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「転職市場予測2025上半期」求人数増加・好調維持予想が13分野 doda

2025.01.08

パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda(デューダ)」(編集長:桜井貴史)は「転職市場予測2025上半期」を公開。慢性的な労働力不足、2040年問題や働き方改革等の影響を受け、全15分野のうち13分野で、求人数の増加や好調を維持するとの予想を示している。

2025年上半期の転職市場予測

同社の発表によれば、2025年上半期の転職市場全体における求人は、今回取り上げられている15分野(7業種、8職種)のうち、13分野で「増加」「好調を維持」との予想になっているという。

求人増加(11分野) :電気・機械、不動産・建設、金融、メディカル、営業、人事、経理、法務、販売・サービス、クリエイティブ、食品

好調を維持(2分野):IT・通信、化学・素材

横ばい(2分野):企画・マーケティング、事務・アシスタント

出典元:転職市場予測 2025上半期【doda編集長とキャリアアドバイザーが動向を解説】(パーソルキャリア株式会社)

採用意欲が好調な理由は?

同社は多くの分野で引き続き採用意欲が好調な理由として、以下の3つを挙げている。

①2040年問題を見据えた採用
団塊ジュニア世代が定年退職を迎えることにより、労働力不足が深刻になるとされる「2040年問題」を見据えた採用を開始している。

②多様な人材ニーズ
働き方改革の推進により、残業時間を抑制するための業務効率化に加え、業務を複数の人材で分担する動きが加速。短時間正社員や、DX人材の採用ニーズも増加している。

③中途採用の強化
新規事業創出や既存事業拡大などの推進にあたり、十分な知見や経験を持つ人材の中途採用に力を入れる企業が増加している。

そのほか、業界や職種別でみると「IT・通信」業界では「2025年の崖」問題を踏まえ、エンジニア職のニーズが引き続き高まると予測。職種別では「電気・機械エンジニア職」において、自動車業界のEV化や半導体ビジネスの拡大に伴う需要が増加するほか「販売・サービス」業界では、インバウンド対応に伴う店舗拡大やテイクアウト・宅配市場の拡大による人員増加のための採用ニーズが拡大する見込みだという。

2025年上半期は満足度向上と人材定着を目指した取り組みが増加傾向か

続いて同社は、2025年上半期の企業動向予想を発表。売り手市場に伴い企業間での人材獲得競争が激化していることから、企業は社員のはたらく満足度を高めることで定着率を向上させ、離職防止を図る取り組みを推進しているという。同社は具体的に次の2つを挙げて解説した。

①負担を軽減して働きやすい環境を整備
同社によると、社員の残業時間削減に取り組んだり、転勤についても個人と丁寧に相談したり、望まない人にはあらかじめ転勤がないコースを選べるようにするなどの工夫がみられるという。また、業務の細分化によって、一人ひとりの業務量を軽減する取り組みや、ベテラン社員が若手社員の業務フローを支援する体制の整備も進められているようだ。

②選考段階における説明やフォローの強化
人材定着を目指す取り組みとしては、ギャップを理由にした入社直後の離職を防ぐために、選考段階から丁寧な説明やフォローを行う企業が増加しているという。応募者がキャリア形成をイメージしやすくなるような説明を行ったり、職場見学で現場社員に質問ができる場を設けたりといった取り組みがあるようだ。そのほか、応募を決めていない段階でも参加できる、会社を知るための「カジュアル面談」を実施する企業も増えていると報告された。

まとめ

2040年問題や2025年の崖、働き方改革、慢性的な労働力不足などの影響があり、2025年上半期も多くの分野で採用意欲が高い状態が続くようだ。

採用はもちろんだが、人事部門としてはその後の定着に関する取り組みにも注力したいところだろう。せっかく採用しても、早期離職されてしまっては元も子もない。入社後だけにとどまらず、選考段階からの取り組みを強化する動きも。自社における採用プロセスが、離職防止を見据えたものとなっているか、改めて見直す機会としていただきたい。