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サッポロホールディングスが生理休暇制度を刷新|女性の働きやすい環境づくりを目指し適用範囲を拡大

2024.02.29

サッポロホールディングス株式会社のグループ企業であるサッポロビール株式会社は、ダイバーシティ&インクルージョンの推進の一環として、3月1日より「生理休暇」制度を「M休暇」に名称を変更するとともに、休暇取得の単位や適用事由の範囲を拡大すると発表した。ここでは制度の刷新に至った背景や、変更点について紹介する。

女性の働きやすい環境づくりに向けて

サッポログループでは、サッポログループダイバーシティ&インクルージョン推進メッセージ(※)のもと、あらゆる多様性を尊重し、多様な発想や考え方を有する人財を認め活かすことで一人ひとりの能力が最大限発揮できると考えられている。また「ちがいを活かして変化に挑む 越境集団となる」を人財戦略のありたい姿に掲げ、人財戦略を経営基盤の重要な柱のひとつに位置づけている。

こうした考えのもと、すべての多様性尊重や活用のひとつとして「女性が継続して働きがいをもって活躍しているのが当たり前」となる環境を目指し、今回の制度改定だけでなく、昨年には役職者向けに女性の健康セミナーを実施するなど、女性の身体と健康により理解のある心理的安全性の高い職場環境の実現に向け取り組んでいる。

同社は生理休暇の取得において、直接的な表現が心理的ハードルになっていることに注目。今回の制度改定で、名称を従来の「生理休暇」から「M休暇」に変更した。さらに、生理日だけでなく月経前症候群(PMS)の体調不良でも休暇取得が可能となった。また、半日単位でも取得可能となり、半日休暇においても「M休暇手当」を支給する。これにより女性社員が生理やPMSを理由に有給休暇を消化することなく体調管理ができるような環境づくりを目指すとしている。

サッポログループダイバーシティ&インクルージョン推進メッセージ

制度内容の変更点

■名称変更
直接的な表現が取得の心理的なハードルになっていることを背景に、生理の英語表記である「Menstruation」の頭文字を取り「M休暇」へ変更。

■取得事由の適用範囲を拡大
生理日期間だけでなく、月経前症候群(PMS)での体調不良もM休暇の取得を可能にし、適用範囲を拡大。

■取得単位の変更と手当支給 
より柔軟に取得ができるよう、半日単位での取得も可能に。また従来は1日単位で日割額の9割を支給していた休暇手当について、半日単位でも日割額×0.5日の9割を支給する。

まとめ

2023年6月に株式会社ライボの調査機関である「Job総研」が実施した「2023年 生理休暇の実態調査」では、生理休暇の利用経験について87.2%が「ない」と回答。さらに「休暇の名称が生理休暇以外なら利用したい」とする人が97.2%であることがわかっている。

厚生労働省でも、女性が生理による不快な症状が強い場合に安心して休暇を取得できるよう、名称変更の取り組みを推進している。同社の取り組みを参考に、自社の生理休暇について見直す機会としてみてはいかがだろうか。

参照:株式会社ライボJob総研 「2023年 生理休暇の実態調査」を実施

参照:厚生労働省「生理」に関して理解ある職場環境を考えてみませんか?