内部通報制度と社内コンプラ研修・教育の実態が判明 KiteRa調査

株式会社KiteRa(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員 CEO:植松隆史)は、従業員725名を対象に『内部通報制度、コンプライアンス研修・教育に関する実態調査』を実施。企業のコンプライアンス違反の実態を多角的に把握することを目的に実施したもので、3回目(最終回)の調査結果が発表された。
調査概要
調査名:従業員のコンプライアンス違反に関する意識調査
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2025年3月10日
有効回答:勤務先で「コンプライアンス対応業務」を担当しているかという
質問に対し、「担当していない」と回答した20~60歳までの従業員725名
調査企画:株式会社KiteRa
出典元:【コンプラ意識調査 2025 Vol.2】 社内コンプライアンス違反、約4人に1人が見て見ぬふりの衝撃! 発生内容のうち約6割が「ハラスメント」と回答。約8割が目の当たりにしても「報告経験なし」と回答。 ~従業員725名が明かす”コンプライアンス違反”の実態~(株式会社KiteRa)
※構成比は小数点第2位を四捨五入
72.6%が社内の「内部通報制度(ホットライン)を知らない」

本調査ではまずはじめに「社内にコンプライアンス違反を報告するための内部通報制度(ホットライン)があることを知っていますか。(単一回答)」と質問。「いいえ(72.6%)」「はい(27.4%)」との回答割合となったことが報告された。
なお同社は、2022年6月に改正された公益通報者保護法により、内部通報制度(ホットライン)の整備が義務付けられている従業員301名以上の企業に所属する従業員に同じ質問をした場合においても「いいえ(52.8%)」が過半数となったとして、内部通報制度の認知度に課題があると指摘している。
続いて本調査では、内部通報制度があることを知っている人を対象に「貴社の内部通報制度は、通報者の匿名性および報復防止について、十分に配慮されていると思いますか。(単一回答)」と質問。「わからない(43.2%)」「はい(十分に配慮されていると思う)(32.7%)」「いいえ(十分に配慮されていると思わない)(24.1%)」との回答結果が報告された。
コンプライアンス研修「受けていない」76.6%

次に本調査では「過去1年間にコンプライアンス研修を受講したことはありますか。(単一回答)」と質問しており「いいえ」と回答した人が76.6%にも及ぶことが判明した。
さらに同社は、企業規模別にコンプライアンス研修の受講状況を分析。その結果「いいえ」の回答割合は「従業員100名以下:90.4%」「従業員101名〜1000名:71.3%」「従業員1001名以上:51.0%」になったという。
一方で、コンプライアンス研修受講者を対象とした「研修の内容は実務に役立つと感じましたか。(単一回答)」との設問では「やや役立つ(53.5%)」「非常に役立つ(24.7%)」と、約8割がその有益性を実感していることも明らかになった。
なお、コンプライアンスに関する教育・研修で強化して欲しい点としては「ハラスメントが起きた場合の対応方法(42.9%)」「具体的な事例を用いた解説(33.2%)」「ハラスメントの種類と具体例(30.3%)」との声が多く寄せられている。
また、コンプライアンス意識向上のために取り組んでほしい施策としては「従業員アンケートの実施(32.6%)」「 研修内容の充実(30.3%)」が多いようだ。
まとめ
本調査では内部通報制度の低い認知度が明らかになった。その要因のひとつと推察されるのが、コンプライアンス研修の受講率の低さだ。受講経験のある人は大多数が研修が役に立ったと回答していることからも、研修実施の促進が従業員の意識向上に効果的だと考えられる。
従業員の要望としても研修内容の充実や対策の強化が上位に挙げられており、企業としてより積極的に取り組んでいく必要性が示唆されている。形式的な対策にとどまらず、実効性の高い対策としていくためにも、研修の実施体制や内容を見直し、全社的な取り組みを推進していただきたい。