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【外国人材雇用に関する意識・実態調査vol.2】外国人材に関する『感謝』『トラブル・困ったこと』

2024.03.22

ヒューマンホールディングス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:佐藤朋也)は、企業で人事・採用業務に携わる1000名を対象に「外国人材雇用に関する意識・実態調査」を行った。本調査は、労働人口減少による人材不足の解決策として期待される外国人材の雇用について、企業の現状や意向を調査することを目的としたものである。ここでは調査結果の中から、外国人材雇用が多い業種、雇用する外国人材に感謝すること、トラブルなどについて紹介する。

調査概要

調査期間:2024年2月15日~2月19日
調査対象:全国/人事・労務・総務で人事・採用に携わる会社員
調査業種:農業、林業、漁業、鉱業、採石業、砂利採取業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業、郵便業、卸売業、小売業、金融業、保険業、不動産業、物品賃貸業、学術研究、専門・技術サービス業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、教育、学習支援、医療、介護、サービス業
回答数:1000名
調査方法:インターネット調査
※調査結果の構成比は小数点以下を四捨五入して算出しているため、合計値は必ずしも100%とはならない
出典元:企業の人事・労務担当者1,000名に聞く【外国人材雇用に関する意識・実態調査】vol.2 外国人材雇用が多い業種は「介護」「情報通信業」、高い日本語能力を求める ~外国人材に関する『感謝』『トラブル・困ったこと』エピソード公開~(ヒューマンホールディングス株式会社)

外国人材雇用の有無「介護」と「情報通信業」で54%超

外国人材雇用の有無「介護」と「情報通信業」で54%超

同社が実施した「外国人材雇用に関する意識・実態調査vol.1」では、43.5%が外国人材を雇用しているという結果が出ているが、業種別に見ると「介護」「情報通信業」において54%を超え、外国人材を多く雇用している業種であることがわかった。

また、区分について、介護は「特定技能(29.0%)」と「技能実習生(25.8%)」が多く「情報通信業」では「技術・人文知識・国際業務(技人国)在留資格保有者(29.7%)」「特定技能(10.9%)」「高度専門職(9.4%)」の順に。

また、同社によると「外国人材を雇用する場合、どのくらいの日本語レベルが最低限必要だと思うか」という質問に対し、全体では「N3:日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる(22.9%)」が最多であった。

求める日本語能力レベルを業種別に比較すると、高い日本語能力レベルを求める(「N1:幅広い場面で使われる日本語を理解することができる」と「N2:日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる」の合算)業種は、「卸売業・小売業(43.4%)」「介護(38.7%)」「情報通信業(37.5%)」という結果に。顧客と直接接する業種や、専門用語を使用しロジカルに業務を進めることが必要とされやすい業種において高い日本語能力が求められている傾向が見られた。

出典元:企業の人事・労務担当者1,000名に聞く【外国人材雇用に関する意識・実態調査】vol.1 外国人材「雇用している」43.5%、「今後、採用意向あり」は5割超 ~人手不足解消に加え、若手・優秀な外国人材の確保を実感~(ヒューマンホールディングス株式会社)

「外国人材への感謝」と「外国人材を雇用する中で起きたトラブルや困った」

同社によると「外国人材に感謝したエピソード」の自由回答では「よく働く」「人手不足の時快く出勤してくれる」「勤勉」「真面目」「何でも覚える姿勢」などの回答が多く、外国人材が業務に積極的に取り組む様子が垣間見えた。また「優しい」「職場の雰囲気が明るくなった」「業務効率」などの回答も多く見られ、同社は外国人材の雇用が職場の活性化にもつながっていると推察した。

「外国人材を雇用する中で起きたトラブルや困ったエピソード」については「言葉の壁」「ニュアンスの相違で、意思疎通が図りにくい」「言葉が理解出来ないので作業手順を間違えるトラブルがあった」「細かい日本語を理解できない」など「言語」に関するエピソードが最も多い回答を得たという。次いで、文化・慣習・宗教の違いがトラブルの原因になることが多いことがわかった。

同社は「言語」について、トラブルの原因として最も多く挙げられた一方で「感謝したエピソード」でも上位に挙げられている点に注目。「語学を教わった」「海外からの電話対応」「通訳が不要」「多国籍の顧客に対応できるようになり、企業の幅が広がった」「グローバル人材相手の交渉時」など、グローバル対応の側面におけるメリットも多い状況があるようだ。

まとめ

人材不足が多くの企業で課題となる中、外国人材の活用に注目が集まっている。本調査では外国人材の雇用が職場の活性化やグローバル対応力の向上につながっている様子もみられた。外国人材の雇用で受けられる恩恵は、人材不足解消だけではないと言えるだろう。

政府は現在の外国人技能実習制度を廃止し、新たに「育成就労制度」を創設すると発表している。新制度の開始は2027年を見込み、3年間の移行期間を設ける方向で調整に入っている。新制度ではこれまで不明瞭だったキャリアアップの道筋を明確化し、長期間産業を支える人材の確保を可能にしていくという。

外国人材の雇用にはさまざまな課題があり、日本商工会議所と東京商工会議所が2023年に実施した調査では、外国人材の受入れにあたって「受入制度に係る手続き・書類の簡素化・迅速化」「受入れに係るコスト負担の軽減」などの支援を求める声が多く挙げられていた。

新制度の創設等により、今後の外国人材の受入れがどのように変化していくか、引き続き注目したい。

参考:改正法の概要(育成就労制度の創設等)(法務省)
出典元:「人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査」調査結果(日本商工会議所・東京商工会議所)