掲載希望の方 オフィスのミカタとは
従業員の働きがい向上に務める皆様のための完全無料で使える
総務・人事・経理・管理部/バックオフィス業界専門メディア「オフィスのミカタ」

働き方改革の取り組み状況とその効果に関する調査結果「働き方改革2023」公開

2024.02.21

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本良江)は、株式会社NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:山口重樹)と共同で「NTTコム リサーチ」登録モニターを対象にアンケート調査(以下、本調査)を実施し「働き方改革2023」を公開した。本調査では、2015年より毎年実施している「働き方改革の取り組み状況とその効果」のほか、2019年より調査を行っている「就業時間外の連絡(つながらない権利)」についても経年で概観。今年度は新たに、キャリアや能力開発、ウェルビーイングにおける勤務先の支援体制やリスキリングの取り組みと従業員エンゲージメントの状況といった観点からも調査分析を行っている。
※本調査結果の著作権は、株式会社NTTデータ経営研究所とNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が保有

調査結果詳細はこちら

働き方改革の動向やキャリア形成などへの取り組みを調査

ニューノーマル時代の国内企業において、新型コロナウイルス感染症の流行以前と比較し、ワークスタイルは大きく変化している。変化に伴って、従業員の会社への帰属意識や転職・副業・兼業を含めたキャリア形成の考え方についても、今後さらに多様性が高まっていくと同社は想定している。

また同社は、近年キャリア形成に向けた手段として「リスキリング」が注目を集めている点にも注目。リスキリングは、2022年10月に岸田首相から臨時国会の所信表明演説で「リスキリングの支援に5年で1兆円を投じる」との表明があり、経済対策の柱の一つとなった「『新しい資本主義(※1)』の加速」の改革要素の一つにもなっている。

同社は、ワークスタイルやキャリアにおける可能性の拡大に伴い、多様な働き方を認める制度・組織風土を醸成することの重要性が高まっていることを受けて、本調査を実施した。

(※1)出典:首相官邸ホームページ

働き方改革に取り組む企業は前回調査から横ばい

働き方改革に取り組む企業は前回調査から横ばい

本調査によれば、働き方改革に取り組む企業は全体の47.1%となり、前回調査の46.1%より1ポイント増加したが、前々回(2021年度)調査の56.0%を下回る結果となっている。これは直近4回の調査では、2022年に次いで低い結果となっており(2019年度:49.3%、2021年度:56.0%)、同社は、コロナ禍を経て企業の働き方改革への新たな取り組みが停滞していると読み取った。

また、本調査では働き方改革に取り組んでいる企業の従業員(N=512)に働き方改革の施策について質問。「休暇取得の推進(59.2%)」「テレワーク制度(58.0%)」が、継続して行ってほしい施策として最も多く挙げられた。「週休3日制度」については、34.2%が今後取り組んでもらいたいとの肯定的な回答をしている。

テレワーク制度が整備されている企業は前回調査の46.4%から0.4ポイント減少し46.0%に。一方、テレワーク制度が整備されていない企業では、前回調査の45.2%から3.2ポイント減少し42.0%となっている。なお「過去に制度があったが今年廃止された」と回答した人は4.1%。

就業時間外の業務に対応しないという考え方を持つ人が増加

就業時間外の業務に対応しないという考え方を持つ人が増加

本調査では、つながらない権利についても経年で調査を実施。過去半年間において、顧客からの就業時間外における緊急性のない業務に関する連絡に対して、通話・返信などを週1回以上対応している人は10.7%(前年比0.3ポイント減)、同僚とのやりとりは16.1%(同0.2ポイント増)、部下とのやりとりは11.1%(同0.7ポイント増)と、どれもほぼ横ばいである。同社によれば、月1回以上就業時間外に業務上の対応をしたことがある人は2021年度では3~5人に1人、2022、2023年度には4~6人に1人となっており、つながらない権利は22年度にかけて大きく進展した後、あまり進展していないと想定される。

