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【まとめ記事】人事総務担当者必見 使わないともったいない!? 中小企業におすすめの助成金・補助金まとめ

2019.08.29

 日本の多くの企業は、中小企業であり、大企業と呼ばれる会社は全体の1割にも満たない。実際に経済産業省が発表している421万企業の内、99.7%は中小企業だ。また、多くの中小企業が人材育成や雇用、事業承継といった課題を抱えているという実情もある。

 そうした中小企業の課題解決に一役買うのが、国・自治体からの補助金や助成金だ。ここでは、中小企業におすすめの補助金や助成金について見ていく。

補助金・助成金の違いについて

 助成金や補助金は、要件を満たした企業であればどの企業でも申し込むことができる。どちらも返済の義務がないため、中小企業の資金調達手段として有効だ。補助金と助成金の違いについて見ていこう。

補助金
 補助金とは、主に経済産業省や中小企業庁、自治体などが事業者に対して支給するお金のことで、財源は税金だ。申請すれば必ず支給されるわけではなく、審査に通過した場合のみ支給される。募集期間が短期間なものが多いため、対象となる期間内で書類を用意し、応募する必要がある。

助成金
 助成金とは、厚生労働省が主に雇用に関する取り組みを行っている事業者に対して支給するお金のことで、財源は雇用保険料だ。そのため、雇用保険の適用事業者でなければ申請できない。基本的に、基準を満たしていれば申請するだけで、助成金を受給することができる。受付期間が長いものの、受給まで時間がかかる事が多いため、早めの申請が望ましい。

中小企業におすすめの補助金

 ここでは、経済産業省や中小企業庁が実施している補助金について見ていこう。2019年8月末現在、公募中・応募予定の主な補助金は、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」「軽減税率対策補助金」の2つだ。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
 「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」とは、生産性向上につながる革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資等を支援するもの。対象事業者は、中小企業や小規模事業者に限定されている。補助金を申請する際、3年~5年で「付加価値額」が年率3%かつ「経常利益」が年率1%の向上が見込める計画を示す必要性がある。

 金額は、100万円~1,000万円までと幅がある。補助率は、2分の1以内から最大3分の2以内まで。二次公募の締め切りは2019年9月20日となっている。締め切りまでまだ時間があるため、生産性の向上に向けて新しく設備などを導入したい中小企業は、申請を検討しよう。

軽減税率対策補助金
 「軽減税率対策補助金」とは、2019年10月の消費税率引き上げと併せて導入される軽減税率制度(複数税率)への対応を目的としたもの。対象は、中小企業や小規模事業者。軽減税率に向けた準備が円滑に進むよう、「複数税率対応レジ・券売機の導入」「受発注システムの改修」「請求書管理システムの改修」などをする際にかかる費用の一部を補助する。

 補助率は原則4分の3、3万円未満の場合は5分の4だが、導入・改修予定の機器・システムによっても違うため、確認が必要だ。対象となるのは2019年9月30日までに導入・改修し、支払いが完了した機器・システム。申請受付期限は2019年12月16日までとなっている。間近に迫った軽減税率への導入に向け、申請を検討しよう。

 この他、平成30年7月豪雨で被災した3県(岡山県、広島県、愛媛県)を対象とした「中小企業等グループ施設復旧整備補助事業」、東京都中小企業振興公社が実施している各種補助金など、補助金の種類はさまざまだ。自社に合った補助金を選択しよう。

中小企業におすすめの助成金について

 ここでは、厚生労働省が公募している助成金について見ていこう。「キャリアアップ助成金」「人材開発支援助成金」「両立支援等助成金」などがある。

キャリアアップ助成金
 「キャリアップ助成金」とは、非正規雇用労働者などの企業内でのキャリアアップを促進するためのもの。現在は、「正社員化コース」「賃金規定等改定コース」「健康診断制度コース」「賃金規定等共通化コース」「諸手当制度共通化コース」「選択的適用拡大導入時処遇改善コース」「短時間労働者労働時間延長コース」の7コースがある。非正規雇用労働者のキャリアアップは、従業員のモチベーションや企業の生産性の向上につながるため、積極的に活用しよう。

人材開発支援助成金
 「人材開発支援助成金」とは、業務に関連した専門的な知識の習得を目的とした訓練などを支援するためのもの。現在は、「特定訓練コース」「一般訓練コース」「教育訓練休暇付与コース」「特別育成訓練コース」「建設労働者認定訓練コース」「建設労働者技能実習コース」「障害者職業能力開発コース」の7コースがある。企業の成長のためには人材育成が不可欠。「費用がネックで人材育成が進まない」という中小企業は、この助成金を活用しよう。

両立支援等助成金
 「両立支援等助成金」とは、仕事と家庭が両立できる職場作りを支援するためのもの。現在、「出生時両立支援コース」「介護離職防止支援コース」「育児休業等支援コース」「再雇用者評価処遇コース」の4コースがある。少子高齢化による人材不足は、中小企業にとって深刻な問題の1つ。出産・育児・介護との両立に悩む従業員の離職防止のため、積極的にこの助成金を活用しよう。

 他にも、中途採用者の雇用促進を目的とした「中途採用等支援助成金」や、時間外労働の削減を目的とした「時間外労働等改善助成金」などさまざまな助成金がある。自社の現状を把握した上で、助成金を選ぼう。

まとめ

 補助金と助成金は、管轄している運営主体や受給条件などが異なるものの、どちらも返済義務がない。成長を目指す中小企業にとっては、積極的に活用したいものだ。

 中小企業におすすめの補助金・助成金には、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」「軽減税率対策補助金」「キャリアアップ助成金」「人材開発支援助成金」「両立支援等助成金」などがある。生産性向上や働き方改革につなげるため、さまざまな補助金・助成金の中から、自社に合ったものを選んで活用してみてはどうだろうか。