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管理部門が年越し前にやっておくべきこと

2019.12.12

 管理部門にとって、年末は何かと慌ただしい。定型業務は勿論、年末年始限定の業務や雑務がいろいろと発生してくる時期だろう。

 年に一度の作業のため、「作業そのものを忘れてしまった」「やり方がなかなか思い出せなかった」などの経験がある担当者もいるかもしれない。またやるべき作業を怠ってしまうと、年末年始に思わぬトラブルが起こる場合もある。

 そこで、今回は管理部門が年越し前にやっておくべきこと8選を紹介する。社内外の対応が必要となる管理部門。本記事を参考に、年越し前の作業について再確認してもらいたい。

年末調整

 12月中に行わなくてはならない法定業務として最も重要なのが年末調整だ。年末調整では、従業員に会社側が支払った1年間の給料・賞与や賃金及び源泉徴収した所得税などを12月の最終支払日に再計算し、所得税等の過不足を精算する作業を行う。

 年末調整は、従業員一人ひとり確認しながら行う作業のため、手間と時間がかかる。間違いが起きないよう、年末調整の手順を再確認し、専用ツールを導入してみるのも良いだろう。

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年賀状の発送

 デジタル化が進んだ今でも、ビジネスシーンにおいて年賀状は大事なツールの一つだ。年始に届くように早めの準備が必要になってくる。昨年の発送リストを参考にするとともに、新規の取引先へも発送できるよう管理をしておこう。

 また年賀状はただ送れば良いだけではなく、マナーやルールがあることも忘れてはいけない。ビジネス年賀状に必要なポイントと、便利な年賀状ツールを参考に進めてみてはどうだろうか。

総務部必見!ビジネス年賀状の準備と便利ツールの紹介

賞与支給

 12月に賞与を支給する会社は多いのではないだろうか。賞与を支給する場合には、「査定機関」を設け、そこから賞与計算し、社員に支給する。さらに、賞与を支給した日から5日以内に、社会保険の手続きとして「賞与支払届」を提出しなければいけない。支給した社員それぞれの支払額を記載した「被保険者賞与支払届」と、支払合計人数と支払合計額を記載した「被保険者賞与支払届総括表」を、管轄の年金事務所または事務センターに提出しよう。

 この賞与支払届は、社員である被保険者にとって後の年金受給額にも関わる重要な書類だ。怠ると大きなトラブルとなってしまう可能性もあるため、管理部門にとっては慎重に行うべき作業となる。

年末のあいさつ回りと仕事納め

 得意先や、仕入先や取引先をなどに訪問し、あいさつ回りをする習慣が残っている企業もあるだろう。取引先と良好な関係を築くだけでなく、ビジネスチャンスにもつながる機会とも言える。あいさつ回りに行くときは、持参する粗品も事前に用意しておこう。

 また、「仕事納め」として、「大掃除」と「納会」のセッティングを行うことも大切だ。各所属長と打ち合せし、大掃除で使用する備品の準備や手順などを決め、必要な人員を確保する必要がある。大掃除が終了したら、正月飾りの設置、カレンダーや卓上ダイアリーの取替えなど、新年を迎えるための準備も行おう。納会は、社員へのねぎらいの場ともなるので、全社員が1か所に集まれる場所で行うと良い。

カレンダーの作成

 次年度の就業日のカレンダーを作成することも大切だ。企業の多くが営業ツールや顧客サービスの一環として、カレンダーを作成している。企業オリジナルのカレンダーは各家庭や取引先などに配布され、その後一年間は飾られるため、営業ツールとしても役立つアイテムとなりそうだ。社員にとっても、自社の就業日をあらかじめ知ることができると、予定も立てやすいだろう。

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アクセス権限の確認とデータのバックアップ

 年末年始はニューイヤーイベントと称して、不正アクセスなどが増える傾向にある。そのため自社の情報システムやHPを設置しているサーバーなどのアクセス権限を確認しておくことも重要だ。また、サーバーダウンやデータの消失、またウィルスに感染した場合のことを考え、長期休暇前にデータをバックアップするよう社員にも促したい。万が一、サーバー内のデータが破壊・消失してしまったり、ウィルス感染してしまったりした場合でも、バックアップデータを使用することで長期休暇前の状態に戻せるだろう。

 また、外部から接続可能なサーバーや、入れ替え・増設したばかりのサーバーがある場合は、不要なサービスが運用されたままになっていることもある。年末年始の長期休暇中のトラブルを避けるためにも、休暇前にチェックし不要なサービスは停止させておく必要もある。

情報端末持ち出しルールの周知と徹底

 働き方改革の一つとしてテレワークを導入し、PCや自社のデータの持ち出しを許可している企業も多いのではないだろうか。これらの持ち出しに関してきちんとルールをつくり、貸出名簿を作成するなどして、万が一のときに連絡を取りやすい環境を整えることも大切だ。加えて、ネット接続の制限を設け、外部から端末にアクセスされても情報を盗まれないようにすることも考えておきたい。また、PCなどが置き引きや盗難に遭うようなことも考えられるため、持ち出しのルールを徹底し、社員にも共有しておく必要がある。

緊急時の連絡体制を確認

 年末年始は大半の社員が休みになり、何か緊急のトラブルがあった際に連絡がつかないこともある。このようなことを踏まえ、長期休暇中は端末の紛失や盗難・情報漏洩・サーバートラブルなどへの対応方法を検討しておくことが重要だ。関連会社や委託先を含めた緊急時の連絡先リストや対策手順などをマニュアル化しておくと良いだろう。そのうえで社員に連絡体制を周知しておけば、トラブル時の対応もしやすくなる。

まとめ

 12月は、年末調整、年賀状の発送、年間行事・カレンダー作成のような事務的な仕事から、セキュリティ対策にいたるまで業務が煩雑になる。負担も大きいため、スムーズに業務こなすためには、事前に計画を立てて進めると良いだろう。

 また、管理部門としては、日頃から社員への情報の取り扱いや端末貸出のルールなどを周知徹底することも大切だ。特にリスクの高まる年末年始などの長期休暇前後は対策を入念に行い、トラブルを可能な限り防ぐようにしてほしい。年末の業務全体像を把握し、安心して新年を迎えよう。