管理職の悩み「部下の育成」がトップ ステージごとの違いも判明 ALL DIFFERENT調査
ALL DIFFERENT株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞﨑大輔)およびラーニングイノベーション総合研究所は、同社の管理職向け研修の受講者415名を対象に「管理職意識調査」を実施。回答者のうち課長クラス以上の管理職の悩みや課題に焦点を当てたレポートを発表した。
同社によれば、近年耳にする「管理職になりたくない若者の増加傾向」の背景として、働き方の変化やDXの進展への対応などビジネス環境の変化に伴う管理職業務の複雑化・高度化が、ワークライフバランス重視の傾向にある若者の理想像と合致しないことが挙げられるという、さらに同社は、近年の管理職には個のキャリアプランに基づいたマネジメントが求められ、業務負荷が増大していることも指摘。そうした中で、現在の管理職の課題を明らかにするため、本調査が実施された。
調査概要
ラーニングイノベーション総合研究所「管理職意識調査(悩み・課題編)」
調査対象者:同社が提供する管理職向け研修の受講者
調査時期:2024年5月20日~7月17日
調査方法:Web・マークシート記入式でのアンケート調査
サンプル数:415名
※各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは欠損データとして扱うため、分析の対象外
※構成比などの数値は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がある
出典元:【管理職意識調査(悩み・課題編)】ニュースリリース(ALL DIFFERENT株式会社)
管理職の半数以上が「部下の育成」に悩み
本調査ではまず、課長クラス以上の管理職(以下「管理職」と記載)はどのような悩みを抱えているか質問。その結果、悩みがない管理職はわずか2.7%となり、97.3%の管理職は何かしらの悩みがあることが判明したという。
最も多く挙げられたのは「部下の育成(55.2%)」で、半数以上の管理職が回答している。次いで「部下とのコミュニケーション(30.4%)」「部下の評価・フィードバック(27.4%)」と、部下に関する項目が上位に並んだ。
次に本調査では、管理職を下記の3つのステージに分類し、ステージ別に違いがあるか比較している。
■新任管理職:1~3年目の課長クラス
■ベテラン管理職:4年目以上の課長クラス
■幹部候補:部長クラス
どのステージでも半数以上は「部下の育成」と回答。それに次ぐ回答にはステージごとに違いがあり、新任管理職は「自身の判断力(33.6%)」に、ベテラン管理職は「部下とのコミュニケーション(36.2%)」に、幹部候補は「部門・チームの成果達成(37.9%)」に悩みを抱える割合が高いことが明らかになった。
また幹部候補では「会社の業績/将来(24.2%)」が他のステージよりも10.4ポイント以上高く、管理職ステージが高いほど、回答割合が高まる項目であることも判明している。
管理職が知識・スキルの課題を感じるのは?自身の役割をどう認識している?
続いて本調査は、どのような場面で知識・スキルの課題を感じるのか、ステージ別に比較。その結果、各ステージ共通して課題を感じる場面として「上司や会社から求められる立場・役割を果たすとき」が挙げられている。
それに次ぐ回答は、新任管理職/ベテラン管理職では「管理職として判断が求められるとき(46.4%/32.8%)」が、幹部候補では「新たな領域の業務に挑戦するとき(40.9%)」が多く挙げられたという。
また、認識している自身の役割については、新任管理職は「部下の業務状況を把握すること(60.0%)」と、ベテラン管理職/幹部候補では「会社や部門方針を、部下に正しく伝達すること(56.0%/65.6%)」と考えている人が多いことがわかった。さらに幹部候補の場合は「会社の事業計画に対し、部門の戦略を構築すること」が26.1ポイント以上「予算の立案・執行・管理をすること」が18.2ポイント以上「構築した部門の戦略を、計画に落とし込むこと」が17.2ポイント以上、他のステージより高い結果に。幹部候補になると役割への認識が大きく変わるようだ。
まとめ
管理職の業務負荷の増大が指摘される中、多くの管理職はステージを問わず「部下の育成」に悩みを抱えていることが明らかとなった。一方で、ステージが変われば悩みや課題、自身の役割への認識にも違いが出ることも判明。管理職を一括りにして考えるのではなく、ステージごとに管理職に必要な支援やツールも変化すると考えるべきだろう。
管理職の業務負荷を軽減することで、次世代の管理職候補にもいい影響があるはずだ。負担が大きいという管理職のイメージを払拭し、若手が管理職になりたいと思える環境を作っていくことが重要だろう。