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2024年の年賀状 いつまでに出す? 取引先に送る際のマナーは?

2023.12.13

年賀状は、取引先への日頃の感謝の気持ちを示すのに効果的なコミュニケーション手段の一つとして浸透してきた。一方で、いつまでに出すのか、取引先や上司に送るのか、本当に必要なのか……DXが進む中、本質的な疑問も寄せられるようになってきた。ここでは「元旦に届けるためには」などの基本情報に加え、各社の調査結果もお届けする。「本当に出すかどうか」「出す場合はいつまでに?」などの最終判断に役立てば幸いだ。

そもそも年賀状は出す? 出さない?

ナイル株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:高橋飛翔、以下ナイル)が運営する「Appliv TOPICS」での15~69歳男女2025人を対象にした調査(※1)によれば、2024年辰年の年賀状については「送る」が42.7%、「送らない」が44.9%だった。

またフタバ株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:市川隆史)の調査(※2)によれば、年賀状の枚数は出した経験がある人のうち9割以上の人が「減少している」「もう出していない」と回答したという結果も出ている。

※1 出典:【2,025人調査】年賀状を「送らない」が「送る」を上回る 送る人は「パソコンで自作」が最多(Appliv TOPICS調べ/ナイル株式会社)
※2 出典:【2023年最新】年賀状離れはなぜ起きる?年賀状を出さない派の人や、出す枚数が減っている人にアンケート調査(フタバ株式会社)

注目したいのは年代別の差だ。「Appliv TOPICS」の調査によれば、「送る」割合が大きいのは60代で全年代で唯一過半数超えで、最も「送らない」割合が大きいのは20代で、53.7%と過半数を超えている。予想に難くないとはいえ、ビジネス年賀状は幅広い年齢層の担当者に当てて送ることになるため、「若手は出さなくていい」というわけでもないだろう。

またフタバの調査によれば、「年賀状を出さないと回答した人が多かったにも関わらず、年賀状をもらうことに対して好意的な意見を持つ人が8割」だったという。つまりもらうことで「返信のプレッシャーがある」と回答する人もいたものの、接点の一つとしてまだ有効であることが分かる。

つまりビジネスにおいてはデジタル時代だからこそ、年賀状は顧客との大切な接点のひとつと捉え、よい印象を持ってもらえるようにしたいところだ。そのために大切なのが、マナーを守ったビジネス年賀状を送ること。以下に、ポイントを紹介していこう。

年賀状の準備と手配 いつまでに投函する?

年賀状は元日(1月1日)から松の内(一般的に1月7日まで)に届くように準備をする。1月7日を過ぎてしまうと、寒中見舞いとなるため注意しよう。

日本郵便によれば、2024年(令和6年)の年賀状の引受開始は2023年12月15日(金)からになる。元日までに届けるには「2023年12月25日(月)までに差出しを」する必要がある。

なお、引受開始前(12月14日以前)に差し出された年賀状は、通常の配達日数により年内に届いてしまうのでくれぐれも15日以降での差出を心がけたい。

また一般はがきや私製はがきを年賀状として利用するときは、「年賀」の朱書きを必ず入れる。「年賀」の朱書きを忘れてしまうと、年が明けないうちに相手方に年内に届いてしまうので気をつけよう。

元旦に届けるための年賀状準備スケジュール
年末は何かとあわただしいので、早めの準備が重要となる。
・11月中…住所録の整理
・12月初旬…ツールなどを利用して印刷開始、手書きのメッセージを添える。
・12月25日までに…郵便局かポストへ投函

取引先や顧客に出す年賀状、押さえておきたい6つのマナー

マナー①はがきは宛名を書く面が表、文章やイラストを記載する面が裏面
「年賀状」に限らず、はがきは宛名を書く面が表、文章やイラストを記載する面が裏面だ。表面に宛名を書くときに、縦書きと横書きのどちらで書けば良いのか迷うかもしれないが、日本語は縦書きが正式。本来は「年賀状」も縦書きが好ましい。一方でコーポレートの特徴から裏面が横書き、とい場合は、表面と裏面で縦横をそろえるのが基本なので、宛名も横書きにする。

