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中小企業の経理担当者が抱える悩みや今後身につけたいスキルとは? ミロク情報サービス調査

2024.10.04

株式会社ミロク情報サービス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:是枝周樹、以下:MJS)のシンクタンクである「MJS税経システム研究所」は、企業の経理担当者362名を対象に「中小企業の経理担当者の働き方&実務の困りごと実態調査」を実施。9月に公表した前編に続き、後編となる「働く悩みとスキルアップ編」を公開した。本レポートでは、仕事全般で問題を感じていることについて全体の傾向ならびに経理担当者の人数や年商別に見た場合の傾向と、スキルアップの現状について明らかにしている。

調査概要

調査名  :中小企業の経理担当者の働き方&実務の困りごと実態調査
調査主  :株式会社ミロク情報サービス MJS税経システム研究所 事務局
調査対象 :MJS発行月刊誌「Monthly Report」送付先企業
      MJSの企業向けメールマガジン受信者
調査期間 :2024年6月1日~6月30日
調査エリア:全国
調査方法 :Webアンケート調査
有効回答数:362
出典元:経理担当者の頭の中<後編> 経理担当者の実務の困りごと実態調査 働く悩みとスキルアップ編(株式会社ミロク情報サービス)

経理担当者が抱えている悩み「業務の属人化」

経理担当者が抱えている悩み「業務の属人化」

本レポートによれば、働く悩みとして最も多く挙げられたのは「業務の属人化(50.0%)」で、次いで「業務の煩雑さ(43.1%)」「業務量の多さ(32.0%)」が続いたという。MJSは「業務の属人化」について、企業規模を問わず多くの回答が寄せられたことから、経理担当者共通の悩みであると分析している。

また、本調査では仕事全般で問題を感じていることについて具体的なコメントを求めており、その中で属人化の問題では「資源:人手不足や採用の問題」「標準化:ルールの整備の問題」「能力:担当者の力量の問題」が傾向として見られたことが報告された。

MJSはそれに対して担当業務の情報共有を促進する工夫や、経験者採用による業務の平準化、業務の標準化やマニュアル整備のほか、研修などの能力向上の機会を増やし担当者間のスキルの差を縮小するといった取り組みが有効だと提言している。

スキルアップの現状

スキルアップの現状

続いて本レポートでは、スキルアップの現状に関する調査結果が報告されている。まず、スキルアップのための費用負担については「自身で費用を出す(37.0%)」が最も多く「会社に費用を出してもらう(29.3%)」を上回った。

また、スキルアップのための時間についても「業務時間外に時間をとる(50.6%)」が過半数で最多となっており「業務時間内に時間をとる(39.5%)」を10ポイント以上上回っている。

MJSはこうした回答から、自分個人のスキルとして身につけようという意欲がうかがえることから、スキルの個人差が生まれやすいとして、業務の属人化との関連を指摘した。

今後身につけたいスキルは「税法知識」

今後身につけたいスキルは「税法知識」

本レポートによると、今後取り組みたい業務としては「経営分析(30.1%)」「中長期計画(23.2%)」が上位に挙げられたという。また、身につけたいスキルとしては「税法知識(46.1%)」「会計知識(35.9%)」「ITスキル(35.6%)」「分析力(33.1%)」が多く挙げられている。

これらの回答を見ると、日常業務よりも一段上の、将来を見据えた活動に興味を示す人が多いことがわかる。経営の中枢を担う業務に取り組みたいという意欲がうかがえた。

まとめ

本調査からは、経理担当者が抱える悩みを解決するためには、スキルアップへの支援策の充実がひとつのポイントとなることが示唆された。そのほか企業に求められている取り組みとしては、業務の効率化やマニュアルの整備が考えられる。

また、経理担当者の多くが、より経営の中枢を担う業務に関心を寄せている様子もみられている。そうした意欲に応えられる環境を整備することも、企業の重要な取り組みであろう。

経理担当者の日頃の業務における課題の解決からスキルアップまで、企業としてどのような施策で支援していくか、本レポートも参考に改めて検討してみてはいかがだろうか。