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オフィスにまつわる平成の出来事まとめ 〜令和を迎える今だから〜

2019.04.26

 いよいよ平成の時代が終わりを迎えようとしている。平成は、約30年続いていることになり、その間に社会は大きく変化した。その上で、人々の働き方も世界の経済状況や出来事に左右されてきたと言えるだろう。

 ここでは、オフィスにまつわる平成の出来事に触れたうえで人々の働き方や法律の変化などについて振り返って見ていく。最近では働き方改革法案などの施行も記憶に新しく、働く人々にフォーカスした法律が増加しているのも世の中の流れに沿ったものだ。1人1人にあった働き方を企業と個人単位で探す時代に変化しつつある。

平成の出来事

■ 1989年

消費税(3%)開始。
 消費税が導入されたのは、1989年4月のことだ。それまでは所得税は存在していたものの、消費税はなかった。そのため、消費税が導入されたことによって物品の単価が飛躍的に向上している。

 消費税は、高所得者と低所得者どちらからも回収できる間接税であり、脱税を非常に行いにくいものだ。そのうえで、多様化する働き方に対する税の買収手段として消費税を導入し、社会保障の財源や所得税のみでは税収が足りないことから国としての財源を補う役割がある。

■ 1991年

・バブルの崩壊

 バブルは日本における好景気の象徴だ。バブルが起きた理由はアメリカとの貿易摩擦による不況を改善するためのものであり、公定歩合の引き下げによって日本経済を解消する方針を取った。

 結果として、日本銀行が金融政策を行いバブルは崩壊。その後、多くの企業でリストラが行われ、ボーナスや給料に対してもマイナスの影響があった。企業がコスト削減として行いやすいのは、従業員に対する報酬だ。これは現在でもほとんどの企業で当てはまる構図だと言えるだろう。

・ソ連崩壊
 ソ連の崩壊に関しては、非常に日本も参考になる部分がある。例えば、ソ連は1985年の段階ですでに長年の経済停滞状態にあった、国内総生産に関しても低下しており、国としては決して豊かとは言えず、崩壊が目に見えていた。

 日本に関しては、国債の額が多すぎるものの、海外に対する輸出などのルート確保が出来ている。また、各国との連携ができていることから、場合によってはインフレが起こる可能性はあるものの、現状ではまだ国として経済崩壊はしていない。

 仮に、日本の経済が長く停滞するようなことになれば、働き方に関する法律や育児休業などの法律を整えても働く場所がなくなる可能性が非常に高い。また、そうなった場合は経済的に体力のある企業のみが生き残る形になることが予想される。そういった意味でも日本の企業は変革を迫られていると言えるだろう。

・育児休業法について

 2000年代に入って声高に叫ばれるようになった育児休業に関する法律は、1991年に制定された。この法律化目的とするのは、育児・介護を行う労働者の生活を労働・家庭の面からサポートするためのものだ。この時点では、あくまでも制定されたのみであり、内容も2019年の者からすれば不足が多い。しかし、介護や育児は労働者に対して大きな影響を与えるものであり、時短勤務や育児休業のきっかけとなる法律だった。

■ 1992年

・育児休業等に関する法律施行
 1991年に制定された育児休業法が施行された。法律の内容に触れてみると、育児休業中の賃金は会社によって対応が異なることに加え、就業規則においても育児休業によって就業規則を大幅に変更する必要があった。しかし、この時点では労働を行っている労働者と育児休業中の労働者の権利や勤務が乖離している状況であり、育児休業中の労働者の権利が守られているとは言いがたい状況だ。

 ちなみに、2019年であっても育児休業に対する扱いは企業によって異なることがほとんどだ。制度があるにも関わらず、育児休業を経た上で同じ職場に戻ること自体が難しい場合もある。しかし、育児休業法がなければ労働者の扱いはさらにひどいものだったと言えるだろう。

■ 1995年

・1月 阪神淡路大震災(M7.3)発生 
 平成に入ってからの記録的な地震として阪神淡路大震災の発生が挙げられる。それまでも、日本で大きな地震がなかったわけではないものの、全体の被害額が約9兆円にも上る被害は初めてだった。

 建物の損壊やライフラインの損傷などが代表的なものだったものの、オフィス家具の耐震性や建物の耐震性に関しても地震をきっかけに見直されるようになった。加えて言えば、建物の構造として上層階であればあるほどを揺れが激しく、耐震性のないオフィス家具では人名に関わる事態になりかねない。現在でも、建物の耐震性は企業として満たす必要性がある。

・3月 地下鉄サリン事件
 地下鉄サリン事件に関しては、日本の危機管理に対して大きな影響を与えた。例えば、1996年に設立された危機管理センターや内閣情報集約センターは地下鉄サリン事件がきっかけだ。加えて言えば、オフィスに対する危機感もこの事件をきっかけに飛躍的に向上し、基本的に部外者は立ち入れないといった体制ができた。

 また、インターネットや PC が一般化し、機械による業務の遂行が行われるようになってきた。一方では、バブルは1991年に崩壊しており、多くの企業はコスト削減に力を入れている状況だ。1995年に関しては、一般社会における危機管理のあり方が変わったとともにオフィスにおける仕事のやり方そのものが変化した年だと言えるだろう。

