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スペースDX。オフィス縮小により不足している会議室などのスペースを有効活用するためには?

2021.07.01

前回のコラムでは、オフィス出社とテレワークのハイブリッドワークに対応した工数管理DXについてご紹介しました。

今回は、オフィス縮小によって各社で起きている、会議室の不足やスペースが有効活用されているか分からないといった課題にどう向き合うべきか。
スペースDXについて詳説していきます。

オフィス縮小によりオフィスの施設運用で困りごとは増えていませんか?

 コロナ禍で起きた変化の一つが、オフィススペースの見直しです。
昨年の緊急事態宣言により約67%の企業がテレワークを経験し、多くの企業が、今まで対面で仕事をするのが当たり前だった環境から、テレワークのみやオフィス出社とテレワークのハイブリッドに移行をしました。

 テレワークがきっかけとなり、現在のスペースは過剰であることからオフィスの縮小検討ニーズが急速に高まり、ハイブリッド勤務やフリーアドレスを採用し、出社率をコントロールしたりスペースの有効活用をすることで、1フロア解約したり思いきって面積を半分にするような企業まで出てきています。

 そして、この変化により起きている問題が、座席が足りない。会議室や作業用の集中スペースが足りないという課題です。
反対に、オフィスは縮小せずにオフィスに来たくなるような働きかけをして、リラクゼーションスペースやコミュニケーションスペースなどを充実させたにも関わらず、有効活用されていないという悩みも聞くことが多くなってきました。

 また、こういった問題が起きると必ず浮かび上がってくるのが名もなき仕事です。スペースが空いているかどうかをチェックしたり、スペースが空いていない場合に予約者と調整したり、予約はしているが実際にはスペースを利用しない空予約をしている人がいないかチェックしたり。

 今までもあった課題が頻度を増している名もなき仕事もあれば、フリーアドレスやABW(Activity Based Working)でのスペースの在席把握、リラクゼーションスペースやコミュニケーションスペースが有効活用されているかを確認するといったニューノーマルなワークスタイル起因の名もなき仕事も増えています。

 

誰もが利用するスペースに関する名もなき仕事を放置すると大問題に。

 今までも、さまざまな名もなき仕事に関して触れてきましたが、スペースに関する名もなき仕事はかなり厄介な性質があります。

 それは、放っておくと事態が悪化するという特徴です。1番の難敵は空予約。スペースが足りないと、利用するか否かは確定していないが念のため場所を確保しておこうという保守的な人間の心理が働きます。ただ、実際にはスペースは予約されていても利用されないということがありえます。

 こういった空予約が増えると、さらにスペースが枯渇しているように見えてしまうため、さらに状態が悪化し負のスパイラルが加速してしまいます。

 その他にもスペースの居場所把握やスペースが利用されているかの確認などのスキマ業務が発生しています。

 あなたの会社でもスペースに関する名もなき仕事が常態化、もしくは悪化していないでしょうか?

 スペースに関連する名もなき仕事を一度棚卸ししてみてください。これにより意外とかかってしまっている時間に気づくことができると思います。

 

どうやって効率的なスペースDXを実現すればいいのか?

 いくつか、ニューノーマルな働き方に対応したクラウドサービスのカテゴリーをご紹介していきます。

1.スペース予約・運用SaaS
 
 多くの企業で、OutlookカレンダーやGoogleカレンダーを利用して、施設予約を実現していることと思います。ただ、最近では会議室や集中ブース、カフェテリアのような共有スペースに特化した予約・運用SaaSが出てきています。

 これらの特徴としては、スペースを予約した開催者が、各スペース用のデジタルサイネージや紙に印字されたQRを一定時間以内にスキャンしないと、スペースの予約が自動キャンセルされる運用が可能なことです。

 こういったSaaSを使うことで空予約を防止し、スペース運用のためにやらなくてはいけなくなっていた名もなき仕事を軽減することができ、スペースの運用を改善することが可能です。

2.スペースグラフィック

 以前、フリーアドレス用に座っている座席を可視化できるグラフィック機能を持ったサービスを以前のコラムでご紹介しました。

 そして現在では、ABWを採用している企業も増えてきているため、作業用の集中ブース、休憩用のカフェテリアやソファー席、大勢でディスカッションするフリースペースなど多種多様なスペースで誰がどこにいるかをリアルタイムで可視化できる必要性がでてきました。

 そのため、座席+スペースを1つの座席表で管理できるサービスも提供されはじめています。

 今回のコラムでは、オフィス縮小やハイブリッドワークにより発生しているスペースに関する課題を、どうやって対策するのかについて新たなキーワードをご紹介しました。

 これからスペースDX推進をする上で、再度ツールの利用を見直していただき、従業員の苦痛や管理者の悩みを減らすためにどう改善していくのが良いかということにトライしていただきたいと思います。

 引き続き今後のコラムでは、どんな手段があるか、それぞれ手段を進めていく際にどんなことに気をつけなくてはいけないかといったことについて触れていきます。

 リクエストなどあれば、私がやっている認証サービスMamoru PUSH、ビジネスコンシェルジュツールMamoru Bizに問い合わせいただければと思います。