若手社員と40代~60代との「年代の壁」とは スコラ・コンサルト調査
株式会社スコラ・コンサルトは、全国の社員100名以上の企業の一般職・管理職・役員およそ6000名を対象に「組織に関するアンケート調査」を実施。さまざまな価値観について、若手社員と40代~60代との「年代の壁」を明らかにした。
調査概要
調査主体:株式会社スコラ・コンサルト
調査方法:調査会社のインターネットアンケートモニターによる回答
調査期間:2024年10月18日~10月22日および11月14日~18日
有効回答数:6186人(内訳:一般職(一般社員・係長)3771人、管理職(課長・部長)1600人、役員(役員・経営者)815人)
出典元:株式会社スコラ・コンサルト
仕事への価値観に関する若手社員と40代~60代との「年代の壁」
本調査ではまずはじめに「Q.あなたの仕事に対する価値観について、あなたの考えに当てはまる選択肢をすべて選んでください」と質問。「上司からのフィードバックは頻繁に受けたい(14.4%)」「転職を視野に入れたキャリアアップを考えている(14.5%)」「対面や電話より、オンラインやチャットの方がコミュニケーションしやすい(9.8%)」との回答について、20代が他の年代より比較的多く回答したことが報告された。
逆に、若い年代ほど回答が少ない項目については、次の3種類に分類できるという。
コミュニケーションスタイル …若い年代ほど、仕事に関する人と対等に・積極的にコミュニケーションをとり、積極的な発言の割合や、懇親の機会の意義を認める割合が低い
仕事や組織への貢献意識 …若い年代ほど、組織や顧客への貢献意識が低く、プライベートの時間も仕事に費やす割合が低い
柔軟性や失敗を恐れない姿勢 …若い年代ほど、効率の良いやり方を柔軟にとる割合、失敗を恐れずチャレンジする割合が低い
管理職・役員が20代社員のマネジメントで感じる困難
続いて本調査では「Q.あなたは、現在、20代の若手社員をマネジメントする際に、どのような困難を感じたことがありますか。当てはまるものをすべて選んでください」と質問。最も多く回答されたのは「『パワハラ』にならないよう、部下と接する際に気を遣うことがある(37.0%)」であったことが報告された。
そのほか上位には「『セクハラ』にならないよう、部下と接する際に気を遣うことがある(25.9%)」「部下の中でも価値観が多様であり、一律の対応が難しい(25.4%)」「仕事のプレッシャーに対してストレスを感じやすい部下がいる(24.7%)」「モチベーションを高めることが難しい部下がいる(23.7%)」が挙げられたという。
管理職・役員が20代の頃の体験と、現在の20代社員のマネジメントとのギャップ
次に本調査では、40代~60代の管理職・役員が20代の頃に職場で体験したことを明らかにした。上位には「上司や職場の人とお酒を飲みに行く機会が頻繁にあった(46.7%)」「職場では残業や休日出勤が当たり前だった(46.7%)」「喫煙所で雑談している人がよくいた(45.0%)」「困難な仕事を乗り越えて成長できた(40.7%)」「上司や先輩の『パワハラ』が当たり前にあった(35.8%)」といった回答が並んだという。
さらに「40代~60代の管理職・役員が20代の若手社員をマネジメントする際に感じる困難」と「40代~60代の管理職・役員が20代の頃に職場で体験したこと」を対比した結果、40代~60代の管理職・役員が20代の頃と現在とでは、職場環境や社員の価値観には大きなギャップがあることが明らかになったと報告した。
まとめ
本調査では若手世代と40代〜60代との価値観にギャップがあることが明らかになった。しかし、より細かく見れば、その世代の中にもさまざまな価値観が存在する。こうした結果を受けて同社は、世代間のギャップを埋めることよりも、一人ひとり異なる個性を持っていることに向き合うことが大切だと提言している。
価値観の違いに対して、どちらか一方が無理に合わせる必要はないだろう。大切なのは違いを尊重することだ。互いの違いを知り、認めあった上でコミュニケーションをとることが、信頼関係の構築につながる。そしてそれがチームビルディングを成功させる第一歩となるだろう。