ハラスメント時代「過ごしにくい」が52.2% Job総研調査
転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリア株式会社が運営する調査機関『Job総研』は、616人の社会人男女を対象に「2024年 価値観変化の実態調査」を実施した。本調査は、コミュニケーションやハラスメント、残業・出社・出退社や転職・出世・管理職・仕事のスタイルなど、さまざまな価値観を明らかにしている。
調査概要
調査対象者:現在職を持つJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件:全国/男女/20~50代
調査期間:2024年12月4日〜12月9日
有効回答人数:616人
調査方法:インターネット調査
出典元:『2024年 価値観変化の実態調査』を実施しました(パーソルキャリア株式会社)
自身の価値観「令和的」が過半数
本調査ではまずはじめに、回答者全体の616人に自身の価値観を尋ねており「とても令和的(13.5%)」「令和的(25.3%)」「どちらかといえば令和的(24.0%)」を合わせて「令和的な価値観派」が62.8%で過半数を占めたことが報告されている。
なお「令和的な価値観派」の年代別割合では「30代(68.2%)」が最多となり、次いで「20代(64.8%)」「40代(58.9%)」「50代(52.8%)」が続いたという。
また、回答者全体に昭和と令和の価値観が入れ替わる可能性を尋ねる項目では「とても入れ替わると思う(7.5%)」「入れ替わると思う(23.5%)」「どちらかといえば入れ替わると思う(30.7%)」との回答が寄せられ「入れ替わると思う派(61.7%)」が過半数を占めたことがわかった。
ハラスメント時代への価値観とコミュニケーションの理想
次に本調査では、回答者全体の616人にハラスメント時代への価値観を質問。その結果「とても気にしすぎだと思う(11.4%)」「気にしすぎだと思う(22.1%)」「どちらかといえば気にしすぎだと思う(35.2%)」を合わせた68.7%が「気にしすぎだと思う派」で、過半数を占めたという。
続いて令和的な価値観を持つと回答した387人を対象に、ハラスメントの種類が増える時代での過ごしやすさを尋ねた項目では「過ごしにくい派(52.2%)」が過半数を占めている。また、ハラスメント意識が影響していることとしては「言葉選びが難しい(52.1%)」「異性と話しにくい(28.9%)」「気軽にご飯や飲み会に誘えない(24.6%)」が挙げられた。
さらに本調査では、回答者全体にハラスメントを意識せず上司・部下と話したいか質問。「とても話したい(8.9%)」「話したい(24.7%)」「どちらかといえば話したい(33.3%)」との回答が寄せられ「話したい派」が66.9%と過半数を占めたことがわかった。
はたらき方と転職やキャリアの価値観
本調査では続いて、はたらき方の価値観についても「令和的な価値観派(59.9%)」が過半数を占めたことを報告。はたらき方に関する項目ごとの回答では、それぞれ「残業しないのが当たり前派(52.1%)」「リモートワークが当たり前派(52.1%)」「出退社時間は自分で決めるのが当たり前派(60.5%)」が半数を超えたという。
また、キャリアの価値観も「令和的な価値観派(66.9%)」が過半数を占め、転職やキャリアに関する項目ごとの回答では、それぞれ「転職が当たり前派(79.9%)」「出世は実力主義派(70.0%)」「管理職は男性のイメージ派(92.6%)」「仕事のスタイルは上司に合わせる派(60.5%)」が高い割合を示したことが報告されている。
まとめ
本調査では一部に「昭和的価値観」を持つ人が見られたものの「令和的価値観」を持つ人の方が多い結果が報告された。そして「令和的価値観」を持つ人は、ハラスメントの種類が増加する今の時代に対して過ごしにくさを感じていることも明らかになっている。
また、キャリアに対する価値観では「転職が当たり前」「出世は実力主義」といった今の時代らしい答えが多くの割合を示す一方で、管理職については「男性」と考える人が9割を超えている点も見逃せない。
昭和と令和の価値観が入れ替わる可能性について過半数が「入れ替わる」と回答したことも明らかになったが、本当に変えていくべきことは何か、そのために何が必要かを社会全体で議論していく必要があるのではないだろうか。