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総務担当者必見 オフィスですべき風邪・インフルエンザ対策7選

2019.11.05

 季節の変わり目は体調を崩す社員も多い。寒さが厳しくなる11月以降は、インフルエンザの流行期とも重なるため、特に注意が必要だ。

 社員が風邪をひいたり、インフルエンザにかかったりすることで、「ミスが増える」「業務がまわらなくなる」といったことが起こり、企業に悪影響を及ぼす可能性がある。そうした事態に陥らないよう、オフィスでの風邪・インフルエンザ予防について考えることが、総務担当者には求められる。ここでは、社員が体調を崩すことによる影響、オフィス内で風邪・インフルエンザが流行る理由、オフィスですべき風邪・インフルエンザ対策7選について見ていく。

目次

●社員が体調を崩すことによる影響
●オフィス内で風邪・インフルエンザが流行る理由
●オフィスですべき風邪・インフルエンザ対策7選

社員が体調を崩すことによる影響

 秋から冬への季節の変わり目は、気温が急に下がることもあり、体調を崩しやい時期だ。社員が体調を崩すことにより、さまざまな悪影響がもたらされる。まず想定されるのが、「集中力の低下によるミスの増加」だ。咳・くしゃみが出たり、発熱していたりといった状態では、なかなか作業に集中できず、普段ではしないようなミスが起こる可能性がある。また、体調が悪いのに無理をして出社することで、「周囲の社員に風邪・インフルエンザが移る」ことも否定できない。こうしたことから、社員が体調を崩すことは「部署・会社全体の業務の遅延」や「生産性の低下」につながると考えられる。

オフィス内で風邪・インフルエンザが流行る理由

 「社内で風邪・インフルエンザが蔓延し、社員が次から次へと休んでしまう」といった事態に遭遇したことのある総務担当者もいるだろう。オフィス内で風邪・インフルエンザが流行る理由を見ていこう。

理由①:咳やくしゃみによる飛沫感染
 風邪・インフルエンザが流行る理由として広く認識されているのが、咳やくしゃみによる飛沫感染だ。咳やくしゃみに含まれたウィルスを吸い込むことで、感染してしまう。ウィルスの飛散距離は約1~2メートル。そのため、デスクでの作業中や会議室でのミーティング中に「隣の席の人」「前の席の人」からウィルスをもらってしまい、感染が広がりやすいと考えられる。

理由②:手でウィルスを触ることによる接触感染
 飛沫感染と同様に注意が必要なのが、手でウィルスを触ることによる接触感染だ。咳やくしゃみをする際、周囲に飛ばないよう、口を手でふさぐ人もいるだろう。この場合、飛沫感染は防げても、手には大量のウィルスが付着する。その手でドアノブや電話機、コピー機などに触れると、触った場所にもウィルスが付く。付着したウィルスを周囲の社員が触れることで、ウィルスが手から口、鼻、目を経由して体内に入ってしまう。そのため、多くの人の出入りがあるオフィス内で感染が広がりやすい傾向がある。

理由③:インフルエンザなのに出社することによる感染
 インフルエンザの感染力は非常に強い。そのためインフルエンザにかかった状態で社員が出社することで、感染が広がる可能性もある。高熱や倦怠感、関節痛といったインフルエンザの症状は通常5日程度続くと言われている。また、熱が下がって数日経っても、インフルエンザウィルスの感染力はまだ残っている。しかし、症状が良くなるまでの日数には個人差があるため、「すぐに熱が下がったからインフルエンザじゃない」「インフルエンザだと診断されたけれど元気になったから大丈夫」といった自己判断をしてしまう社員もいるかもしれない。そのため、そうした社員がインフルエンザウィルスの感染力がまだあるときに出社することで、感染が広がりやすくなると考えられる。

オフィスですべき風邪・インフルエンザ対策7選

 本来、体調管理は社員一人ひとりが責任を持って行うべきものだ。しかし、社員が体調を崩すことによる影響やインフルエンザの感染力の強さを考えると、総務担当者としては何らかの対策を講じる必要がある。オフィスですべき風邪・インフルエンザ対策を見ていこう。

