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ワーキングケアラーの実態調査【取り巻く環境編】仕事と介護の両立「相談したことがない」人が4割

2024.02.16

株式会社LIFULLのグループ会社で、老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」を運営する株式会社LIFULL senior(代表取締役:泉雅人)は、ワーキングケアラーの実態調査【取り巻く環境編】を発表した。

調査結果詳細はこちら

「介護していることを職場の誰にも伝えていない」3割超

「介護していることを職場の誰にも伝えていない」3割超

ワーキングケアラーとは、仕事をしながら家族など近しい人の介護にあたる人を指す。本調査では、ワーキングケアラー1105人に「介護していることを職場の人に伝えたかどうか」を尋ねている。回答を見ると、伝えた相手としては「上司(39.7%)」「同僚(37.2%)」が上位となっているが、32.2%は「誰にも伝えていない」としている。

同社は2024年1月に本調査の【知識と備え編】についてレポートを発表しており、介護に携わるようになると、通院への付き添いや突発的な対応によって休みが必要になることを明らかにしている。

LIFULL 介護のワーキングケアラー実態調査【知識と備え編】

両結果を受けて同社は「継続的に休みを取得することになるため、自分が介護していることを職場の人に伝えることも、介護と仕事の両立には重要なポイント」とし、実際には3割の人が自分が介護していることを職場に伝えていない実態から、介護と仕事の両立にはまだまだ課題があると推察した。

仕事と介護の両立「相談したことがない」4割

仕事と介護の両立「相談したことがない」4割

同社は、介護をしながら仕事を続けるためには、使っている介護サービスを調整する、あるいは職場に働き方を相談するなど、何らかの相談が必要になる場面もあると想定。本調査にて、介護と仕事の両立について誰かに相談したことがあるか、またその相談先をたずねている。相談先は「ケアマネジャー(25.4%)」「職場の上司(20.8%)」「医師や病院スタッフ(14.8%)」などが多く挙げられたが、41.3%は「相談したことはない」と回答した。

介護全般の相談先は「ケアマネジャー(56.7%)」という回答が最も多く、次いで「介護スタッフ(31.3%)」となった。ここで同社が注目したのは「職場の人事部など管理部門(9.0%)」。近年は産業ケアマネジャーという、企業の顧問として介護と仕事の両立に専門的な指導や助言を行う有資格者に注目が集まっているとして、産業ケアマネジャーを配置する企業が増えると、介護のことを所属する企業に相談する人も増える可能性があると推察した。

仕事と介護の両立に必要なもの「休みを取りやすい文化のある職場」

仕事と介護の両立に必要なもの「休みを取りやすい文化のある職場」

本調査では続いて、介護と仕事を両立させるために必要なことをたずねている。回答で最も多かったのは「休みを取りやすい職場環境(36.9%)」で、僅差で「突発的に利用できる介護サービス(36.7%)」が第2位となった。

「介護を理由に取得できる休暇(27.2%)」という回答も多いが、介護休暇や介護休業は会社の規定に記載されていなくても取得できる、国で定められた休暇制度である。同社はこうした制度をより多くの人に知ってもらうことも、介護が原因での離職率を下げることにつながるのではないかと提言した。

調査概要

調査主体:株式会社LIFULL senior
調査期間: 2023年12月22〜23日
調査対象:過去10年以内に家族や親族の介護に携わったことがあり、介護が始まる前に仕事をしていた方 1105人
調査方法:インターネット調査
※小数点第二位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合がある

まとめ

本調査で同社は、仕事と介護の両立を支える上で、従業員が職場で介護に関することを相談できる環境の整備や、介護そのものに対する理解の促進が重要だとしている。調査結果の中で同社が触れていた「産業ケアマネジャー」は、一般社団法人日本単独居宅介護支援事業所協会ケアマネジャーを紡ぐ会が2020年に創設した新しい民間資格で、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を持つ人が受験対象だ。

厚生労働省でも、家族介護者の仕事と介護の両立支援を学ぶ研修カリキュラムや資料を公開しており、こちらは資格保持者に限らず、人事労務担当者に向けた研修等の参考資料としても利用することができる。社内での相談体制を強化したいと考える企業はぜひ参考にしていただきたい。

参考:ケアマネジャー研修 仕事と介護の両立支援カリキュラム