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令和に若手・第二新卒採用を成功させるには?【中小企業の“令和流” 若手・第二新卒採用を成功させる秘訣 Vol.1】

コロナ禍によって一度は採用熱が落ち着いた日本の採用市場ですが、コロナ禍の終わりと共に求人倍率は急激に高まっており、新卒・中途共に“売り手市場”の状況が加速しています。最近は新卒や若手採用に苦戦する中小企業も多くなり、若手の採用支援を手掛ける弊社への問い合わせも非常に増えています。本コラムでは、令和の時代に中小企業が若手・第二新卒採用を成功させる秘訣を解説します。

採用市場の現状

【2024年はコロナ禍前と同水準の売り手市場】
まず若手・第二新卒層の採用市場が今どうなっているかを、大卒求人倍率(就職を希望する大学新卒者1人あたりの求人企業数)の推移で紹介します。

日本の新卒採用市場はリーマンショックで大きく求人数が落ち込んだところから徐々に回復し2016年3月卒~2020年3月卒まで1.73~1.88倍で推移してきました。コロナ禍前の2019~2020年ごろは採用市場が“売り手市場”になっていることを感じた方も多いかと思いますが、その時の求人倍率がこの1.73~1.88倍です。

大卒求人倍率は、コロナ禍によって2021年3月卒は1.53倍、2022年3月卒は1.50倍と下がりましたが、2023年3月卒で1.58倍と上昇傾向に戻り、2024年3月卒では1.71倍と一気に回復して、ほぼコロナ禍前の水準に戻りました。前年は採用拡大に慎重であった従業員300人未満の中小企業における採用意欲が回復したことが、2024年3月卒の求人倍率の急上昇につながっています。

つまり、現在は大企業に続いて、中小企業の採用意欲も回復した状態です。本調査は2023年4月に発表されていますが、その後も企業の採用意欲は明らかに上昇しており、2024年4月に発表される2025年3月卒の求人倍率は更に上昇している可能性が高いでしょう。

【ついに始まる少子化の影響】
求人数が増加しコロナ禍前の売り手市場に戻ったことに加えて、今後は少子化が若手・第二新卒の採用マーケットに影響してきます。実はこれまでは、少子化によって日本の18歳人口は大きく減少する一方、大学進学率が上昇することで、大卒人数は横ばいとなっていました。つまり「大卒の新卒・若手・第二新卒採用」は少子化の影響を受けていなかったのです。

しかし、大学進学率もほぼ頭打ちとなってきた中で、今後は少子化の影響が大卒人数の減少としてダイレクトに表れます。文部科学省は2040年には大学の入学者数が2022年対比で約20%減、年間11.6万人減少するという推計結果を発表しています。
出典:文部科学省「大学入学者数等の将来推計について

このようにコロナ禍が終わったことによる採用意欲の上昇に加えて、大卒人数の減少が始まることで、今後、新卒、若手・第二新卒の採用は慢性的な売り手市場に陥ると予測できます。

最近は「新卒採用の早期化が進み過ぎて、中小企業では戦えない」「新卒採用を諦めて第二新卒の採用に切り替える」「苦労して新卒採用しても優秀層ほど数年で転職してしまう」といった声も増えており、新卒採用市場の過熱が、若手・第二新卒の採用市場にも影響を与える形となっています。

令和の若手/第二新卒が持つ価値観

若手・第二新卒の採用に取り組むうえでは採用対象となる“今どきの若者”の仕事に対する価値観を押さえておくことも大切です。現在、20代前半の新卒、また若手や第二新卒層は「Z世代」と呼ばれる世代です。Z世代は、雇用に対してこれまでの世代と異なる価値観を持っています。

【キャリアの“安全性”を重視】
1990年代後半~2000年代前半に生まれ、終身雇用の崩壊を目の当たりにして育ってきたZ世代は、会社に依存する働き方ではキャリアを作れないと考えています。

自分のキャリアを会社が保証してくれるとは考えておらず、昨今、“ゆるブラック”という言葉も定着した通り、自己成長や市場価値の向上を強く意識しています。Z世代は「早期にキャリア形成したい」という意向が強く、同時に「成長できない会社は早期に見切って転職する」ことでキャリアを形成していく必要があると考えています。

この価値観を反映した結果として、たとえばVorkers(現:OpenWork)が発表した「新卒入社で3年以内に退職した平成生まれの若手社会人の退職理由」ランキングでは1位に「キャリアの成長が見込めない」となっています。
*就活生のための後悔しない会社えらび 平成生まれの退職理由って

従って、若手・第二新卒の採用に取り組むうえではキャリアの安全性、つまり「この会社で働くことで成長できる」「スキルや市場価値が身に付く」といったキャリア機会を明確に伝えることが大切になります。なお優秀層ほどキャリア構築に強い意欲を持っていますので、どのように成長できるか、どんなキャリアを築けるのか、具体的な例を示すことが大切です。

【仕事中心の人生にはしたくない】
先ほどの話と矛盾するように思えるかもしれませんが、Z世代の若者は「早期にキャリア形成したい」と考える一方で「仕事中心の人生は過ごしたくない」とも考えています。働き方改革の影響もあり「ワークライフバランス」が取れた働き方をしたいと考えていますし、サービス残業や休日出勤を強いられるような職場には強い抵抗感があります。

Z世代の若者が好きな言葉に、“タイパ(タイムパフォーマンス)”という言葉があります。これは投下する時間や労力に対して効率よくアウトプットを得たいという願望が反映されたものであり、Z世代の仕事に対する価値観にも通じるものがあります。「無我夢中に泥臭く働いてトップを目指したい」というよりは、「効率よくスマートに働いて程ほどの結果を得たい」という感覚です。

現実が分かっていないと思う方もいるかもしれませんが、若手・第二新卒採用を成功させるうえでは、こうした価値観を踏まえて「ワークライフバランスが実現できるこういう制度がある」「市場で評価されるキャリア、または職に困らない能力が身に付く」といったことをきちんと具体的に示すことが大切になります。

【抽象的な耳障りのいい言葉への警戒心】
Z世代にはブラック企業を選んでしまうことへの恐怖心も根強くあります。結果として、求人における「未経験歓迎」「アットホームな職場」「頑張った分だけ成長できる」といった抽象的で耳障りのいい言葉は非常に警戒されるようになっています。従って、求人や会社説明会などでは抽象的な言葉を安易に使うのではなく、実際の働き方や制度、事例などをしっかり伝えることが大切です。

また、見栄えが良い情報だけが発信されていることへの警戒心も強いので、採用のオウンドメディアを構築したりSNSを活用したりして、複層的に、また手触り感や温度感のある情報発信をしていくことも若手採用を成功させるポイントになります。

若手/第二新卒の採用を成功させるポイント

若手・第二新卒の採用を成功させるには、採用活動の各ステップをきちんとクリアしていくことが大切です。逆にいえば、採用が上手くいっていない場合には、どのステップに課題があるかを確認して、それぞれに対する施策を実施していくことが大切になります。

(採用活動を成功させるためのステップ)
・応募者を集める
・適切なスタンスで選考する
・内定辞退を防ぐ
・早期退職を防ぐ

採用活動が上手くいっていない中小企業は、上記ステップのどこかに課題があるケースが大半です。「毎年数十人の優秀層を採用したい」という場合には少し違うアプローチもありますが、「毎年数人の若手をしっかり確保していきたい」場合はまずボトルネックになっている部分を特定して解消していきましょう。

本コラムの第2回以降では、中小企業が若手・第二新卒採用を成功させるうえで大切になるステップ毎のポイントを具体的に解説していきます。