平均残業時間は減少傾向も、職種により約3倍の差 パーソルキャリア調査
パーソルキャリア株式会社は、運営する転職サービス「doda(編集長:桜井貴史)」上で、20~59歳のビジネスパーソン15000人を対象に、2025年の平均残業時間の実態を調査した。
調査概要
対象者:20~59歳の男女
雇用形態:正社員
調査方法:ネットリサーチ会社を利用したインターネット調査(ネットリサーチ会社保有のデータベースをもとに実施、doda会員登録の状況については不問)
実施期間:2025年8月1日~8月8日
有効回答数:15000件
出典元:転職サービス「doda」 ー 平均残業時間の実態調査【2025年版】
※ウェイトバック:正社員の地域・年代・性別に合わせて実施
※記事中の割合データは、小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%にならない場合がある
平均残業時間は2024年調査よりやや減少
同社の発表によると2025年の平均残業時間は20.6時間/月。前回2024年の調査より0.4時間減少しており、3年連続で減少傾向にあることがわかった。
平均残業時間が少ない職種としては、前回1位であった「医療事務(前回:10.3時間/今回:10.5時間)」が今回も1位に。TOP20で前回から最も減ったのは、7位の「品質管理/品質保証(医療系)(前回:27.9時間/今回:12.8時間)」だった。
年代別の残業時間は50代のみ増加傾向
平均残業時間の多い職種については、1位が「総合商社の営業(前回:29.3時間/今回:29.8時間)」。前回1位の「インフラコンサルタント(前回:39.4時間/今回:22.7時間)」は前回より16.7時間減少し、TOP20位圏外になっている。
年代×職種分類別の平均残業時間は年代別に見ると、20、30、40代は残業時間が減少、50代は増加傾向にあることが判明した。さらに、20~50代すべてで「事務/アシスタント」が最少だった。また、それぞれの年代でのトップは「20代:企画/管理」「30代:モノづくり系エンジニア・建築/土木系エンジニア」「40代:モノづくり系エンジニア」「50代:建築/土木系エンジニア」という結果となった。
まとめ
全体としては減少傾向にある平均残業時間。しかし職種によって大きな差があり、特に事務系と営業系とでは約3倍の差がみられている。業務の性質上、残業が避けられないケースが多いことを物語っている。
また、年代別では50代のみ増加傾向にあることが判明している。働き方に対する価値観の世代による違いや、プレイングマネージャーの増加などが背景になっていることが推測される。
残業時間が増えれば心身の健康への影響はもちろん、業務効率の悪化、エンゲージメントの低下の原因にもなりうる。さまざまな制約の中でどのように業務の効率化を進めていくか、職種や年代ごとの特性を鑑みながら検討を進めていく必要がありそうだ。