個人の考え方については「対応しない」もしくは「そもそも連絡を受信しないようにする」と回答した人は、前回調査の26.7%より3.7ポイント増加して30.4%に、前々回調査の23.6%と比べると6.8ポイントの増加であり「つながらない権利」の確保に向けた社内ルールの整備の進展とともに個人の意識変化は進んでいるようだ。

キャリア形成や能力開発、ウェルビーイングなどの領域における支援体制には充実の余地

キャリア形成や能力開発、ウェルビーイングなどの領域における支援体制には充実の余地

本調査では、キャリア形成に関して勤務先の「十分な支援の体制がある」と回答した人は17.0%にとどまった。一方で「支援体制が十分ではない」は29.5%「支援体制があるのかよくわからない」は53.6%と過半数にのぼっている。

2023年6月16日に岸田内閣において閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版(※2)」における「三位一体の労働市場改革の指針(※3)」では、キャリアは「会社から与えられるもの」から「一人ひとりが自らの意思でキャリアを築き上げる」時代へと変えていく必要があることが示されている。本指針では職務ごとに要求されるスキルを明らかにすることにより、労働者が自分の意思でリスキリングを行え、職務を選択できる制度に移行していくことの重要性が説明されているが、同社は本調査結果を受けて「一人ひとりが自らの意思でキャリアを築き上げる」段階に向けた、キャリア形成に対する企業の支援体制の整備に遅れがあると推察している。

(注2)出典:内閣官房ホームページ

(注3)出典:内閣官房ホームページ

また、ウェルビーイング向上に向けた取り組みをしていると感じているかどうかについては「感じていない」との回答が40.1%(全く感じていない:22.8%、あまり感じていない:17.3%の合計)に。一方で「感じている」と回答した人は20.4%(大いに感じている:3.5%、感じている:16.9%の合計)で、取り組みを行っていると感じない人の方が19.7ポイント多い結果となっている。

「感じている」と回答した人が「現在行っており、継続してほしい取り組み」は「個人や組織のウェルビーイングの状態を把握するための取り組み」が50.2%を占めた。同社はこれらの結果から、キャリア形成や能力開発、ウェルビーイングに対する勤務先の支援体制については未整備となっている企業が多いこと、もしくは取り組みが従業員に伝わっていないことが想定され、支援体制の充実や方針展開の余地があることが推察されるとしている。

リスキリングが従業員のエンゲージメント向上に

リスキリングが従業員のエンゲージメント向上に

本調査によると、リスキリングの必要性を感じている人は31.6%(大いに感じている:8.2%、感じている:23.4%の合計)である中、実際にリスキリングに取り組んでいる人は18.2%にとどまっている。取り組み理由としては「社内でのキャリアアップのため」が40.9%と最多。

また、リスキリングに取り組んでいる人(N=198)でエンゲージメントが高いと感じている人は49.5%(高い:13.1%、どちらかといえば高い:36.4%の合計)。一方、リスキリングに取り組んでいない人(N=888)でエンゲージメントが高いと回答している人は9.2%(高い:1.1%、どちらかといえば高い:8.1%の合計)であり、リスキリングに取り組んでいる人と比較すると、40.3ポイントの差がある。

まとめ

本調査結果から同社は、アフターコロナになる中、より生産性の高い働き方を探索する動きが弱まっているという可能性が示唆されたとした。また「コロナ禍の働き方が各社にとって最も望ましいものとは言えないものの、自社にとっての最適な働き方を追求していくことが重要であると考えられます」と提言している。

本調査ではリスキリングが従業員エンゲージメントの向上につながることや、キャリア形成やウェルビーイングに対する支援体制の充実に余地がある可能性がうかがえる結果が出ている。これらも踏まえて、今後の自社の働き方や支援体制について、改めて検討する機会としてみてはいかがだろうか。