心身の不調によるパフォーマンス低下を防ぐには? Smart相談室調査
株式会社Smart相談室(本社:東京都港区、代表取締役・CEO:藤田康男)は、管理職508名を対象に「管理職編|心身の不調とパフォーマンスの相関に関する実態調査」を実施した。部下やチームメンバーの心身の不調がパフォーマンスにもたらす影響や、パフォーマンス改善に必要な対策を明らかにしている。
調査概要
調査名称:管理職編|心身の不調とパフォーマンスの相関に関する実態調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年11月27日〜同年11月28日
有効回答:管理職508名
出典元:【管理職編|心身の不調とパフォーマンスの相関に関する実態調査】管理職の62.4%が、部下やチームメンバーの「心身の不調によるパフォーマンス低下」を実感。サポート体制が「不十分」との声(株式会社Smart相談室)
※合計を100%とするため、一部の数値について端数の切り上げ処理を行っており、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がある
部下の「心身の不調によるパフォーマンス低下」要因は
本調査ではまずはじめに「Q1.部下やチームメンバーが、勤務中に体調が優れない、もしくは気分が落ち込むなどの心身の不調によってパフォーマンスが低下していると感じることがありますか。」と質問。「頻繁にある(7.5%)」「時々ある(54.9%)」との回答が寄せられている。
続いて「頻繁にある」「時々ある」と回答した人を対象に「Q2.具体的に、どのような行動や様子の変化を通じて気づきましたか。(複数回答)」と質問したところ「仕事のスピードが落ちた(40.7%)」「仕事のミスが増えた(38.5%)」「気分のムラが出てきた(34.4%)」などの回答が上位に並んだという。
さらに、同対象者に「Q3.部下やチームメンバーの不調によるパフォーマンス低下はどのような要因に起因していると思いますか。(複数回答)」と質問した結果、上位の回答には「業務量の多さ(46.1%)」「人間関係のトラブル(45.7%)」「コミュニケーション不足(30.9%)」などが挙げられたことも報告されている。
パフォーマンス改善に向けた取り組みは
次に本調査では「Q4.部下やチームメンバーのパフォーマンスが低下している際、どのような対応をしていますか。(複数回答)」と質問。「業務量の調整(41.5%)」「個別面談の実施(39.8%)」といった具体的な対応が上位にランクイン。また「休暇取得の推奨(30.1%)」「チーム内での業務分担の見直し(28.1%)」といった回答もあり、個々の状況に応じた多様なアプローチが行われていることがわかった。
また、Q4で何らかの対応に取り組んでいると回答した人を対象に「Q5.その対応によって、部下やチームメンバーの業務効率は改善しましたか。」と質問した結果「大きく改善した(5.2%)」「やや改善した(59.8%)」との回答が寄せられたという。何らかの対応を行っている管理職のうち65%がその効果を実感していることが明らかになった。
パフォーマンス低下に対する相談体制は
対応策の効果を実感する管理職が多くいる一方で「Q6.あなたのお勤め先では、勤務中の不調によるパフォーマンス低下について、相談や支援を受けられる環境が整っていると感じますか。」との質問には「あまりそう感じない(36.4%)」「全くそう感じない(15.6%)」との回答が半数を超えた。
この結果は一般社員調査の結果(61.1%)よりも低い割合であり、同社は管理職の方が相対的に社内環境に対する満足度が高いと推察する。一方で、管理職は支援を提供する側としての立場もあるため、環境に対する評価が客観的ではないとの可能性も指摘している。
なお「Q7.サポート体制が不十分だと感じる理由を教えてください。(複数回答)」との質問には「対応が後手に回りがちになっているため(43.2%)」「誰に相談したら良いかわからないため(26.5%)」「プライバシーへの配慮が十分でないため(22.0%)」といった回答が上位に挙げられた。
また「Q8.部下やチームメンバー自身のパフォーマンス低下について、部下やチームメンバーから相談される機会はありますか。」との質問には「あまりない(35.6%)」「全くない(9.3%)」という回答が寄せられた。
同社によれば、一般社員調査では約6割の社員が「パフォーマンス低下を感じた際に上司や同僚に相談できていない」と回答。相談行動の不足は両者で一致しているようだ。
まとめ
本調査では管理職の多くが部下やチームメンバーの心身の不調によるパフォーマンス低下を感じたことがあると判明。様々な対応で改善を試みている様子がうかがえた。一方で、相談体制の不十分さを指摘する声も多く、管理職への相談も十分に行われていない実態も明らかになっている。
まずは部下やチームメンバーが安心して相談できる環境を整え、パフォーマンスの低下を早期に発見し、必要な対応へとつなげられる職場とすることが重要だ。そのためにも管理職側にはメンタルヘルスケアを学ぶ機会の提供が必要だろう。また、部下側の安心感を高めるために、社外の相談窓口サービス等を利用することも検討してみてはいかがだろうか。