・育児休業法が育児・介護休業法に改正
 育児休業法が育児・介護休業法に改正された。育児休業法のみでは、法律に対する勤務も弱く、取得率も1割にも満たなかった。そのため、事業主に対する介護休業の義務付けなどを課している。以後、1999年や2002年など一定期間で改正を重ねながら、時間外労働の制限や有期雇用者に対する休業を認めるなどより労働者働きやすい環境が法律によって整えられていく。

■ 1997年 

・4月 消費税が5%となる

■ 1999年 

・4月改正育児・介護休業法施行。

■ 2002年

・育児・介護休業法施行。

■ 2005年

・育児・介護休業法改正。
・クールビズ開始
 クールビズは、京都議定書の発行において二酸化炭素の削減が必要となったため、環境庁が主優勝した運動だ。エアコンの温度設定を28℃などに設定することによって電気消費量を抑えつつ、上着やネクタイをなくすことによって体感的な暑さを抑える目的もあった。

■ 2008年

・9月リーマンショック 

 リーマンショックは、アメリカのリーマン・ブラザーズが破綻したことによって世界的な金融恐慌となった。加えて言えば、リーマン・ブラザーズは100年以上続いた投資銀行であり、アメリカの金融市場に関して非常に大きな影響力を持つ企業だった。そして、リーマン・ブラザーズは低所得者に対する高金利住宅ローンであったサブプライムローンを主要な商品として扱って利益を上げていた。

 しかし、アメリカ中央銀行の金利引き下げによって住宅の価格が下落。負債が取り戻せないものとなり、破綻に至ったと言えるだろう。また、リーマンショックによって日本が円安・株安となり、製造業などの輸出業は過去に比べても4割減となるほど大きな損害を受けている。そして、製造業などに関してはコスト削減を余儀なくされ、リストラなどの対策を行わなければ生き残れない事態に発展したという経緯だ。

・6月育児・介護休業法改正

■ 2011年

・3月 東日本大震災

 東日本大震災は戦後最大の地震であり、被害額は10兆円を超す。また、震災後は各企業に15%の節電を求めていた。加えて言えば、就業時間を前倒しにするサマータイム制も東日本大震災を機に考慮されたものだ。ちなみに、サマータイム制に関しては国が主導したうえでオリンピックでは導入される可能性がある。

 どちらにしても、企業の働き方に対して制限を課すものであり、例年通りの空調設備の使用が難しいことが予想されていた。また、東日本大震災を理由とした営業時間の自粛や内定の取り消しなど多くの人々に対して影響力があった。加えて、在宅勤務や短時間勤務などの新しい取り組みを行いやすい雰囲気があったことから、1部の企業ではノー残業デーやサマータイムの実施などの動きがみられ現在でもその取り組みが失われていない企業もある。

■ 2014年

・消費税が8%となる
・特定秘密保護法制定
 特定秘密保護法は国の防衛や外交などの情報を秘匿するための法律。情報漏えいの防止や行政機関が特定秘密に指定したものに対しても効力を持つ。例えば、特定秘密の市と国ともなる未遂や共謀、教唆なども処罰対象となっている。

 一般的な企業には、関係があまりないかもしれないが、公務員等に関しては罰則の規定があるため、ある程度の注意が必要だと言えるだろう。ちなみに、特定秘密に当たるものは内閣が承認を行わなければ AAA に秘密にしておくことが可能であることから批判も多い。

■ 2016年

・マイナンバー制度導入
 マイナンバーは日本に住民票を持つすべての人々に割り当てられた番号のことだ。企業にとっては、新しく採用するだけでなくすでに働いている従業員のマイナンバーをすべて知る必要がある。社会保障・税金等において、個々の状況をより正確に把握するためのものだ。

 そのため、企業に就職するには従業員は企業に対してマイナンバーを知らせる必要があり、企業側もマイナンバーを保管しておく必要性がある。マイナンバーを発行したことによって、電子申請などが特に便利なったというわけではないものの、マイナンバーがなければ確定申告が難しいといったことも考えられることには注意が必要だ。

■ 2017年

・1月育児・介護休業法改正
・2月プレミアムフライデー導入

■ 2018年

・6月働き方改革法案策定

■ 2019年

・4月働き方改革法案施行
 働き方改革関連法案は、その名の通り従業員に対する一連の法律の改正のことを指す。労働基準法や労働安全衛生法が改正され、時間外労働に上限を設ける、就業内容の格差の是正、正確な労働時間の管理、労働契約の回線など働く事に関して様々な規制を設け、それぞれのライフスタイルを重視した取り組みを行わなければならない。

 また、法律で規定されていることから必ずその内容に従わなければならないため、規定がなければ新しく規定を作る必要がある。

まとめ

 平成を通して、様々な出来事がありオフィスに必要な規則や考え方も変わりつつある。上記では触れられなかった事柄として、タバコなども敷地内禁煙や喫煙スペースを設けるなど個人の意志がより反映された職場となりつつあるというのが現状だと言えるだろう。

 オフィスに関しては、今後も社会の情勢に合わせた変化が必要となるため、経営体制や規則として新元号となる段階で話し合うことも大切だ。