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経営とバックオフィスのデジタル化を進める「ファーストDX」のススメ

2021.07.12

第9回のコラムは、デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の定義を確認しながら、DXとワークフローの関係性を深堀りします。

コロナ禍を機にDXを検討した企業は多いはずです。システムやツールの導入、IT機器の追加投資… 様々な選択が考えられますが、これらはDXの一部分でしかありません。DXの本質は従来の業務や組織の全社的そして抜本的な変革です。本稿では効率良くDXを進めるワークフローシステム活用方法についてお伝えします。

コロナ禍から1年、働き方の変化を実感しているのは少数派

 コロナ禍を受け、早くも1年が過ぎました。どの企業もテレワークへの対応、さらには企業全体のDXを強く推し進める必要性に迫られていたかと思いますが、皆さんの働き方はどう変わりましたか?オフィスのミカタ読者の皆さんは、バックオフィスを担当されている方ばかりですから、影響は大きかったのではないでしょうか。

 先日、転職応援メディア「ミライのお仕事」が実施し、2021年6月に結果を発表した調査(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000092.000032757.html)では、半数以上の企業がテレワークを導入しておらず、調査対象の7割近くの人が2020年4月の働き方と変わっていないと回答しています。

 私自身も様々な事例を見聞きしていますが、本当の意味でDXが成功している企業はほんのわずかで、進捗具合にはばらつきがあると言えます。例えば、未だテレワークがうまく取り入れられていない企業から、DXといっても機器やシステムを導入しただけで終わってしまった企業、DXが一部のプロジェクトや組織のみにとどまっている企業など、これを読んでいる皆さんの企業でも当てはまる状況はありませんか?ここで今一度、DXの定義に立ち戻ってみたいと思います。

 「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジ タル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
※経済産業省、『「DX推進指標」とそのガイダンス(https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190731003/20190731003-1.pdf)』より

注目していただきたいポイントは、DXの定義を解釈すれば、DXは全社的に進めるべきもので、かつ機器やシステム導入を行って終わりでなく、業務そのものや仕事のプロセスを含む根本的な変革だということです。

この定義を振り返って改めて、皆さんの企業ではどれくらいDXが進んでいるでしょうか?

今からでも遅くない、DXへの取り組み

 コロナ禍という大きな変化はありましたが、もともと日本では人材不足や国際的なデジタル化の遅れといった課題に直面していました。課題解消に向けて、DXは遅かれ早かれ取り組まなければなりません。この1年検討はしてみたものの挑戦までは至っていない、取り組んではみたものの何か上手くいっていない声がよく聞かれます。そこで今、改めて自社のDXを見直す企業の皆さんに向けて、まず企業が最初に取り組むべきDX、「ファーストDX」としてのワークフローの役割について、お伝えしたいと思います。

システムやツールの導入目的を振り返ってみる

 DXが進んでいない原因はいくつか挙げられるでしょう。前段で触れた内容もありますが、原因は1)業務整理ができていない、2)電子化されていない、3)ただ電子化しただけで、効率化が進んでいない、4)DXは進んでいるが、一部分にとどまる、のどれかにおおよそ当てはまるのではないでしょうか?

1)に当てはまる方は、ぜひ過去の私のコラムをご覧ください。ワークフローの考え方の基礎を解説した記事がありますので、それを元に業務の流れを見直してみましょう。
2)以降の方は、もしかしたら導入しているシステムやそのシステムの利用目的が限定的なのかもしれません。

 システムと一口に言っても様々ありますよね。例えばコミュニケーション目的としてウェブ会議やチャットツールを導入した企業は多いのではないでしょうか。他にも経理のための財務会計システムや総務の労務管理システムなどもありますね。

 このようにそれ自体が一定の目的に特化している優秀なシステムやツールはたくさんあります。それ自体は悪いことではないのですが、財務会計システムを導入しても、全社でDXが進んだとは言えないです。あくまでそれらのシステム導入はある特定の業務の部分最適を進めるものだということを忘れてはいけません。

 それらを組み合わせて全社でDXを進める最適なデザインができれば良いのですが、もちろん簡単ではありません。だからこそコミュニケーションから経営の意思決定まで、電子化+効率化を進めるワークフローに出番があると考えています。

DX最初の一歩は「ファーストDX」としてのワークフローから始める

 ワークフローシステムの強みをDXの文脈からお伝えすると、ワークフローシステムは導入によって業務そのものを変え、継続利用でプロセスや組織を変え、意思決定に関わるコミュニケーションの資産化によって企業文化や経営を変えることができます。したがって、これからDXに着手したい方にはワークフローシステムをお勧めしたいのです。以降でこの理由を段階ごとに解説していきます。

①ワークフローシステム導入で業務そのものの電子化、効率化を図る

 ワークフローシステムを導入すると、一部署の業務から全社を対象とした業務まで、あらゆる業務が電子化+効率化されます。
 代表的な例が「脱ハンコ」です。ワークフローシステムであれば稟議書の作成から回覧、承認、決裁までの一つ一つの業務と全体のプロセスを電子化できます。同時に、電子化によってペーパーレス、承認待ちの時間の節約も実現できます。

②継続利用でプロセスや組織を変える

 次に、ワークフローシステムを継続利用すると、業務プロセスが最適化されていき、仕事のプロセスが変わります。そもそも、ワークフローシステムには業務の流れを可視化する機能もついています。従来の意思決定や情報共有の流れを可視化すると、抜け漏れ・無駄が見えてくるのです。
 会社組織は様々なタイミングで変わります。人事異動があったり、プロジェクト別にタスクフォースを組んだりと、その度にプロセスは見直し、最適化していくのが理想です。見直しの結果、意思決定やコミュニケーションのルートによっては組織も最適化されるかもしれません。
 ワークフローシステムで常にプロセスが可視化されているため、継続利用で業務が常に最適な状態で行えるよう、プロセスや組織がアップデートし続けられる状況が整うのです。

③意思決定に関するコミュニケーションを資産化

 3つ目は最も中長期的かつ本質的な効果だと思います。ワークフローシステムを利用すると、全社のあらゆる意思決定までの過程と結果が蓄積されます。様々な人の知見が集まり、無駄がなく、目的にかなった意思決定が行われることで、次にする意思決定はよりスピーディに、より最適な結果が生まれるはずです。

 以上お伝えした3つの観点から、全社的かつ効率的に活かされるのがワークフローシステムなのです。

 この3つを別の視点から捉えると、ワークフローシステムはコミュニケーションと業務システムのハイブリッド型のシステムであるため、効果が出やすいとも言えるでしょう。他のシステムはコミュニケーションと業務、どちらか一方の電子化ならびに効率化を進めます。しかしワークフローシステムはハイブリッド型のため、全社で改善・変革が期待でき、DXが進んでいくのです。

 もちろんワークフローは、ワークフロー以外のシステムやツールと一緒に使えます。例えば購買や経理であれば、財務会計システム+ワークフローシステムの組み合わせが可能ですし、人事であれば人材管理システム+ワークフローシステムといった組み合わせが考えられます。ワークフローシステムはあらゆる意思決定や情報共有を支えるシステムですから、紙の書類が多くなりがちなバックオフィスの業務を強力にサポートしてくれるでしょう。

 これからDXを進めなければ、あるいはもう一度自社の取り組みを見直してみたいという方に、ワークフローをDXの最初の一歩「ファーストDX」のシステムとして、ぜひ活用していただきたいと思います。