会議室不足は「増やす」より「使い方」で解決 AIで見えてきた、オフィス最適化の新常識
出社回帰が進む中、多くのオフィスで「会議室が足りない!」という声が上がっている。しかし、その原因は本当に物理的な部屋の不足だけなのだろうか。実情を探ると、キャンセル忘れによる「空予約」や、部屋の規模と人数のミスマッチなど、運用面の課題が潜んでいるケースも少なくない。
アステリア株式会社は、自社サービス「Gravio(グラビオ)」を活用し、こうした会議室の利用実態の把握と改善に取り組んでいる。AIカメラやセンサーで利用状況を可視化し、オフィスの最適化を図るその手法とは――。フィジカルAI事業部の小幡雅彦氏と阿部雄大氏に、会議室スマート化の実践ポイントについて話を聞いた。
空予約が3割を占める会議室問題の実態
──コロナ禍を経て出社率が上昇する中、増加している「会議室問題」について教えてください。
アステリア株式会社 フィジカルAI事業部 マーケティングマネージャー 小幡雅彦氏(以下、小幡) 現在、多くの企業で対面コミュニケーションの活性化を目的に出社回帰が進んでいます。一方、オンライン会議の普及で心理的なハードルが下がり、会議の総数自体は増加しました。会議室の数は変わらないため、結果として「会議室が足りない」という状況が生まれています。
ただし、問題は使い方にもあります。ある調査では、仮予約やキャンセル忘れによって、未使用のまま占有されている会議室が約3割にのぼるとされています。また、広い部屋を少人数で使うといった非効率な利用も見受けられます。こうした予約と実態の乖離が、会議室不足を深刻化させている大きな要因です。
──予約システムを導入していても、解決は難しいのでしょうか。
小幡 予約システムで把握できるのは、あくまで「予約情報」に限られます。実際に利用されているか、何人で使っているかまでは把握できません。空予約であっても実態を捉えられず、適切な改善判断が難しい点が課題です。
アステリア株式会社 フィジカルAI事業部 リーダー 阿部雄大氏(以下、阿部) もちろん、在室状況や利用人数まで管理できる高機能なシステムもあります。ただ、コストや既存設備との兼ね合いから、すべての企業が導入できるわけではありません。導入に踏み切れないケースが多いのも実情です。
──会議室が適切に運用されない場合、どのようなリスクがありますか。
阿部 空いている部屋を探し回ったり、使用中の部屋を誤ってノックしたりといった非効率が生じ、業務の生産性を下げてしまいます。一方で、会議室不足を補うための移転や増床には多額のコストと時間が必要です。実際には「今ある設備のまま、いかに改善するか」が多くの企業にとっての課題です。
小幡 利用実態が可視化されていないと、オフィス改修などの投資判断にも客観的な根拠を持てません。結果として、現場の声や担当者の感覚に頼らざるを得ないのが現状です。まずは改善の判断材料となる正確な利用データを蓄積し、「どの部屋がどれだけ不足しているのか」を明確にすることが、解決への第一歩と言えるでしょう。
AIカメラとセンサーで会議室を「見える化」
──Gravioとはどのようなツールなのですか。
小幡 Gravioは、会議室や個室ブースの在室状況や利用人数を自動で把握し、可視化から運用改善までを一気通貫で実現する会議室スマート化ソリューションです。AIカメラや人感センサーで取得したデータをもとに、空予約の自動開放や外部連携の仕組みをノーコードで構築できます。
──具体的な活用方法を教えてください。
小幡 例えばAIカメラ・人感センサーで利用人数を自動カウントし、部屋の規模に見合った使い方がされているかを可視化できます。また、BIツールを連携させ、Web上でリアルタイムの空き状況を確認することも可能です。さらに、ライトの点灯やデジタルサイネージ表示で室外から使用状況を把握したり、予約システムと連動して一定時間利用がない場合に予約を自動キャンセルして部屋を開放したりと、効率的な運用を実現します。
阿部 セキュリティやプライバシーの考え方は企業ごとに異なります。そのため「この部屋はカメラNG」といった個別の要望にも柔軟に対応できるのがGravioの特長です。「人数カウント後に画像を破棄し数値のみを扱うAIカメラ」や「映像を使わない人感センサー」など、プライバシーに配慮したデバイスを含め、カメラやセンサーの組み合わせを会議室ごとに選択できます。企業のポリシーに合わせた運用を実現しながら、現場の状況に応じて最適な構成を自由に「選べる」柔軟性の高さは、私たちの大きな強みと言えます。
──導入にあたり必要な準備はありますか。
阿部 特別な準備は必要ありません。まずは当社の担当者がお客様の課題をヒアリングし、方針に沿って伴走型で支援します。会議室の利用実態の把握だけであれば、カメラとセンサーの設置で数日程度の対応も可能です。一方、ライト表示や予約システム連携を行う場合は、設定に応じてリードタイムが発生します。
Gravioはノーコード製品のため操作はシンプルですが、より効果的な活用ができるよう、私たちが実稼働までしっかりサポートさせていただきます。
1部屋からOK! 実際の会議室で無償トライアル
──導入実績について教えてください。
阿部 すでに100室以上の導入実績があります。コロナ禍では在室の可視化が中心でしたが、現在は出社回帰に伴い、運用最適化を目的とした導入が増えています。例えば、大手情報通信企業では予約システムと連携し、部門ごとの利用頻度や混雑時間帯を可視化して改善につなげています。また、「外から状況が分かるため、空室確認のためにノックしたり、ドアを開ける必要がなくなった」といった声も寄せられています。
──個別相談や無償トライアルもあるそうですね。
阿部 「自社の環境で動作を確認したい」という声にお応えし、4週間の「評価機貸出しサービス」を無料で提供しています。AIカメラやセンサー、システム構築に必要なソフトウェア、クラウドサービスなどを一式セットで貸し出し、本契約の前に実際のオフィス環境で効果を確認いただけます。
小幡 実際に使っていただくことが、Gravioの価値を理解していただく一番の近道だと考えています。製品説明や動作デモを行う個別相談も随時受け付けていますので、まずは情報収集のつもりでお気軽にお問い合わせください。
──最後に、「会議室問題」を抱えている企業にメッセージをお願いします。
阿部 業種業態を問わず、シンプルな予約管理システムで運用している企業や、出社回帰で会議室不足に悩んでいる企業にこそ、Gravioは有効です。まずは1部屋からスモールスタートし、効果を実感していただければと思います。
小幡 課題を感じつつも、何から手をつけるべきか悩んでいる担当者様は多いはずです。 まずは当社の担当者がお客様の課題をヒアリングし、ご要望に沿って伴走型で支援します。
なお、Gravioは会議室の利用状況把握にとどまらず、執務エリアの混雑・稼働状況の可視化、フリーアドレス環境での座席管理、温度・CO₂濃度などの空気環境モニタリング、人の動きや滞在データをもとにした社内交流の促進など、オフィス全体のスマート化を幅広く支援できるプラットフォームです。総務・施設管理にまつわるさまざまなお困りごとについても、ぜひご相談ください。
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