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上場企業の1-8月の早期退職募集人数、前年1年間の2.2倍に急増 TSR調査

2024.09.06

株式会社 東京商工リサーチ(以下:TSR)は、上場企業における2024年1月から8月の早期・希望退職募集状況を集計・調査。その人数が急増している状況にあることを報告した。本調査は、希望・早期退職募集の具体的な内容を確認できた上場企業を対象に集計。2024年8月31日公表分までの「会社情報に関する適時開示資料」と東京商工リサーチの独自調査に基づいている。

2024年1-8月に早期・希望退職募集を実施した企業数が2023年の年間社数に並ぶ

2024年1-8月に早期・希望退職募集を実施した企業数が2023年の年間社数に並ぶ

TSRによれば、2024年1-8月に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は41社(前年同期28社)で、2023年の1年間の41社に並んだという。対象人員は7104人(同1996人)で、前年同期の3.5倍にも及んでいる。2023年の年間3161人と比較すると、2倍以上だ。TSRはこうした状況について「円安を背景に、好調企業による積極的な構造改革、不振企業の事業撤退が重なった格好」と解説。早期退職の募集が年間1万人超ペースとなるのは3年ぶりのことだという。

上場区分は、東証プライムが28社(構成比68.2%)と約7割を占めた。また、黒字企業が24社(同58.5%)と約6割を占めていることから、好業績のうちに構造改革に取り組む動きが強まっていることがうかがえる。一方でTSRは、直近では住友ファーマ株式会社の約700人募集など、不採算事業の止血を急ぐケースがあることを指摘している。

業種別で見ると、「電気機器」が9社(前年同期4社)で最多に。次いで「情報・通信業」が7社、「繊維製品」「機械」「卸売業」「サービス業」が各3社で続いている。

出典元:2024年1-8月 上場企業「早期退職」募集41社 募集人数は前年1年間の2.2倍、7,104人に急増(株式会社 東京商工リサーチ)

まとめ

人手不足が続く中、従業員の年代によっては早期退職の募集にも応じやすい環境と考えられることから、TSRでは当面は企業が早期退職募集を選択するケースが増えるだろうと見ている。

次のキャリアを切り開きたい従業員であれば、早期退職の募集を「きっかけ」と考える人もいるかもしれない。一方、早期退職者の増加傾向は、人材を募集している会社にとってはチャンスとも言える。新しい仕事に挑戦したいと考える人材を積極的に採用したい企業は、求人内容やPR方法を見直してみる価値はありそうだ。