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職場で災害にあった際の避難場所の位置、認識している人が減少 TSP太陽調査

2024.08.26

TSP太陽株式会社(本社:東京都目黒区、代表取締役社長 池澤嘉悟)は、全国の会社員533名に防災訓練に関するアンケートを実施。全国的に地震に対する警戒が高まる中、働く人の防災意識や防災訓練の内容など実態を調べた。ここでは調査結果の概要をお伝えする。

調査概要

◆調査期間:2024年7月29~7月31日
◆調査方法:インターネットリサーチ
◆調査対象:一般企業に就業し、週3回以上出社している全国の20歳以上の人
◆有効回答数:533名
◆出典:【調査リリース】 オフィスの避難場所の位置を認識している会社員が75.0%から64.4%に減少(TSP太陽株式会社)

防災訓練の実施頻度と参加の意思、前年からほぼ横ばい

防災訓練の実施頻度と参加の意思、前年からほぼ横ばい

「防災訓練の開催頻度」は、前回の2023年の調査では1年に1回以上実施している企業が約8割を占めており、今回も「年に2回以上(24.6%)」「年に1回以上(54.6%)」を合わせると約8割とほぼ横ばい傾向。同じく、「職場で開催される防災訓練にどのくらいの頻度で参加しているか」を問うと、「毎回参加している」「日程が合えば参加している」との回答の合計が約9割と、割合にほぼ変化は見られなかった。

職場で被災した場合の避難場所の位置「認識している」は64.4%

職場で被災した場合の避難場所の位置「認識している」は64.4%

防災訓練の内容を尋ねると、前回の調査で最多(35.1%)だった「開催が取りやめになった」が、今回は26.9%に減少。同社では「リモートワークが減少したため、コロナ禍以前と同様のリアルでの防災訓練の開催に戻りつつある」との推察を示している。一方、参加人数に関して防災訓練に「全員参加」するとの回答が、前回調査の37%から27.9%に減少していることが判明した。

また、防災訓練の内容としては「避難動線の確認(前回:76.9%/今回:68.6%)」「災害をシミュレーションしての館内放送(前回:69.4%/今回:59.4%)」「消火器を使用しての実習(前回:38.7%/今回:32.3%)」に減少傾向が見られた。同社はこうした結果からも、職場における防災意識が薄くなっている可能性を指摘する。

職場で災害があった場合の安否確認方法の取り決め・避難場所の認識についての質問に対しても、いずれも前回の調査時は7割を超える人が認識していたが、今回はどちらも7割を下回ったという。今回の調査では、安否確認方法の「取り決めがある」は67.9%、職場で災害にあった場合の際の避難場所の位置については「認識がある」は64.4%にとどまった。

防災訓練の形式化 企業が取り組むべきこととは?

防災訓練の形式化 企業が取り組むべきこととは?

さらに本調査では、現在所属している職場において防災訓練で学んだ内容を活かせているかを質問し、「(防災訓練が)形式だけになっている(前回:52.7%/今回:48.2%)」が最多に。また、今回の調査では「一部の災害にしか対応していない(21.8%)」「全員参加が義務付けられていない(17.6%)」「説明のみのため実際のリスクを想像しづらい(16.8%)」「個人の役割がわからなかった(12.6%)」が上位に並んだという。防災訓練の形式化により、想像力を働かせたリスクの想定が難しくなっている様子がうかがえる。

本調査で「あなたは災害による被害を受けたり、身近に危険を感じたりしたことがありますか?」との質問に対しては「ある(前回:45.9%/今回:45.4%)」と回答する人の割合に大きな変化は見られていない。半数近くが災害を経験しながらも防災意識が薄れつつある実態が明らかになったと言えるだろう。

まとめ

本調査結果を受けて同社は、「避難場所を認識していない人が増加するなど、頻発する災害の結果“警報慣れ”を起こし、個人の防災意識が低下していると見受けられます」と考察。被害を最小限にとどめるためには、通常業務の中でも災害時の対応について考える機会を持つ必要があると促した。

また「組織全体で防災意識を高めるため、ビルの管理部門や企業内の総務部といった危機管理部門の従業員の意識向上を図るべきといえます」として、担当者への取り組みの重要性についても触れている。

災害発生時はパニックに陥ることも想定される。予期せぬ事態に慌てずに対応する上でも、日頃の訓練や意識向上は欠かせない。いつどこで起こるかわからない災害だからこそ、従業員の意識向上に向けた取り組みに注力したいものだ。形式化を防ぐためにどのように取り組むか、本調査結果も参考に改めて検討してみては?