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5割超の企業が「トランプ関税」によりマイナスの影響有 TSR調査

2025.04.11

株式会社東京商工リサーチ(以下:TSR)は4月1日~8日、企業対象のアンケート調査を実施。4月2日、トランプ米大統領が導入を発表した「相互関税」について、企業への影響を探った。9日午後に発動され、翌10日未明に一時停止が明らかになった相互関税。日本への税率はすべての国に対する一律10%の基本税率と国別に課される追加関税を合計した24%で、自動車関税は25%だ。自動車産業など製造業を中心に影響が懸念されている。

5割超が「マイナス」特に多い産業は「製造業」「卸売業」など

5割超が「マイナス」特に多い産業は「製造業」「卸売業」など

TSRの調査によると、 相互関税が「マイナス」と回答した企業は「少しマイナス(30.3%)」「大いにマイナス(22.0%)」を合わせて52.3%と半数を超えている。一方で「プラス」と回答したのはわずか1.3%にとどまった。規模・産業を問わず、多くの企業が経営への打撃を懸念していることが明らかになった。

また「マイナス」の影響があると回答した企業を産業別に見ると「製造業(64.4%)」「卸売業(56.4%)」「運輸業(51.5%)」「農・林・漁・鉱業(51.2%)」の4産業が半数を超えている。

一方で、相互関税への対応は「特になし(65.1%/951社中620社)」との回答が最多に。TSRは「現時点では自社への影響を精査中の企業が多いようだ」と分析する。すでに対応が具体化している企業では「保有する原材料、仕掛品、在庫の量を減らす(9.7%)」「設備投資、拠点開設を取りやめる(縮小する)(9.0%)」といった声が聞かれたという。

調査概要

調査期間:2025年4月1日~8日(「Q2.トランプ大統領の相互関税にどう対応しますか?貴社がグローバルで展開している場合は、国内法人について回答ください。」のみ4月7日~8日に設問を追加)
調査方法:インターネットによるアンケート調査
有効回答:5372社
出典元: 「トランプ関税」 企業の52.3%が「マイナス」 「賃上げ見送り」や在庫調整、設備投資の減少も(株式会社東京商工リサーチ)
※資本金1億円以上を大企業、1億円未満(資本金がない法人・個人企業を含む)を中小企業と定義

まとめ

相互関税の導入発表や中国の報復関税措置などの動きから為替や株価市場は乱高下しており、日本経済に影響が及ぶことは明らかだ。TSRは企業から、賃上げや採用に弊害が出るとの声も寄せられたことを明らかにしており、業績への影響が大きくなれば賃上げを見送る動きが広がる可能性も考えられる。

TSRはこうした状況に対し、寄り添った支援が求められており、行政や金融機関と企業でコミュニケーションをとっていく必要性があると提言した。一時停止となった相互関税だが、この間に今後の対応について検討しておかねばならないだろう。