地域別「中小企業の業績比較」関東が業績回復をけん引 TSR調査
株式会社東京商工リサーチ(以下:TSR)は、保有する企業データベース(約440万社)から、2024年10月期-2025年9月期を最新期として6期連続で売上高・純利益が判明した中小企業を抽出し、エリア別の業績動向を集計。「新型コロナウイルス」感染拡大から5年が経過した今、円安を追い風に輸出産業や大企業を中心に業績改善が進んでいる。賃上げや設備投資の動きも広がる中、地域ごとの回復状況を探った。なお、金融・保険業は分析対象から除き、エリアは本社および本社機能がある地点で集計している。
※中小企業の定義は「中小企業基本法」に基づき、従業員数は正社員数を採用
関東が業績回復をけん引、東北は赤字企業率3割以上に
TSRはまずはじめに、2024年10月期-2025年9月期を最新期として抽出した中小企業の全国平均の水準を報告。売上高は10億8892万円、純利益は3770万円で利益率は3.46%だった。コロナ禍直前期~初頭の5期前(2019年10月期-2020年9月期)と比べ、売上成長率は14.4%増加しており利益率上昇幅は+0.84ptとなっている。 一方で、赤字企業率は21.5%から23.8%に上昇した。
地区別(本社地ベース)の業績比較では、売上規模・利益水準ともに地域間の格差が大きいことがわかった。業績の回復が目立つのは関東で平均売上高は17億96万円、平均純利益は6454万円、利益率は3.7%。5期前比の売上成長率も、16.1%増と高水準を示している。このほか平均売上高、売上成長率の高さでは群馬県が目立っている。利益率・利益率上昇幅では、震災復興需要などを背景に、建設業や運輸業で収益性の改善が進む北陸がそれぞれ3.53%、+1.22ptと高い値となった。
反対に、数字の低さでは東北が目立つ。平均売上高は6億4653万円で四国に次いで低い水準、平均純利益は1392万円でワースト。赤字企業率は唯一の3割超で、5期前からの売上成長率が8.7%増、利益率上昇幅+0.22ptと他地区と比べると物足りない水準にとどまっている。
県別では、5期前からの売上成長率が最も高かったのは熊本県(25.5%増)。売上成長率が2番目に高かったのは京都府(23.1%増)。利益率上昇幅が最も高かったのは石川県(+1.90pt)だった。
出典元:エリア別「中小企業の稼ぐ力」を徹底比較!群馬や熊本が健闘、東北地方は赤字企業率3割超え(株式会社東京商工リサーチ)
まとめ
売上高が5年前を上回り、一見すると日本経済が着実に拡大しているかのようにも思える。しかし、利益率や赤字企業率に注目すると、一概にはそうとはいえない状況であることががうかがえる。
TSRのレポートではこのほか、産業別での地区ごとの特徴についても報告されている。同じ産業でも、地区によって異なる状況にあることも明らかになった。
TSRは「日本の中小企業の成長に求められるのは『量』よりも『中身』というフェーズにある」と指摘している。どのように収益を改善していくか、収益力の強化につながる成長を目指していくことが必要な時期といえるだろう。











