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「人材の強化」「収益性向上」当面する企業経営課題に 日本能率協会調査

2026.05.20

一般社団法人日本能率協会(会長:中村正己、以下:JMA)は「2025年度(第46回)当面する企業経営課題に関する調査」を実施した。本調査は、企業が直面する経営課題を明らかにし、今後の経営指針を探ることを目的として1979年から実施されている。本記事では、調査報告第2弾として報告された「経営課題」に関するレポートの概要を紹介する。

調査概要

「2025年度(第46回)当面する企業経営課題に関する調査」
調査時期:2025年8月19日~9月25日
調査対象:JMAの法人会員ならびにサンプル抽出した全国主要企業の経営者(計5074社)
調査方法:郵送調査法(質問票を郵送配布し、郵送およびインターネットにより回答)
回答数・回収率:回答数530社・回答率10.4%
出典元:日本能率協会

現在の経営課題「収益性向上」「人材の強化」が前年度に続き突出

現在の経営課題「収益性向上」「人材の強化」が前年度に続き突出

調査結果を見ると「現在」の経営課題として「収益性向上(48.5%)」「人材の強化(46.2%)」がそれぞれ約5割を占めている。ほかの課題と比較して、突出して高い割合となった。同協会によると、前年度も同様の傾向がみられたという。

また、前年度から大きく順位を上げたものとしては「デジタル技術・AI活用(16.4%)」が11位から5位に。同協会は「導入試行の段階から省力化、顧客価値向上等の経営効果の創出が期待されるステージになったと推察されます」と解説した。

10年後の経営への影響要因は?

10年後の経営への影響要因は?

続いて、2035年(調査時期の10年後)の経営に影響する事象とその備えの相関について報告。「AIやDXをはじめとするデジタル技術のさらなる進展(技術)」「高度化するサイバー攻撃への対応とセキュリティ対策(技術)」の攻守両面でのIT領域、「働き手の価値観・キャリア観の多様化(社会)」の3事象は、経営への影響度が大きく、備えへの取り組みが推進していた。

次いで経営への影響度が大きい「国内市場の縮小継続に伴う売上減少、事業構造改革および業界再編の進展(経済)」と「雇用が流動化した状態を前提とした業務推進や人材育成(社会)」の2事象についても調査。「備えへの取り組みを予定」「検討中」という回答が多かった。

経営を見通す未来は平均して「7年後」

経営を見通す未来は平均して「7年後」

また本調査では、経営課題や事業のあり方を議論・検討する際に、どれくらい先の未来を設定するか尋ねる項目で「5年後(37.5%)」「10年後(30.0%)」「3年程度(以内)(24.9%)」の順となっており、平均的な想定年数は、7.0年であることがわかった。

従業員規模別では、大企業が「10年後」が4割超で最も高く、15年後以上先の未来を設定する企業も1割超みられたという。一方で、中堅企業では「5年後」が4割超と最も高く、中小企業は「3年程度(以内)(36.4%)」「5年後(35.3%)」と、5年以内が7割超を占めた。

しかし、中堅企業でも28.3%が「10年後」を想定し、中小企業においては「5年後」と「10年後」を想定する割合が58.4%に達している点について、同協会は注目に値すると解説。ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を、従業員を含むステークホルダーに定義した上で、具体的な戦術には柔軟性を持たせる経営を実践する経営層が、従業員規模を問わず増加しつつあることを示唆しているとの見解を示した。

まとめ

企業経営において「人材の強化」と「収益性向上」が引き続き最重要課題となる中、AI・DX活用やサイバーセキュリティ対応など、中長期視点での経営基盤整備の重要性も高まっていることが明らかになった。

働き方やキャリア観の多様化、雇用流動化を前提とした組織運営が求められている。DX推進による業務効率化や人材育成体制の強化に加え、将来を見据えた柔軟な制度設計やリスク管理を進めることで、変化に強い持続可能な組織づくりに取り組んでいきたい。