「年末調整」従業員50名以上の企業の6割超が残業増加 弥生調査
弥生株式会社(本社:東京都千代田区、代表者:武藤健一郎)は、全国の企業で給与計算・年末調整を担当する901名を対象に「令和8年分 年末調整業務に関する実態調査」を実施した。調査の結果、給与計算ソフトを導入していても、申告書の配布・回収には紙などを使用する企業が約4社に1社に上ることが明らかになった。また、従業員50名以上の企業では年末調整時期に残業が増加した割合が6割を超え、デジタル化の進め方や従業員へのサポートが担当者の業務負担を左右する課題となっている。
調査概要
調査名:令和8年分 年末調整業務に関する実態調査
調査期間:2026年9月
調査対象:全国の企業における給与計算・年末調整担当者901名
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査主体:弥生株式会社
出典元:年末調整に「50名の壁」、従業員50名以上の企業の6割超で残業増加(弥生株式会社)
部分的なデジタル化が年末調整の負担を解消できない実態
本調査では、給与計算にはソフトを利用し、申告書の配布・回収は別の手段で行う企業が27.2%に上ったという。
年末調整業務で負担に感じることとしては「書類の不備や入力ミスの修正(44.6%)」「各種申告書の記入内容の確認(42.6%)」「申告書の配布・回収(40.5%)」といった回答が上位に挙げられている。
ソフトを導入していても、申告書の回収から計算までの工程が分断されている場合、書類の確認や入力などの作業が残る。年末調整業務の負担軽減に向けては、ソフトの導入だけでなく、各工程の運用方法も課題となっているようだ。
従業員50名以上の企業では未提出者対応や残業増加が課題に
従業員数が50名以上の企業では、年末調整に伴う追跡・確認作業の負担が大きい実態が明らかになった。従業員50名以上300名未満の企業では、未提出者が平均約9人発生しており、担当者は個別の提出状況の確認や申告内容のチェックに対応している。
また、年末調整の時期に残業時間が増加したと回答した割合は60.5%に。未提出者への連絡や申告内容の確認など、従業員数の増加に伴って対応すべき業務がある中で、担当者の時間外労働が増加している実態が示された。
デジタル化の課題、企業規模によって異なる
年末調整業務のデジタル化を進める上での課題には、企業規模による違いが見られた。従業員50名未満の企業では「現在の紙運用に不便を感じていない」が最多となった。一方、従業員50名以上300名未満の企業では「従業員への周知・案内」と「PCやスマートフォンの操作が難しい従業員がいる」が同率1位だった。
小規模企業では紙による運用を見直す必要性を感じにくい。一方、一定規模以上の企業では、デジタル化に伴う従業員への説明や操作サポートが課題として挙げられている。業務のデジタル化を進める際には、企業規模や従業員の状況に応じた対応がポイントとなりそうだ。
まとめ
年末調整の業務負担を軽減するには、ソフトの導入状況だけでなく、申告書の配布・回収から内容確認、計算までの業務全体を見直すことが重要だと読み取れる。実際に、ソフトを利用していても申告書の配布・回収を別の手段で行う企業が27.2%あり、書類の不備や入力ミスの修正、記入内容の確認が担当者の負担となっていることが明らかになった。
さらに、従業員50名以上の企業では残業時間の増加が6割を超えており、未提出者への対応も課題となっている。一方、デジタル化には、従業員への周知や操作サポートといった運用面の課題もあるようだ。
現行業務のどの工程に負担が集中しているかを把握した上で、従業員への案内や提出状況の管理も含め、業務全体の効率化を図りたい。












