採用担当者の56%がキャリアアップの機会提供と社内異動の促進を重要視|労働市場における人材育成に関する調査
LinkedIn(リンクトイン、日本法人所在地:東京都千代田区、日本代表:田中若菜)は、労働市場における人材育成に関する調査を実施。調査の結果、企業の77%が今年従業員のスキルアップと能力の向上を高める計画を立てていること、採用担当者の56%がキャリアアップの機会提供と社内異動の促進が、人材獲得と維持において重要だと考えていることが明らかになったと発表した。
企業はソフトスキルと学習能力を備えた人材を重視
LinkedInの調査によると、日本の68%の企業が、AIと自動化の普及により「業界内において求職者に必要なスキルに大きな変化がある」と回答している。また、企業はAIの専門知識だけでなく、ソフトスキルと学習能力を備えた人材を重視しているとわかった。
LinkedInの最新Workplace Learning Reportでは、APAC地域の学習&開発(L&D)専門家の94%が、人間らしさを示すソフトスキルが、今後の経済活動において競争力を高めると考えていることも明らかにされている。特に「コミュニケーションスキル」は、2024年にAPAC地域のオーストラリア、中国、インド、インドネシア、日本、フィリピン、シンガポールで最も需要のあるスキルになると報告された。LinkedInは、AIツールによって、プロフェッショナル人材が人間ならではの仕事関係の構築や協働などに時間を費やせるようになることは、新しい労働市場においてより重要になると考察している。
77%がスキルアップと能力向上を計画
LinkedInによると、日本の77%の企業は、従業員のスキルアップを通じて未来の労働市場に備えさせ、自信と職の安定を促進することを計画しているという。APAC地域の人事担当者はオンライントレーニング(24%)や生成AIを中心とした社内での学習・成長機会(29%)を提供し、サポートしていることも明らかにした。
LinkedInは、学習機会への投資が増加するにつれ、学習文化の創造への関心が高まり、これが2024年のAPAC地域でのL&D専門家にとって最重要課題となっていることを示した。また、92%が、従業員が内部で異なる役割へ移行するスキルを身につけることがビジネス価値を高めると述べたことを報告した。
また、LinkedInが日本の管理職を対象に行った調査では、40%の管理職がキャリアアップの機会を提供することを今年の優先事項としてあげていることがわかっている。また、日本の採用責任者の56%が、キャリアアップの機会提供と社内異動の促進が、人材獲得において重要だと考えていることが明らかになった。
調査概要
調査期間:2023年12月15日〜2024年1月4日
調査実施国:イギリス、アイルランド、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、アメリカ、インド、オーストラリア、シンガポール、日本、インドネシア、中国、オランダ、スウェーデン、MENA地域、ブラジル
調査対象:16歳から77歳の採用責任者計4323人を対象にオンラインアンケート調査
調査方法:第三者調査機関Censuswideに委託
調査主体:LinkedIn
※小数点第一位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合がある
まとめ
本調査結果からは、AIの活用が進む中、人材育成の方向性に変化が起きている様子がうかがえる。また、キャリアアップの機会提供を促進することが、採用面においても重視されているようだ。一方で、2024年2月に株式会社グロースXが実施した調査では、従業員に研修を実施しても、学びを実務で活かせていないと感じる管理職が約7割に及んでいることが報告されている。
機会を提供するだけでは「学ばせたつもり」「学んだつもり」で、本来求めていた効果が実感できない可能性もあると考えられる。本質的なスキルアップ・キャリアアップをサポートするために自社に何が必要か、この機会に改めて見直してみてはいかがだろうか。
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