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社員のモチベーション向上につながる朝礼でのスピーチのネタ

2019.11.18
社員のモチベーション向上につながる朝礼でのスピーチのネタ
社員のモチベーション向上につながる朝礼でのスピーチのネタ

 社員が一堂に会する中、朝礼でスピーチをすることで、「情報の共有」「チームワークの向上」、「モチベーションの向上」が期待できると言われている。しかし、スピーチの内容がどんなに素晴らしかったとしても、聞き手にとって共感出来る内容でないと、心に響かないだろう。

 管理部門では、ネタを社内に情報共有したり、どんなネタが良いか相談を受けることもあるかもしれない。そこで今回は、朝一番、皆のモチベーションを上げるのに効果的な、朝礼のスピーチのネタを紹介する。

努力が結果に繋がるアスリートの言葉

 スポーツ選手は、毎日の努力の積み重ねが結果につながっていく。コツコツと積み重ねていくことが最終的に大きな成果になる。

「努力は必ず報われる。もし報われない努力があるのならば、それはまだ努力と呼べない。」
 元プロ野球選手・監督として知られる王貞治さんのこの言葉には、「努力をし続けることによって、たとえ挫折したとしても、成功に近づくという意味が込められている。この名言は、王貞治自身が「高校受験で志望校に入学できなかった」「高3のとき、甲子園に出られなかった」「プロでピッチャーから打者に転向させられた」という3つの挫折を経て、出てきた言葉だ。しかし王貞治は諦めずスランプを抜け出すために、試合の前後の早朝や深夜など、コーチの家の畳の上で一日1000回以上の素振りを行った。

 地道な努力の積み重ねが良い結果につながる一方、努力を怠ると良い結果は生まれないという内容は、社員のモチベーションが上がるのではないか。

「経営の神様」として国内外に知られている松下幸之助の格言

 父が米相場で失敗したことにより小学校を中退、9歳で丁稚奉公に出た、松下幸之助。辛い境遇にくじけることなく、多くの経験を糧として、商売人としての心得を学んだ。パナソニックを一代で築き上げた功績は国内外で広く知られている。そのため、成功者としての彼の発言には説得力がある。

「自分を人と比較して劣っていても恥じる必要はない、しかし、去年の自分と比較して今年の自分が劣っていたら、それこそ恥じるべきだ」
 中堅社員やベテラン社員のモチベーションを上げるのに効果的な名言。自分自身を振り返ることで、さらなる成長のきっかけになりそうだ。

「人の言葉に耳を傾けない態度は、自ら求めて心を貧困にするようなものである」
 人の意見に耳を傾けないと、せっかくの成長の機会を自ら放棄してしまう。社内で意見がぶつかったときなどに、読み返したい言葉だ。

「一日休養、一日教養」
 松下幸之助氏が、日本で最も早く週休2日制を導入した際、社員に説いた言葉。二日間の休みを無為に過ごすのでなく、自己啓発など、自分を成長させるために時間を使うべきだと気付けるかもしれない。

競合相手や、他社の優れた事例

 自社のシェアを拡大するためには、競合相手や他社の最新事例などにも敏感になっておくことが重要だ。
自社と同じ取り組みで他社の方が優れている点や、自社の売上高が好調であっても他社の方が伸び率高いといった内容を紹介すると、「他社に負けていられない」と社員の気が引き締まるのではないだろうか。

「優れた競合他社を徹底調査し、在庫量の少なさに着目」
 「米ゼロックス」は1970年代、全米のコピー機市場で80%のシェアを誇り、独占状態であった。しかし、日本の競合企業の製品が躍進したことで、1980年代に入る頃にはシェアは10%台にまで落ち込み、赤字経営となった。当時、米ゼロックスに勤めていたロバート・C・キャンプは、会社が窮地に追い込まれた局面で、日本の競合企業の経営状態に目を向けて徹底的に調査を行い、自社との違いを分析して改善しようと試みた。そして、日本の経営状態が良好な企業は「在庫量」が常に少ないということに着目、自社の在庫量の削減が不可欠であると考えた。また、アウトドア用品メーカーである「L.L.ビーン」の倉庫内業務を「ベストプラクティス」に掲げ、流通業界の「アメリカン・エキスプレス」の請求回収業務を参考に、自社の請求業務の改革も実施。その結果、ゼロックスは大幅な在庫量の削減、請求業務の効率化に成功し、業績が回復したそうだ。

