職場で「無礼な言動」をされた経験と感じ方、性別・世代で差 コーナー調査
株式会社コーナー(東京都渋谷区)は「職場のインシビリティ(無礼な言動)」に関する調査の第2弾として“なぜインシビリティが改善されないのか”という企業の構造的課題に焦点を当てた分析結果を公開。「注意が生まれない構造」と「認識・感じやすさのギャップ」 が、職場のインシビリティを固定化させる要因になっている可能性が示された。
調査概要
調査タイトル:職場におけるインシビリティ実態調査
調査対象:日本国内の就業中の20〜50代男女
調査期間:2025年9月17日〜9月19日
サンプル数:624名
調査実施者:株式会社コーナー/マクロミル
調査方法:Webアンケート調査
出典元:『職場におけるインシビリティ実態調査レポート』ダウンロード(無料)(株式会社コーナー)
※インシビリティ(Workplace Incivility)とは:相互尊重という職場の規範に反しながらも、意図が明確でない低強度の逸脱行為。具体的には、言葉を遮る、感謝を示さない、貢献を軽視する、意思決定から排除するなどの行為。
インシビリティを経験した・見かけても表面化しづらい現状
本調査では、インシビリティを経験した・見かけたときの行動として「波風を立てずに距離を取る」傾向が共に強いことが明らかになった。経験した際の上司への相談やその場でのフィードバックなどの行動は2〜3割にとどまっている。
また、インシビリティ経験の属性差として「感謝・労いの欠如」「高圧的な物言い」では、20代が「週2~3回程度」で最も多く経験していることが判明。一方で「機会の不平等」「意思決定の排除」は、50代が多かった。また、50代では4項目すべてで経験頻度が多い傾向にあることがわかった。
性別・世代で異なるインシビリティのハラスメント認識
さらに、インシビリティをハラスメントとみなすかどうかは、性別・年代によって判断が異なるという結果となった。
女性は年代が上がるにつれハラスメントとして明確に問題視する割合が高まるが、男性は全般に「境界線+ハラスメントとは言えない」と捉える割合が高い。中でも40代では「ハラスメントとは言えない」と判断する割合が多く、50代は反対に「ハラスメントに当たる」と判断する割合が多かった。
20代では「ハラスメントに当たらない」と考える割合がやや増えるが、グレーゾーンとして受け止める傾向は依然として高いようだ。
まとめ
本調査結果からはインシビリティは若手だけの問題ではなく、責任や役割が重くなる中堅からシニア層にも継続的に積み重なりやすいことが読み取れる。経験した・見かけた際の行動の傾向からは「表面化しづらい」というリスクがあることも明らかになった。
また、世代やそれぞれの立場における認識にギャップがあることから、「社内の共通認識が形成されにくい」という現状も見受けられた。
こうした状況を「個人の問題としてではなく、組織の問題として捉えていくことが重要だ」と同社は指摘。コミュニケーション設計や基準づくりなど、仕組みの改善の必要性を説いている。今後のハラスメント対策の構築や、働きやすい職場づくりの参考としたい。










