6割超が職場でハラスメントを受けた経験 最も多いのは「パワハラ」 エン・ジャパン調査
エン・ジャパン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木孝二)は、運営する求人サイト「エン転職」のユーザーを対象に「ハラスメント」に関するアンケートを実施。結果の概要を公表し、職場におけるハラスメントの実態を明らかにした。
調査概要
調査方法:インターネットによるアンケート
調査対象:「エン転職」を利用するユーザー
調査期間:2024年8月28日~9月25日
有効回答数:3566名
出典元:3500人に聞いた「ハラスメント」意識調査 ー『エン転職』ユーザーアンケートー(エン・ジャパン株式会社)
職場でハラスメントを受けたことがある人は64% その内容は?
本調査では「これまで職場でハラスメントを受けたことがありますか?」との質問に、64%が「ある」と回答。年代別では「40代以上(71%)」が「20代(47%)」より24ポイント高く、年代が高い人ほどハラスメントを受けた経験があることが明らかになった。同社によれば、男女での差はほとんどなかったという(男性:65%、女性:64%)。
また、職場でハラスメントを受けたことが「ない」と回答した人が、その理由として最も多く挙げたのは「職場の人間関係が良好だから(56%)」であった。
一方、職場でハラスメントを受けたことが「ある」人にどんなものを受けたのか複数回答で聞くと、「パワハラ(85%)」「セクハラ(24%)」「カスハラ(21%)」との回答が多かったという。
ハラスメントを相談後、「解決しなかった」が61%
本調査では、職場でハラスメントを受けたことが「ある」人に、「誰かに相談しましたか?」と質問。上位の回答は「上司(33%)」「誰にも相談していない(28%)」「同僚(26%)」であったことが報告された。
「誰にも相談していない」と回答した理由についても尋ねており「相談しても解決にならないと思ったから(66%)」との回答が最多となっている。
さらに、相談先を「上司、先輩、同僚、人事、社長・役員、社内の相談窓口、社外の相談窓口(労働局等)、家族」のいずれかと回答した人を対象に、相談した結果について質問。その結果「解決した」はわずか13%で、「解決しないまでも改善した」の17%を合わせても、状況が良い方向に動いた人は3割にとどまっている。61%は「解決しなかった」と回答し、「状況が悪化した(9%)」との回答もあった。
45%が「カスハラ」被害を目撃・聞いたことがある
さらに、近年増加しているとされる「カスハラ(顧客等からの著しい迷惑行為)」についても質問。職場で被害を見たことや、聞いたことがあるか尋ねた結果、45%が「ある」と回答したことも報告されている。「ある」の回答が多かった職種としては「営業職(インサイドセールス・カスタマーサクセス他)」「販売サービス(ファッション、フード、小売他)」がともに63%でトップに。業種別では「流通・小売(百貨店・コンビニ・専門店など)」(65%)が最も多かったという。
また、職場でのハラスメント対策について「実施している」は37%にとどまった。具体的な取り組みとしては「相談窓口の設置(75%)」が最多。なお「ハラスメントのない職場にするために、企業にして欲しいことは何ですか?」との質問には「相談窓口の設置(46%)」「ハラスメントに関する研修の実施(45%)」「ハラスメントに対する自社の方針の周知(39%)」との回答が寄せられている。
まとめ
本調査結果からは、多くの人が職場でハラスメントを経験しており、解決に至らなかったケースも少なくないことがわかる。さまざまなハラスメントが問題となる中、企業は未然に防ぐ取り組みはもちろんのこと、発生時の対応について今一度考える必要がありそうだ。
厚生労働省はハラスメントの防止のために、サイト「あかるい職場応援団」で情報を発信している。自社の体制の見直しや啓発を行う際は、参考にしていただきたい。
参考:あかるい職場応援団(厚生労働省)