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2025年11月の国内景気、大企業・中小企業は改善も小規模企業は悪化 TDB調査

2025.12.04

株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、全国2万4531社を対象に2025年11月の国内景気動向について、調査・集計を実施した。景気DIは前月比0.2pt増の44.1となり、6カ月連続での改善となったことを報告している。

調査概要

調査期間:2025年11月14日~11月30日
調査方法:インターネット調査
調査対象:調査対象2万4531社、有効回答1万207社、回答率41.6%
調査機関:株式会社帝国データバンク
出典元:2025年11月の景気動向調査(株式会社帝国データバンク)

仕入単価の上昇は重しとなりつつも6カ月連続改善に

仕入単価の上昇は重しとなりつつも6カ月連続改善に

TDBは2025年11月の景気DIについて、前月から0.2pt増の44.1と、2020年11月以来5年ぶりに6カ月連続の改善となった。「農・林・水産」は月連続で過去最高を記録し、そのほか「運輸・倉庫」「卸売」など、4業界で改善がみられている。一方で、「金融」「不動産「小売」「建設」など5業界は悪化。原材料など仕入単価の上昇や、熊の出没による外出控えがマイナス要因となった、とTDBは分析している。

規模別では大企業・中小企業において改善がみられた一方で、小規模企業は2カ月ぶりに悪化。そろって改善とはならなかった。企業間格差は4.9から5.2と再びやや広がっている。

今後の国内景気についてTDBは、日中・米中関係の動向に注目している。また、総合経済対策の実施による、家計の実質購買力回復がポイントとみているようだ。景気を下支えする要因には、底堅い旅行需要、AI関連の設備投資などが挙げられる。しかし、長期金利の上昇や政策金利の引き上げ、為替レートの変動、日中関係の不安定化、人手不足といった懸念材料も多い。持ち直しが続くとの予測はあるものの、大幅な改善とはならない見込みだ。

大企業・中小企業で改善 小規模は2カ月ぶりの悪化へ

大企業・中小企業で改善 小規模は2カ月ぶりの悪化へ

「大企業」(48.5):前月比0.5ポイント増
2カ月ぶりの改善となった大企業。『小売』では9業種中6業種が上向き「自動車・同部品小売」などが好調だった。。『建設』も大型物件が多く好調で、全体を押し上げている。設備投資意欲DIは3カ月連続で50台を維持した。

「中小企業」(43.3):前月比0.2ポイント増
中小企業は2カ月連続の改善がみられている。全体を牽引したのは『卸売』で、中でも「機械・器具卸売」ではWindows11移行によるPC入替需要が堅調であった。旅行需要による『運輸・倉庫』の改善も目立つ。

「小規模企業」(42.1):前月比0.1ポイント減
小規模企業は2カ月ぶりに悪化。『製造』では改善がみられたというが、需要の減少や資材費の高騰がマイナス要因となった『建設』とそれに連動する形で『不動産』が悪化し、全体を押し下げている。

まとめ

5年ぶりに6カ月連続での改善がみられながらも「大企業」と「中小企業」の規模間格差は再び拡大する形となった、2025年11月の景気DI。今後についてTDBは「緩やかな持ち直しが続く」との見方を示している。

TDBの報告によると、就任2カ月目の高市政権による政策には、期待を寄せる声が多いという。総合経済対策が家計の実質購買力をどれだけ回復させられるか、その効果には注目したいところ。一方で為替レートの変動や日中関係の不安定化など、懸念材料も多い。人手不足も引き続き大きな課題として残るだろう。高市政権の政策も含め、今後の動向にも注目したい。