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継続的な変革ができる組織「ワークフロー経営」実現を目指して

2021.09.03

前回の記事では、全社的かつ本質的な変革をもたらすワークフローシステムを、DXの最初の一歩として導入する試み「ファーストDX」として、これまでとは別の観点から改めてご紹介しました。

本稿ではファーストDXとしてワークフローシステムを導入後、目指していきたい組織像、経営のあり方を提唱したいと思います。その名も「ワークフロー経営」です。

ワークフロー経営は、単にワークフローシステムを導入しただけで実現されるものではありません。以下ではワークフローシステムと一緒に作り上げるワークフロー経営の特徴についてお伝えしていきます。

なぜワークフロー経営が必要なのか?

ワークフロー総研を運営しているから、そしてワークフローシステムを開発・提供しているから「ワークフロー経営」を提唱するわけではありません。ワークフローシステムの本質的なメリット、意義を考えると、今の日本の働き方に必要なエッセンスがたくさん盛り込まれているのです。

2020年から世界中がコロナ禍にみまわれ、日本国内外のあらゆるビジネスがその影響を受けました。非対面・非接触、ソーシャルディスタンスの確保が普段の生活のみならず事業継続のためにも求められたわけですが、この対策によって日本の深刻なデジタル化の遅れが露呈しました。バックオフィスに関わる皆さんは特に実感された方が多かったのではないでしょうか。オフィスのミカタのコラムでも物理的なハンコがなければ仕事が進まない「ハンコ問題」は、シリーズで取り上げましたよね。

しかし、デジタル化の遅れは今に始まったことではありません。以前からバックオフィスのデジタル化、生産性の向上は急務であると言われてきました。
コロナ禍は元々解決すべきだった課題を、企業に対して改めて突きつけたと言っていいでしょう。

今回のような新型感染症のみならず天変地異による災害、社会情勢の変化を受け、自社が展開するビジネスはもちろんのこと、会社経営自体を存続・成長させていくのかは今日の社会において重要性を増しています。

DXを実現し、組織変革のための行動を支えるシステムやツール、そしてそれらを活用して環境に適応しながら成長し続けられる体制は、今まさに求められる経営でしょう。

環境にあわせて最適化し続ける経営体制、ワークフロー経営は現代における経営の最適解の一つであると言えます。

ワークフロー経営を体現するには?

ではワークフロー経営を体現するためには、具体的に何を変えればよいのでしょうか。DXのポイントでもある社内の①業務、②組織、③プロセス、④企業文化・風土、⑤ ①〜④以外、の5つの観点から解説していきます。

①業務がこう変わる:形式知が増えている
 
ワークフローシステムは、一人ひとりの業務を見える化します。もし業務が現時点で定型化されていなくても、ワークフローシステムがそれぞれが持つノウハウを暗黙知から形式知にしてくれるため、最も良い業務の仕方が組織内に共有されていくのです。
 
そのため、組織異動や退職などで引き継ぎができず業務に支障が出ることはありませんし、後から参画する人はより早く成長できる環境が整います。

②組織がこう変わる:現場、管理職、経営の距離が近くなる
 
企業規模が大きくなればなるほど、組織構成の階層は増え、現場と管理職、経営の距離がどんどん離れていってしまうことがあります。人事組織の皆さんは特に頭を悩ませる状況でしょう。しかし、ワークフローの考え方が社内に浸透していると、状況に応じて現場から経営層までが最短距離でつながれます。ある目的に対して必要なメンバーだけが適宜つながれるので、無駄がありません。

③プロセスがこう変わる:属人化を脱している
 業務プロセスの見える化によって、業務の平準化・効率化が期待できます。業務全体で抜け漏れ、無駄ムラが見えるようになるためです。バックオフィスの業務は細かな入力、確認作業が多いと思いますが、ワークフローでヒューマンエラーも減らせます。そういった点含めて属人化を脱することができるのです。

④企業文化・風土がこう変わる:オープンな組織になる
 ワークフローは誰もが、いつでも、どこからでも起案、上申できる仕組みです。アイデアが誰にでも見える形で社内に共有されるため、それをもとにディスカッションできるようになるのです。上層部だけが集まって重要な決定をするのではなく、全員の気づきや発想を話し合えるオープンで風通しの良い組織風土が形成されます。

