学生インターンの年間給与150万円以上で一律30万円を支給する「Limitless Internship」アイザック株式会社

アイザック株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:田中和希)は、学生インターンに支払う年間給与が150万円を超える場合に、30万円を追加支給する「Limitless Internship(リミットレスインターンシップ)」を発表した。本制度の実施により、所得が増えることによる経済的負担を軽減し、学生とスタートアップの「成長の壁」を取り払うことを目指すとしている。
金銭的サポートで「年収の壁」による働き控えを解消
近年、日本では「年収の壁」問題による就業調整、いわゆる「働き控え」が深刻化している。現在の日本の税制では、会社員の配偶者や学生が年間で得るアルバイト等の年収が一定額(103万円)を超えると、当人の配偶者や親が受けられる税の控除額が減少するため、働けるにもかかわらず労働時間を調整する人が一定数いるのが現状だ。また、年収が130万円を超えると、学生自身が所得税や社会保険料の負担を背負う必要がある。
野村総合研究所が685名の女性を対象に行ったアンケート(※1)の結果では、63.2%が「『年収の壁』がなくなれば、今より年収が多くなるように働きたい」と回答している。
また、マイナビバイトTIMESがアルバイトをする大学生306名を対象に行ったアンケート(※2)では、年収103万円以上稼いだ経験がある回答者は22名でわずか7%に留まっている。
同社はこれらのアンケートから、学生や主婦といった親や配偶者の扶養に入っている人はこの「壁」によって働き方を制限され、キャリアの成長や年収に影響を受けていると推測。金銭的なサポートによって学生らの成長を支えるべく、本制度を考案した。
本制度では、学生が同社から受け取る年間給与が150万円を超えた際に一律で30万円を支給。家族が失う特定扶養控除による税金負担増額をカバーし「学生も企業も安心してチャレンジできる」土台をつくることを目指す。なお、事前にLimitless Internshipのコースに合格した学生が対象となる。
※1 株式会社野村総合研究所「「就業調整」している有配偶パート女性の6割以上が、政府の支援策で今より年収が多くなる働き方を志向」
※2 マイナビバイトTIMES「103万の壁とは?税金や扶養控除に関わる年収の壁を解説」
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生涯働きたいと思える場所を
設立9年目を迎えた同社は「100%自己資本経営を保ったまま、営業利益100億を目指す」という目標達成に向けて事業拡大し、採用を強化。2024年1月には、同社の存在意義として「全ての挑戦者が生涯働きたいと思える場所をつくる」というメッセージを発表した。
同社は日本の多くの企業では、企業が成長し大企業化する過程で、外部ステークホルダーとの関係性等から、新規事業へのリスクテイクや挑戦の機会が減少してしまう傾向があると考察。そこで同社では、事業で創出した利益を新規事業へ展開・投資や、社員に還元することで、次なる事業創出へつなげるという独自のループ型経営モデルを採用している。これにより、外部評価に左右されずに新規事業の展開や投資、社員への還元を自由に行い、安定したリスクテイクとイノベーションを実現。社員と企業の相互成長を促進する環境を提供し、持続可能な成長を目指している。
まとめ
学生インターンシップの満足度向上は企業の魅力向上や、優秀な人材確保につながる可能性がある。企業として学生を金銭面でサポートし、挑戦しやすい環境を整備する同社の取り組みは、ぜひ参考にしていただきたい。
また、年収の壁を意識した働き控えの解消には、厚生労働省でもキャリアアップ助成金に2023年10月から社会保険適用時処遇改善コースを新設して支援を実施している。こちらも併せて参考にしてみてはいかがだろうか。
参考:厚生労働省キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)