対策①:マスクの着用を促す
 風邪・ウィルスの飛沫感染を防ぐには、マスクの着用が有効だ。そのため、社員にマスクの着用を促す必要がある。咳やくしゃみのある社員だけでなく、特に症状がない社員に対しても、感染予防のためのマスクの着用を呼びかけると良い。また、社内社外問わず誰でもマスクが着けられるよう、使い捨てマスクをオフィスの入り口などに用意しよう。

対策②:うがい手洗いを促す
 体内に入るウィルスを減らすことで、飛沫感染・接触感染する可能性を減らすことができる。そのための効果的な手段が、うがい手洗いだ。「営業先から帰ってきた後」「会議の終わった後」「オフィスの共用品を使用した後」などに、定期的なうがい手洗いを促す必要がある。また、うがい手洗いの効果を高めるため、うがい薬やハンドソープを洗面台に常備しよう。

対策③:消毒を徹底する
 接触感染のリスクを減らすには、ウィルスを除菌することが有効なため、オフィス内の除菌を徹底しよう。トイレや机、ドアノブ、照明のスイッチなど、どの社員も必ず触る場所の除菌を、重点的に行う必要がある。「出勤・退勤時」「昼休み後」など、時間を決めて定期的に行うと良い。水のいらない消毒液を用意しておけば、手洗い設備のない出入り口でも、除菌することができる。デスク周りや会議室には、置き形の除菌剤を常備しよう。

対策④:定期的に換気をする
 窓を長時間閉めきったままでいると、目には見えないものの、オフィス内の空気は汚れてしまう。汚れた空気を吸い込むと喉の粘膜が刺激され、抵抗力が弱まり、ウィルス感染しやすくなると言われている。そのため、定期的な換気が欠かせない。1時間に1回程度、1回あたり5分程度で構わないので、寒いときでも定期的に換気をしよう。

対策⑤:温度や湿度を管理する
 風邪やインフルエンザのウィルスは、「温度や湿度が低い場所」を好む。そのため感染予防のためには、オフィス内を「温度や湿度が低くない場所」にすれば良い。オフィスの室温は20~25度、湿度は50~60%くらいが望ましいと言われている。温度湿度計を設置し、オフィス内の温度や湿度を管理することが重要だ。特に冬場は暖房によって空気が乾燥しやすいため、加湿器を設置しよう。

対策⑥:インフルエンザの予防接種を呼びかける
 事前に予防接種をしておくことで、インフルエンザの発症を押さえたり、重症化を防いだりすることができる。インフルエンザの予防接種は義務化されていないため全社員に強制することはできないが、できるだけ多くの社員に接種してもらうことが望ましい。また抗体が作られ効果が現れるには、ワクチン接種後約2週間ほどかかり、その効果は5カ月ほど続くと言われている。インフルエンザの流行期に入る前に早めに接種するよう、社員に呼びかけよう。

対策⑦:体調が悪いときに無理せず休める環境を作る
 「体調が良くないのに出社して、症状が悪化した」という経験のある人もいるだろう。「人手不足のためなかなか休めない」「他の人が誰も休まないので、休みづらい」と感じている社員もいるかもしれない。しかし、体調が悪いときに出社すると、感染の拡大につながる可能性がある。現場の社員や人事部と連携して、「業務マニュアルを作成する」「業務を属人化しない」「体調が悪いときは上司も休む」といった方法で、体調が悪いときに無理せず休める環境を作ろう。

まとめ

 飛沫感染や接触感染、インフルエンザなのに出社することによって、社内で風邪・インフルエンザが蔓延する。風邪・インフルエンザ対策としては、マスク着用やうがい手洗いの推奨、温度湿度管理などが効果的だ。対策の徹底により感染拡大の可能性を減らし、社員の体調不良による企業への影響を最低限にとどめてみてはどうだろうか。