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2023年度の有給休暇取得率は75.7% 残業時間との相関は? ジョブカン調査

2024.08.07

株式会社DONUTS(所在地:東京都渋谷区、代表取締役:西村啓成)は、同社が提供するバックオフィス支援クラウドERPシステム「ジョブカン」における「ジョブカン勤怠管理」のデータから2023年度の打刻実績・有給休暇取得実績を抽出し、企業で働く正社員の「有給休暇」「残業時間」「特別休暇」などに関して行った集計を公表した。

同社は本調査の背景として、現在、少子高齢化や産業構造の変化に伴って持続的な企業価値の向上のために人的資本経営の重要性が一層浮き彫りになっており、柔軟で効率的な働き方の模索を含む「働き方改革」や「ワークライフバランス」が重要なテーマであることを提示。日本の労働環境を取り巻く実態を明らかにするために実施したという、本調査の概要をお伝えする。

調査概要

◆調査対象 : 『ジョブカン勤怠管理』利用企業
◆調査内容 : 企業の有給休暇、残業時間、特別休暇に関する実態調査
◆調査方法 : 『ジョブカン勤怠管理』の利用実績データを一部抽出
◆抽出期間 : 2023年4月1日〜2024年3月31日
◆出典元:2023年度の年間平均有給休暇取得率は75.7%! 「ジョブカン」が勤怠管理システムの利用実績分析による有給休暇・残業時間などの実態調査を実施(株式会社DONUTS)
※2023年4月1日~2024年3月31日に就労実績のある社員(アルバイトなどの非正規雇用を除く)がいる企業を対象に一部抽出(社数:6059社、人数:164336人)
※各項目の割合表記は小数点第二位を四捨五入し、小数点第一位までを表記
※有給休暇取得率の算出方法:該当期間に従業員が使用した有給休暇の数(該当期間以前から繰り越された有給休暇含む)を該当期間に企業が従業員に対して付与した有給休暇数で割った数値

有給休暇取得率と残業時間 残業が長いほど企業ほど取得率低下

有給休暇取得率と残業時間 残業が長いほど企業ほど取得率低下

今回集計された結果によれば、本調査全体の年間平均有給休暇取得率は75.7%で、従業員規模別にみると「1~29人以上(74.9%)」「30~99人(76.4%)」「100~299人(78.7%)」「300~999人(74.5%)」「1000人以上(69.7%)」となっている。同じく、2023年度の月平均残業時間は11.6時間で、従業員規模別では「1~29人以上(11.6時間)」「30~99人(11.8時間)」「100~299人(11.5時間)」「300~999人(12.0時間)」「1000人以上(7.2時間)」となっている。

また、業種別にみると年間平均有給休暇取得率は「マスコミ・出版・放送(82.3%)」「医療(80.6%)」「レジャー・エンターテイメント(80.4%)」で高い一方、「整備・修理(60.9%)」「運輸・物流(61.8%)」は比較的低い水準にとどまっている。月平均残業時間は「介護・福祉」が6.6時間と最も短く、「医療(7.9時間)」「金融(9.5時間)」などの業種も短い残業時間という結果に。一方「建設・土木(15.9時間)」「マスコミ・出版・放送(16.2時間)」「運輸・物流(18.0時間)」「整備・修理(20.5時間)」の4業種は、月平均残業時間が長いことが明らかになった。

これらの結果をもとに、同社では月平均残業時間と年間有給休暇取得率の関係性を分析。月平均残業時間が長いほど、年間有給休暇取得率が低いという傾向が確認されたと報告している。

特別休暇を設定している企業は約7割 設定数や種類は?

特別休暇を設定している企業は約7割 設定数や種類は?

同社によれば、厚生労働省が「働き方・休み方改革」として推奨している特別休暇を設定している企業は多く、今回調査対象となった企業でも約7割がなんらかの特別休暇を設定していた。設定数平均は1社あたり5.2個で、最大で30個の設定を行っている企業もあったという。特別休暇の内容には、2024年度内にも法改正が予定されている「育児・介護休業法」にも関連した「看護休暇(子の看護休暇)」「介護休暇」「男性の育児休業(パパ育休)」などが多く設定されていることも判明した。

まとめ

本調査により、残業時間が長い企業ほど、年間の有給休暇の取得率が低くなる傾向が表れた。有給取得率を上げるためには、業務量の見直しが必要となりそうだ。

有給取得率があまりにも低い場合、従業員のエンゲージメント低下はもちろんのこと、採用の場面で企業イメージを損なう可能性も高い。自社の有給取得率が低いようであれば、早急に改善に取り組むべきだろう。

厚生労働省の「年次有給休暇取得促進特設サイト」には、取得率を向上させるために役立つ情報が掲載されている。企業の取組事例も紹介されているので、参考にしていただきたい。

参考:年次有給休暇取得促進特設サイト(厚生労働省)