職の課題解決は、企業にとって重要な取り組みのひとつ。改めて自社の中間管理職がどのような課題に直面しているのかを把握し、解決に向けて必要な取り組みについて検討する機会としていただきたい。