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新時代「令和」。個に合わせる時代へ

 大企業では2019年4月から既に運用が開始されている「働き方改革法案」。中小企業も2020年4月からの運用開始予定となっています。現在その制度準備に追われている方々もいらっしゃることでしょう。実は当社もその一社です。

 働き方改革は、
 ・働く方々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で選択できるようにする
 ・投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ること
 ・成長と分配の好循環を構築し、一人一人がより良い将来の展望を持てるようにすること
 を目指しています。

 この目指すところは誰もが理解し、こうした働き方が実現されることを皆望んでいる事とは思います。今回は、様々な働きかたに焦点を当てたいと思います。

終身雇用制度の崩壊

 終身雇用という言葉を聞かなくなってからかなりの年月が経ちます。

 私たちの子供のころは「良い大学に入って良いところに就職出来れば一生安泰」という風潮がありました。

 しかし、現在その時代に就職した人たちの中には、早期退職・役職定年等により、早ければ40代で次の就職先を探しているのが現状です。当社にも45歳過ぎの転職希望者が毎日来社されています。希望は高く、都内勤務なら800万~1000万の年収を希望されます。職歴も大手を2~3社ほど経験され、通常で言えば現在よりも更に年収アップが狙えるキャリアをお持ちです。しかし、実際には現収1200万~1500万ですので、希望は下げているのです。

 終身雇用が崩壊した一番の理由は「経済の停滞」。

 年功序列の維持が出来なくなり、企業業績の成長維持が難しくなってきている現代では、一生に1つの会社・年齢給と言われる年齢に応じた給与昇給・給与アップのための転職は非常に難しくなってきています。

個々の働き方に合わせた「多様な働き方」が増える

 終身雇用の崩壊により、様々な呼び名の働きかたが増えてきています。パートアルバイト・派遣・契約社員・社員・請負契約・個人事業主。

 「正社員が安定していて一番良い」とされてきた時代は終わりました。24時間戦う時代も。かつては誰もが正社員で働く事が正しいと思われていた時代がありましたが、今は如何に自分に合った働きかたが出来るかを問われています。

 ・自身が何を望み
 ・何に重きを置いて仕事をするか
 ・人生に於いて「仕事」はどのくらいの割合を占めるべきか
 ・お金はどの位必要か

 こうしたことを自身で考え、選択する自由が与えられるようになりました。逆に言えば、正社員を目指せば良かった時代の方が楽だったかもしれません。

正社員も一律ではない時代

 正社員であれば、誰でも同じ勤務時間・同じ就業条件が当たり前でした。しかし、現在は正社員であっても個々の契約が異なるのが当たり前になりつつあります。

 ・子育て
 ・介護
 ・ワークライフバランス

 個々それぞれの事情に合わせた働き方が出来るよう、各企業は個別契約を交わして様々な働き方を実現しようとしています。

 当社も労働契約法、派遣法の改正に合わせ、雇用形態を増やしました。当社の場合は派遣で就業頂いている方が多く、派遣先企業様から「長く就業してほしい」との有難いお声を頂き、社員に負担のない雇用形態である「地域限定社員」を取り入れ、無期契約・通勤2時間以内での就業先変更を重点に、無期契約で派遣先常駐の方向けの就業規則を制定。これに加えて個々それぞれとの個別契約を交わすことで柔軟な働き方が出来るようにしています。

高度プロフェッショナル制度

 働き方改革の中に、「高度プロフェッショナル制度」があります。『高度な専門的知識を有しており、かつ、労働時間と得られる成果の関連性が低い』仕事をしている人を対象に、働いた時間ではなく、働いて得られた成果に対して給料を支払う制度です。

 45歳過ぎのキャリアをお持ちで、現職1000万以上の方が希望する雇用形態は、ほぼ100%正社員ですが、高度プロフェッショナル制度は労働基準法の適用はされないことから、正社員ではないことがわかります。

 正社員=安定・安泰 転職=ステップアップ の神話が崩れている昨今。

「自身のスキルをどのように活用・成長させ、売っていくか」を雇用形態に囚われずに考えて行かなければ、正社員に固執してしまうことで結果転職に失敗する結果になるかもしれません。

正社員の個別契約多様化による弊害

 人材が不足している時代でもあります。企業は従業員の離脱防止、リファーラル採用への誘導へ向けて、個々それぞれに合わせた個別契約を進めて行かなければならなくなりました。

 ただ、企業側はこうした様々な契約により、規約や規定の見直し、給与形態や労働条件等の管理をしなければなりません。また、法律が次々に変わる昨今では、常に現在の法に合っているかも確認していく必要があります。

 ・複雑な給与計算・・控除は・・割増は・・
 ・規定等を法に適した内容に適宜修正しなければ・・
 ・また法改正・・現在の規約が違反にならないかチェックしなければ・・
 ・この個別契約で万一紛争となった場合は・・
 ・個別契約が多すぎて昇給降格はどうしたら・・
 ・個別の条件が多すぎてどこまで許容したらいいのだろう・・
 ・人事制度をどのように作ったらいいのやら・・

 などなど、人事担当者の負担は増える一方であり、相当な知識が必要となってきています。知識部分は外部社労士・ボリュームのある給与計算はアウトソースするなど、外部をうまく活用し人員を増やさず管理に集中出来る環境を整える企業が増えつつあります。

「皆が同じが良い事」とされていた時代が終わりました。令和の時代、「個に合わせる」時代。

 ・選択肢が多数ある
 ・情報が誰でも手に入れられる

 企業も個人も、常に新たな情報を仕入れ、正しい選択をしなければ競争についていけない。ある意味とても大変な時代なのでは無いかと感じています。

 
<田頭 誠 氏:その他コラム記事>
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