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社員の約半数がeラーニング研修の効果を感じないと回答 効果実感のカギは? リンクアンドモチベーション調べ

2024.06.13

株式会社リンクアンドモチベーション(本社:東京都中央区、代表:小笹芳央)のグループ会社で、全国でキャリアスクールを運営する株式会社リンクアカデミー(本社:東京都中央区、代表取締役:横山 丈二)は、eラーニングを導入している企業の人事担当者・社員を対象に「人材育成」に関する意識調査を実施した。調査結果の概要について紹介する。

調査概要

「人材育成」に関する調査
調査期間:2024年5月10日~2024年5月11日
調査方法:リンクアンドパートナーズが提供するPRIZMAによるインターネット調査
調査人数:1023人(①511人/②512人)
調査対象:調査回答時に①eラーニングを導入している企業の人事担当者/②社員であると回答したモニター
調査元:株式会社リンクアカデミー
モニター提供元:ゼネラルリサーチ
出典元:株式会社リンクアカデミー

eラーニングによる人材育成の実態を明らかに

近年、人的資本を開示する企業の増加やDX・リスキリング推進の流れが顕著となり、人材育成施策の重要度が増している。スキル獲得を軸とした人材育成を支援する同社は、具体的な人材育成の手段として活用されている『eラーニングによる人材育成』について「効果があるのか」「社員は能動的に学習に取り組めるのか」など多くの問合せをうけているという。

そこで同社は、法人向けにスキル獲得を軸とした人材育成を支援している企業として、実態調査(人材育成の活用度・効果・人事と社員の意識ギャップなど)を実施した。

eラーニングの効果に人事部と受講者でギャップ

eラーニングの効果に人事部と受講者でギャップ

本調査では「実際に(eラーニング)に効果があったか?」という質問に対し、受講側社員の56.6%は「効果が無い・分からない」と回答。「とても効果があった」という回答は僅か8.2%にとどまったという。

同社は、人事部の視点から「とても効果があった」と回答したのは19.2%で、人事部と受講側社員の間に約2倍の乖離がある点に注目。「効果を実感している社員は非常に少ない一方で、人事部は効果があったと"思いたい"といった様子がうかがえます」とコメントした。

次に「効果がなかった理由は何ですか?(複数選択可)」との質問では、人事部、社員ともに「業務に対して実践的ではない」が上位になったことが明らかに。提供される学習コンテンツが実務に直結していないことで、効果的な活用となっていないようだ。

また、同社によれば「学習コンテンツが自分に合っていない」「フィードバックがない」という回答項目に、人事部と社員の間にギャップが見られるという。人事部は「当人の意欲」社員は「意欲を起こさせる仕組み」に原因があると思っていることが示唆された。

eラーニングの活用状況は?受講が進まない理由

eラーニングの活用状況は?受講が進まない理由

続いて本調査では「受講対象者のうち、想定しているコンテンツ量を視聴している人は何%いますか?」と質問。人事部、社員ともに約半数が「想定しているコンテンツ量を視聴している人は、50%未満(分からないも含む)」であると感じていることがわかった。また、社員については「分からない」が27.9%となっており、育成進捗についての社内周知や強制力には課題がありそうだ。

さらに「受講率が低い(半分に満たない)のはなぜだと思いますか?(複数選択可)」との質問には、人事部、社員ともに「受講する時間がない」「受講するモチベーションが湧かない」という回答が上位に。3番目に多かった回答は、人事部が「内容が希望と違う(26.6%)」社員が「価値・意義を感じない(18.9%)」となっており、上位2つと合わせて受講までの動機づけが弱い様子がうかがえる。

まとめ

本調査からは、eラーニングでの人材育成において十分な効果を発揮するためには、受講者である社員の学習意志、モチベーションを継続する必要があることが示唆された。一方で、学習意欲の低さについて、人事部と受講者の問題意識にギャップも見受けられている。また、受講の効果についても人事部と受講者とでは捉え方に大きく違いが出ていた。

どれだけ時間とコストをかけて準備をしても、実際に受講する社員が効果を実感できなければ、準備する人事部も受講する社員も、無駄な労力を費やすことになる。押しつけの研修となっていないか、人事部は改めて現場の声に耳を傾ける必要があるのではないだろうか。