⑤その他に起きる変化:本業に集中できるようになる
 効率化によって空いた時間は、本業に集中するために充てられます。⑤で触れた通り、空いた時間で本質的なことを考える→アイデアが生まれるサイクルができれば好循環が出来上がります。加えて共有されやすい土壌=ワークフローがあるため、新企画・新規事業が進みやすくなるでしょう。このような状態を継続できれば結果的に事業成長と企業文化の成熟につながります。

5つの変化で実現するワークフロー経営、その3つの特徴

①業務、②組織、③業務プロセス、④企業文化・風土、⑤ ①〜④以外、の5つの観点で、ワークフローシステムが引き起こす変化を、分解してお伝えしました。それらの変化は、ワークフロー経営と呼ぶ3つの状態を実現します。以下で、ワークフロー経営の3つの特徴を見ていきましょう

ワークフロー経営の特徴その1:一枚岩の組織
 
ワークフロー経営が体現されていると、現場、管理職、経営の距離が近く、同じ目標に向かって結束している状態になっています。いざというときに素早い経営判断と具体的な行動の実施できます。
 
しかし一枚岩といっても、旧来のピラミッド型の階層組織を想定しているわけではありません。部署や役職ががっちりと固められて変えられない組織は変化に対応できず、リスクであると言えます。ワークフロー経営は、状況に応じて様々な部署や役職の人が集まりコラボレーションできるような、有機的に強固につながっている組織を想定します。
 
同じ目標に向かいながら、必要に応じて組織の最適な人材の能力を余すことなく発揮できれば、組織全体の価値は、個の総和以上に引き出されます。

ワークフロー経営の特徴その2:迅速な情報共有・意思決定
 
社内で個々人が持っている情報量に差がありませんか?そのような状況は意思決定の質が落ちますし、組織内の人間関係にも良くない影響を及ぼしかねません。業務を進める上でも抜け漏れが発生する原因です。
 
ワークフロー経営ではワークフローを使い、情報から意思決定のプロセスまで、全てをデータとして保存、一元管理します。情報化社会において迅速な情報共有と意思決定は組織の成長において不可欠です。チャットツールや社内ポータルを使うこともできますが、情報がバラバラに蓄積され、検索性が落ちてしまうのは本末転倒です。
 
ワークフローは情報を一元管理できますし、同時に内部統制も強化することができます。情報に対して適切な人が、等しく、迅速にアクセスできるようになるのです。

ワークフロー経営の特徴その3:変化適応とイノベーティブな組織
 
これまでの1、2の特徴を掛け合わせると、変化に強く、イノベーティブな組織が生まれます。誰もが発言権を持ち、随時環境の変化に合わせて迅速に行動できる組織は、困難が生じても柔軟に受け止め、より幅広い選択肢から意思決定できるでしょう。バックオフィスも例外ではありません。フロントに立つ従業員を支え、経営が効率的に運営できるよう、受け身から攻めのバックオフィス組織に変革することもできるでしょう。

このように、ワークフロー経営では個人も組織も可能性を広げ、より多くの学びを得て成長していけるようになるのです。

ワークフロー経営を体現し、変化に強い組織へ

ワークフローシステムで実現する、ワークフロー経営の特徴を3つお伝えしました。いかがでしたでしょうか。

これまでのお話をまとめると、ワークフロー経営を体現すれば、組織はビジネス環境の変化や自然災害などの混乱や危機を乗り越え、繁栄・存続していく適応力を手に入れられると考えています。
 
現にこれまでずっと取り上げてきた脱ハンコのデジタル化をうまく進められた企業は、今回のコロナ禍でも社員・お客様の健康を守りながら事業継続できています。変化を強みに変えられた好例です。
 
未曾有の事態にBCP(事業継続計画)の見直し、強化が叫ばれた一年でしたが、その答えは環境への適応力を高めることであり、それはワークフローシステムを基盤とした経営体制・ワークフロー経営を体現することであると考えています。

働き方改革、DXなどバズワードが飛び交う昨今、何から、あるいはどの程度を目標に着手するのか迷いがちですが、どの企業も本質的にはリスクに強く、持続的成長が期待できる組織の実現が目標のはずです。

今回お伝えしたワークフロー経営は新しい組織像の一つとして、皆さんのご参考になれば幸いです。