マナー②フォーマルなものは縦書きに
目上の方や親族、取引先への「年賀状」は表面と裏面のいずれもフォーマルな縦書きが望ましい。なお縦書きでは数字は算用数字ではなく漢数字が一般的だ。

マナー③手書きのひとことを添える
プリントされただけの年賀状は、事務的な印象を与えてしまうこともある。たくさんの年賀状の中でも目立つよう、取引先へのハガキには手書きのコメントを添えるようにしよう。

マナー④宛先と敬称を間違えない
取引先の担当者は異動等で部署や肩書きが変更になっている場合もある。相手に失礼にならないよう、住所録やメールの署名、名刺などを改めてチェックしておこう。
基本的なことだが、A社B営業部Cさんに送る場合、
【会社宛て】なら「A社御中」
【Cさん宛て】なら「A社B営業部C様」
など会社宛の敬称は「御中」、特定の個人宛の場合、会社名に「御中」はつけないなど、間違いない宛名書きをしよう。また役職を書くなら名前の上に小さめに書くのが一般的となる。

マナー⑤使用不可文字をチェックしよう
「年賀状」は新年を祝うことが目的であるため、「失」「去」「絶」「死」「別」「終」といった語は縁起が悪いため避けること。「去年」と書きたい場合は「旧年」と書くようにする。

マナー⑥機種依存文字(環境依存文字)は使わない
年賀状をプリントする際には、文字化けに注意が必要だ。「(株)」や「(有)」、「①などの丸囲み文字」「Ⅲのようなギリシア数字」「℡」などの機種依存文字(環境依存文字)は使わないようにしよう。

年賀状制作便利ソフト・アプリ

年賀状制作がまだという場合は、急ぎ対応可能なソフトやアプリを活用したいところだ。有料、無料様々に用意されている。

<有料>
ラクスル年賀状印刷(はがき代込み)
ネット印刷・集客支援のプラットフォーム「ラクスル」の年賀状印刷。早割キャンペーンは12月18日まで(63円/枚はがき代込み)。

年賀状維新
会社向け、企業向け、法人向け年賀状がネットで簡単に注文できる。各種カード、銀行振込可能。営業日(平日)の正午12時までの校正OKで2営業日後の出荷可能。

筆まめ(年賀はがきは別途用意)
デザインを選んで、イラストや写真を入れ替えたら、印刷するだけの、かんたん3ステップで年賀状が作れるのが特徴。

筆ぐるめ(年賀はがきは別途用意)
そのまま印刷できるレイアウト(はがきデザイン)5,000点のほか、20,000点のイラスト、152点もの豊富なフォントを収録したソフト。


<無料(年賀はがきは別途)>
郵便年賀.jp
日本郵政が無償で提供。年賀はがきのデザインや宛名を手軽に作成・印刷できるソフトだ。パソコンやスマートフォンに対応したアプリもある。

<プリンター会社の年賀状アプリ(年賀はがきは別途>
Canon(キヤノン):Creative Park
キヤノンプリンターで手軽に印刷できるデザインが可能。パソコン、スマートフォン対応がある。

EPSON(エプソン):年賀状特集2024(令和6年・辰年)
使いやすい2024年(令和6年)、辰(たつ)年版の年賀状テンプレート・素材を多数用意。パソコン、スマホどちらにも対応。

brother(ブラザー):年賀状・無料ダウンロード
豊富な年賀状テンプレートがすべて無料でダウンロードできるようになっている。パソコンでもスマホでも簡単にできる。

まとめ

日本郵便が2024年8月31日に発表した「2024(令和 6)年用年賀はがきなどの発行および販売」によれば、2024年用年賀はがきの当初発行枚数は約14.4億枚(うち、券種が確定している発行枚数は約13.4億枚、販売状況に応じ券種を決定する券種未確定の発行枚数は約1.0億枚)で、対前年比約88%(2023年用の当初発行枚数は約16.4億枚)だ。年々減少して言ってはいるが、ビジネス年賀状には取引先や得意先との関係を円滑に保つ役割もある。一方で普段から郵便をほとんど出さずメールでやりとりしている企業は、経費もかかるため廃止を検討していることも少なくない。大切な取引先との関係性維持や、取引の活性化のための企業間コミュニケーションツールとして出すか出さないか、バックオフィス担当者としては、社内で確認をしたうえで対応したい。