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新人や担当教育係もスマートに!煩雑な事務処理の画面操作を簡単化、利用者に分かり易いオンボーディングにしてみました!【バックオフィス業務6つのヒント Vol.2】

2024.08.30

この連載では、バックオフィス業務の悩みや苦労を和らげ、もっとラクに、もっとスマートに働けるヒントをご紹介しています。

今回は、複雑な「業務システム操作」をよりカンタンにする方法についてご紹介します。皆さんの日常でも、業務システムを使っての申請・承認フロー、データ入力や転記などの事務処理は行われていると思います。これらの業務のほとんどはPCを使った操作が必要であり、新人などの利用者にとっては画面操作が煩雑であることが課題となって早期離職の原因の1つとも言われています。デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)を活用し、事務処理の画面操作を簡単化利用者に分かりやすいオンボーディングの取り組みについて紹介します。

新人定着はお互い辛いよ問題

皆さんは、
「新人がシステム操作を覚える事が多くなかなか慣れてもらえない」
「入力や確認漏れ、誤入力などの手戻りがたびたび発生してしまう」
「マニュアル化されていてもどれを見たらよいのかわからない」
「不慣れな新人にとっては、忙しそうな既存メンバーに対してちょっと聞きにくい」
「丁寧に教えたくても、時間が取れない」


こんな状況に遭遇して新人スタッフの定着に悩まれる事はありませんか?そこで今回は、既存システム画面を改修することなく新人と教育担当者にも効果がある優しい操作画面を実現した方法を具体的にお伝えしたいと思います。

今回の目次
・事務処理の複雑さに悩む現場
・画面の操作を解説する何かが欲しい
・利用者に分かり易いオンボーディングに効果
・働く人に優しいバックオフィス

事務処理の複雑さに悩む現場

バックオフィス業務は、1人で複数の業務を行う「多能工」つまりマルチスキルが求められていると思います。日々の業務が多岐にわたり、新人を採用してもその業務のシステム操作も煩雑であり、操作方法を覚えるだけでも一苦労です。定年後に再雇用したシニア層の方々にとっても、新しいシステムや画面操作の変更に適応することが難しい状況もあります。

私たちも新人の雇用や社内異動で新たに人材を受け入れても戦力になってもらうまではなかなか時間が掛かっていました。また、教育係の既存メンバーの育成工数も多くなって、結果自分の担当する業務を残業や他のメンバーで分担する事が発生していました。中には新人の離職に繋がってしまう事も発生していたのです。

画面の操作を解説する何かが欲しい

なぜ、時間が掛かってしまうのか?部署の誰もが忙しい中でしたが、思い切って原因究明に乗り出しました。まずは新人の作業をモニタリングします。担当している業務を観察していきます。新人には一人で作業しているつもりで処理してくださいと伝え、自分も思わず口を出しそうになるのをぐっとこらえて観察を続けます。その中で、システム画面で作業する際に「考えている時間が多い」事に気が付きます。そして教育係などのメンバーに質問しています。

原因を聞いてみたところ、基幹システム画面の処理項目箇所が多く、「どこに何を入力すればよいのか混乱」してしまう時や、「入力漏れや間違えがあったらどうしよう」、教えてもらった事なので「何回も聞くのも憚られる」など、自分で確認を繰り返し、先に進めない時に質問をしていたのです。

そこで、システム画面の入力やチェック作業において、画面上に既存メンバーのノウハウや注意点、操作手順などを視覚的に表示できたら、事務処理の多くを迷い無くスムーズに進めることができ、「新人も教育係もお互いに良いのではないか?」という事を思いつきました。

作業モニタリング実施は、下記のような目的をしっかりと定めて実施をしています。目的の種類と定めた内容、アウトプットフォーマットを検討しています(一部抜粋とサンプル化してお届けします)。

利用者に分かり易いオンボーディングに効果

基幹システムの画面を改修すれば良いとも思いましたが、過去に基幹システムに新たな機能を追加した時、それなりのコストが掛かってしまい、いくつかの便利機能は諦めたことがあり、改修ハードルの高さもあります。

何か新たな方法は無いのか?探索をしている中で見つけたのが、作業するシステム自体の改修をしないで操作画面を改善出来るツール「デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)」でした。

例えば、システムやアプリケーションの画面上にガイドや注意喚起を表示したり、マニュアルの格納先URLやチュートリアルを表示したり、更には画面や機能でその状況に合わせて入力を規制したり、フリーワード欄に選択肢を表示したりすることも可能だったのです。

まずは、作業の多い画面操作の解説ナビゲーションへの活用から開始しました。

ツールの機能(BizFront/アノテーション)の使い方については下記に図解します(システム画面はサンプルです)。

その後、既存メンバーからも年間に数回しか発生しない業務で手順など忘れがちなシステム画面に、解説やマニュアルの格納場所を表示するなどの意見から利用システム画面を増やして行き、そして応用的な機能の利用を始めます。例えば、フリーワードの入力欄に対して、入力フォーマットの挿入や記載項目の選択候補を選べる設定と、関連したシステム画面の起動や入力項目のインポートなど応用活用ができる多機能な「BizFront/SmartUI」を使うようになっています。

ツール機能の使い方については下記に図解します(画面はサンプルです)。

現在では、クライアント企業から受託したBPO業務でも、業務品質と生産性、応対速度の向上などの目的で多く活用しています。
こちらの事例もご紹介します。(リンク

働く人に優しいバックオフィス

本取り組みで、新人でもスムーズに作業を進めることができ、迅速に業務適応できるよう育成支援することが可能になり、新人や教育係の既存メンバー満足度向上につながりました。結果、システム画面の煩雑さによる離職の発生も抑えられ、ミスや手戻りも削減し業務の効率も良くなっています。中には入力画面操作時間が65%も短縮された業務もありました。

システム改修なしで利用者にとって使いやすい環境を提供することで、バックオフィスの業務効率化や働く人の負担軽減に貢献することが期待できます。ぜひご自身の業務にも取り入れてみてはいかがでしょうか。

最後にこんな工夫も必要という注意点も付け加えます。アノテーション機能はあくまで注意喚起を促す役割です。とにかく入れてみようという事も大事ですが、いかに利用者の目に留まるようにするか、マークに意味を持たせて目に留まりやすい箇所に設置するかなど、しっかりと検討する事で効果につながると思いました。

次回は、皆さんの日常作業への「デジタル」活用、「定型的な繰り返しや転記作業」などの自働化についてご紹介します。