こうした内容をヒントに、自社でも取り入れられそうな取り組みを投げかけてみると良いだろう。

朝にふさわしい健康の話題

 朝礼のスピーチでは健康関連の話題もよく取り上げられる。多くの人が関心を持って聞いてくれる健康ネタを選び、前向きにスピーチすることが大切だ。

「目を酷使していませんか」
 パソコンやスマートフォンを接する機会が多いと、睡眠時間が短くなりがちで、疲れ目を訴える人も多い。疲れ目を放置していると、眼精疲労に進展するし、肩こりや頭痛、不眠や吐き気、食欲不振も引き起こす可能性がある。「目を酷使しないよう、パソコンでの作業中には適度に休息をとる」「目が疲れがちだと感じたら、早めに眼科を受診する」などをスピーチしてみてはどうだろうか。

「睡眠の質を高めよう」
 「なかなか寝付けない」「夜中に何度も目が覚める」「眠っても疲れがとれない」など、悩んでいる社員もいるだろう。多忙な現代人は、睡眠の質が落ちてきているといわれている。そのため、いかに睡眠の質を高めるかを考えることが重要だ。「朝起きたらカーテンを開けて日の光を浴びる」「しっかりと朝食を食べる」「昼と夜で生活にメリハリをつける」など、さまざまな方法を紹介してみてはどうだろうか。

「季節の健康ネタ」
 健康であってこそ、仕事に集中して取り組むことができる。体がまだ暑さに慣れない梅雨明けの時期や、夏の熱い時期などに起こる「熱中症」、秋から冬に掛けて、ウイルスなどで鼻や喉が急性炎症を起こす「インフルエンザ」など、スピーチを行う季節に合わせた健康対策方法を取り入れて行くのもよいかもしれない。

時事ネタや気になる話題などを取り入れる

 最新の時事ネタや、日本や世界で起こっていること、ニュースや新聞で話題になっていることなど、社員も関心がありそうなことをテーマにスピーチするのも良いだろう。ただし、宗教・政治に関することについては人によって価値観が異なるので、なるべくなら避けるべきだ。

「間食のすすめ」
 最近話題となっている糖質制限によるダイエット。糖質を多く含む食品以外は自由に食べられることが魅力だ。しかし、糖質制限を頑張りすぎるあまり、糖質が悪いものであるかのように忌避する人もいるのではないだろうか。糖分を摂取しなければ脳の働きが低下し、身体機能に影響が出ることもある。そこで、仕事中に摂取できるおすすめおやつの紹介。デスクワークの仕事では、身体はそれほど動かさないが、脳は活発に動いている。糖分は、脳が働くために必要な栄養素となる為、仕事中の間食には低カロリーで満腹感を感じられる、ナッツ、ドライフルーツ、無糖のヨーグルトや、低糖・高カカオのチョコレートなどがおすすめだ。ちょっとした間食をすることで、仕事の能率もアップすることが期待されている。

「今日は〇〇の日です。」
 365日、さまざまな記念日がある。
 8月29日は「焼き肉日」。焼き肉を食べる順番、キムチのカプサイシン、野菜の効果など脂肪をつきにくくする食べ方について説明し、おすすめの焼肉の食べ方を紹介。最後に、「まだまだ暑い日が続くが、焼き肉を食べ、力をつけて残暑を乗り越えていきましょう」など、聞く側の士気を高めていく内容も面白いだろう。
 12月3日は「妻の日」。「妻の日」は、印刷会社が1995年に感謝を表す、「サン(3)クス」(Thanks)の語呂合せで制定した。「1年の最後の月である12月に、1年間の労をねぎらい妻に感謝してみてはどうか」などスピーチしてみても面白いかもしれない。

まとめ

 朝礼のスピーチで、社員が共感できることや自分の弱点に気付けるようなことを言えば、聞き手の印象に残るだろう。一方で、説教や愚痴などのネガティブな話だと、職場の雰囲気は悪くなる。1日の始まりの朝礼によって、職場の雰囲気も変わるだろう。管理部門では本記事を参考に、ポジティブで前向きなネタを社内に情報共有し、社員のモチベーション向上につなげてみてはどうだろうか。