原油価格の高騰による「消費者物価上昇率」最大1.26ポイント増の試算 TDB調査
株式会社帝国データバンク(以下:TDB)は、原油価格高騰が物価および家計支出に与える影響についてレポートを公開。原油価格が20%、50%、100%上昇する3つのシナリオを設定。産業別の出荷価格、消費者物価、家計支出への影響を試算した。
原油価格の高騰、さまざまな価格に波及
原油価格の上昇が各産業の出荷価格をどの程度、押し上げるかを試算。その結果、最も価格上昇が大きいのは、プラスチックや合成繊維の原料を含む「石油化学基礎製品」で、最大17.73%の上昇が見込まれるという。
さらにTDBは、消費者物価の押し上げ幅を分析。最も大きいのは「軽油」であり、次いで「ガソリン」「その他の石油製品」「灯油」「液化石油ガス」が上位に続いたことを報告した。「これらのエネルギー価格の上昇は、直接的な負担増にとどまらず、物流コストや生産コストの上昇を通じて、他の財・サービス価格の押し上げ要因にもなり得る」と指摘している。
2人以上の勤労者世帯の年間支出、最大5万円超増加の可能性
また、原油価格の上昇が幅広い価格に波及することで、消費者物価上昇率を0.25~1.26ポイント押し上げる見込みだという。
家計への影響をみると、2人以上の勤労者世帯の年間支出は最大で5万388円増加する可能性を示唆。年収200万円未満の世帯では、もともと支出額が収入の95%を超えるなかで追加負担が発生することになり、高所得世帯と比較して生活へより大きな影響が及ぶと考えられる。
出典元:原油価格高騰が物価および家計支出に与える影響(株式会社帝国データバンク)
まとめ
原油価格の高騰はエネルギー価格への影響にとどまらず、物流費や製造コストを通じて幅広く物価を押し上げる。家計負担は低所得世帯ほど増加し、消費者の購買力低下を引き起こすだろう。
企業にもこうした影響は及ぶこととなる。コスト上昇を前提とした予算管理や価格改定だけでなく、従業員の生活負担を踏まえた支援策や制度設計についても検討を進めたいところ。引き続き原油価格と政府の動向に注目したい。













