メインバンクランキング、メガバンク上位もシェア低下 TDB調査
株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、2025年10月末時点の企業概要データベース「COSMOS2(約150万社収録、特殊法人・個人事業主含む)」をもとに、企業が「メインバンク」と認識する金融機関を分析した。同調査は2024年12月に続き17回目。
調査概要
・一企業に複数のメインがあるケースでは、各企業が最上位として認識している金融機関をメインバンクと定義
・本調査は帝国データバンクが独自に調査・保有する企業概要データベース「COSMOS2」に収録された企業データであるため、各金融機関がメインとして認識する実数と異なる場合がある
出典元:全国「メインバンク」動向調査(2025年)(株式会社帝国データバンク)
シェアトップは「三菱UFJ銀行」で17年連続首位
TDBによると、2025年の全国メインバンク社数トップは「三菱UFJ銀行」で、企業数は9万2891社。2009年の調査開始以降17年連続のトップだが、全国シェアでは6.18%と前年から0.15pt低下。社数で607社の減少がみられた。TDBによれば16年連続のシェア縮小となったほか、低下幅は2024年に続き全金融機関で最大だという。
2位は「三井住友銀行(7万5280社/シェア5.01%)」で前年からシェアで0.11pt低下、社数で223社減少。3位の「みずほ銀行(6万80社)」もシェアで0.09pt、社数で363社減少した。メガバンク(都市銀行)上位3行がそろって減少し、2024年比で1193社・シェアにして計0.35ptの低下となったことになる。
一方、同じメガバンク(大手5行、都市銀行)の「りそな銀行(3万1146社、シェア2.07%)」「埼玉りそな銀行(1万8026社、同1.20%)」は、ともに社数で増加。なお、2025年内に合併した地銀・第二地銀では「青森みちのく銀行(旧青森銀行+旧みちのく銀行)(1万3400社、同0.89%)」が全国22位に「あいち銀行(旧愛知銀行+旧中京銀行)(1万344社、同0.69%)」が全国30位の規模となった。
地銀は「北洋銀行」がトップ 純増数は初めてネット銀行がトップに
地方・第二地方銀行では「北洋銀行(2万3910社、全国:5位)」が最多に。次いで「福岡銀行(2万2831社、同6位)」「千葉銀行(2万1727社、同7位)」「西日本シティ銀行(2万1168社、同8位)」が続いている。信用金庫では「京都中央信金(8407社、全国:44位)」「多摩信金(7712社、同49位)」「大阪シティ信金(7425社、同52位)」が上位となり、信用組合では「茨城県信組(3096社、同100位)」が最多だった。
またTDBは、2024年時点でメイン社数1千社以上を有する金融機関のうち、前年からの増加社数(純増)について分析。最多は「GMOあおぞらネット銀行(メイン社数:1283社、前年比597社増)」で、ネット銀行が純増数で首位となるのは調査を開始した2009年以降で初めてだという。
まとめ
メインバンク上位3行でそろってシェアが低下する中、純増数では初めてネット銀行がトップになるなど、メインバンク選考条件が変わりつつある様子がみられている。ネット銀行は口座維持のコストが安価なことや、迅速な融資決定力を持つことが強みとなっているようだ。
新たに創業した企業がネット銀行をメインバンクに選択するケースが多いものの、メガバンクや地銀などからネット銀行へ変更する企業も若干ながら増加傾向にあるという。その存在感は今後さらに高まるとみられており、動向に注目が集まっている。










