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職場の派閥に関する調査レポート|派閥のメリット・デメリットと個人の葛藤

2023.12.06

「識学」を使った経営・組織コンサルティングや従業員向け研修を展開する株式会社識学(本社:東京都品川区、代表取締役社長:安藤広大)は、2023年10月に「派閥に関する調査」を行ったと発表した。
※ここでいう派閥とは、出身・縁故・利害などで結びついた人々が形成する排他的(部外者を受け入れない)小集団のことを指す。

調査背景

昨今はリモートワークの導入が増え、多様性の観点からも、より“個”が尊重される職場環境になりつつある。とは言え、職場によっては社内調整やコミュニケーションを取りやすくするためといった理由で派閥という集団が少なからず生まれてくるものだろう。最近では入社の際、履歴書に学歴を記載しなくてもよいという企業もある中で、学閥などの派閥は今でも存在するのか。

同社はその実態を明らかにすべく、そもそもどのくらいの割合で派閥は存在しているのか、そしてどんな派閥があるのか、また派閥があることによって業務に弊害は生じているのかなど、様々に調査を行った。

職場に「派閥がある」22.2%

職場に「派閥がある」22.2%

職場に派閥はあるかどうかを聞いたところ、「派閥はあるが自分はそこに属していない」が16.8%、「派閥があり自分もそこに属している」が5.4%と、合計して22.2%の方が職場に派閥があると回答した。

存在している派閥

存在している派閥

派閥の内訳を聞いてみると、出身校同士のグループで形成される「学閥」が48.0%と最多で「所属する部や課によるもの」が44.3%という結果に。一方で、フィクションの世界でよく見かける「社長派・専務派などの上長が形成する派閥」については、20代が最も低く、年代が上がるにつれてその割合が高くなるという結果となった。

派閥はあった方が良いと思う52.7%

派閥はあった方が良いと思う52.7%

派閥についてどう思っているのかを聞いたところ「あった方が良いと思う」と回答したのは52.7%(あった方が良いと思う17.7%/どちらかと言えばあった方が良いと思う35.0%)となった。

また、業務に派閥がどのような影響を及ぼしているのか、その内訳を尋ねたところ「派閥によって円滑に業務ができると思う」と回答したのは39.3%で「派閥によって円滑に業務ができないと思う」が50.0%「派閥による影響はないと思う」は10.7%という結果に。

また年代別にみると「派閥によって円滑に業務ができないと思う」については、年代が上がる毎に増加しており、派閥のつながりが醸成されていくことでやりづらさのようなものが出来上がってくることがうかがえる。

派閥は出世に関わるか?

派閥は出世に関わるか?

続いて派閥が出世に関わると思うかを聞いたところ「関わると思う」が74.0%という結果となった。派閥の中で円滑にコミュニケーションをとり、出世ができるのであればそれをメリットと考える方が多数いることから「派閥はあっても良いけれど、円滑に業務が進まない」という大きな矛盾を生む原因となっていると推測される。

「派閥から抜けたいと思う」63.3%

「派閥から抜けたいと思う」63.3%

派閥を抜けたいと思うことがあるか尋ねたところ「思うことがある」は63.3%となった。それを踏まえて、派閥同士の敵対について聞いたところ「派閥同士が敵対している」は57.0%となっている。

調査概要

調査機関:株式会社識学
調査対象:20歳~59歳の会社員
有効回答数:300サンプル
調査期間:2023年10月17日~23日
調査方法:インターネット調査
※本調査では、小数点第2位を四捨五入しているため、数字の合計が100%とならない場合がある。

まとめ

調査結果を見ると、50%が「派閥によって業務が円満に進まない」としながらも52.7%が「派閥はあった方が良い」と捉えている矛盾が明らかとなった。過半数が「派閥同士が敵対している」と回答しており、場合によっては派閥がハラスメント等の問題を引き起こす可能性もあるのではないだろうか。派閥という存在をなくすためには、コミュニケーションやサポート、協調性が保たれる円滑な社内整備や、どの社員に対しても平等で明確な評価指標を設けていくことが肝要だ。