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バックオフィス業務必見!企業の情報戦略に欠かせないERPの紹介

2020.01.23

企業の経営をサポートするシステムであるERP。さまざまな場所で管理されていた社内の重要データを管理をすることで、バックオフィス業務をより素早く処理することができる。しかし、システムとしてのERPは、どのようなことができるのだろうか。

今回は、ERPの導入形態やメリット、企業の情報戦略、効率の高い製品の紹介をする。

ERPとは

 ERPとは、「Enterprise Resources Planning」の略で、日本語では「企業資源計画」。企業経営の基本となる資源要素(ヒト・モノ・カネ・情報)を適切に分配し有効活用する計画や考え方を意味する。現在では、「基幹系情報システム」を指すことが多く、企業の情報戦略に欠かせない重要な存在だと言えるだろう。
 現在のERP導入形態は、大きく4つに分けられる。

①統合型ERP
 会計・販売・人事・給与など、企業のデータを一つに統合して管理することが可能のERP。統合することで、異なる業務の連携などの手間を削減することができ、業務の効率化が進み、現場の状況など経営状況などのデータがリアルタイムで確認できるため、経営層はより迅速に的確な判断が下せるようになる。

②コンポーネント型ERP
 会計、生産、総務など、各業務の中から必要な業務システムを選択し、組み合わせて導入できるタイプでのERP。既存のシステムとの連携が容易に行えるので、情報システムの強化や業務の効率化を図ることができ、必要な機能を必要なタイミングで追加や拡張できるので、費用や開発期間を短縮できるというメリットもある。

③業務ソフトERP
 会計業務や人事など、特定分野の業務の一元管理が行える。特定分野のみ対応しているERPなので、他のタイプのERPよりも低価格であり、比較的短期間で導入できるメリットがある。

④クラウド型ERP
 従来のERPは個別に運用していた業務管理のデータを効率良く運用することを目的とされ、コストや人的リソースが増加している問題があった。しかし、最新の技術を利用したクラウドERPは、インターネット環境とPCがあれば利用開始でき、環境設定のためのコストや労力を大幅にカットすることができる。

ERP導入のメリット

 ERPを実際に導入することで、企業としてはどのような効果が得られるのだろうか。

メリット①情報の一元管理
 企業のあらゆるところに点在している情報を一箇所に集め、その情報を元に企業の状況を正確かつタイムリーに把握し、経営戦略や戦術を決定することができる。
 
メリット②業務効率アップ
 部署間での情報共有が可能になり、予測に基づいた購買や生産の計画が立てられるので、生産や納期など全体フローを効率的に設計することができる。

メリット③経営情報の見える化
 売上から利益、営業、生産コストなど、企業活動に必要な情報のリアルタイムな把握が可能となり、自社の経営情報の見える化が実現できる。

メリット④経営スピードの強化
 分散していたデータの収集や加工といった作業時間をへらすことができ、リアルタイムでのデータ分析が可能になる。

ここからは、主なERPサービスについて紹介する。

業務効率と内部統制を支援する「クラウドERP freee」

 freee株式会社が提供する、中堅企業向けクラウドERP。1000名規模までのバックオフィスを最適化し、業務効率化と内部統制を支援する。

特徴①経理・人事労務担当者の作業も、現場の業務も効率化
 稟議や支払依頼、経費精算の申請や承認など、現場が担う業務を効率化することができる。画面に沿って入力するだけで申請が完了し、手間なく申請漏れやミス防止にもつながる。承認をオンラインで行えるので、出先などのスキマ時間でも作業しやすいだろう。

特徴②同一データの繰り返しの入力や転記を削減
 請求書作成や売掛金管理、入金消込、会計処理など、必要データが同じ場合は入力を1回で行うことができる。インターネットバンキングを利用することで、銀行明細と請求書が連動して、消込作業の自動化が可能だ。データ入力や転記がなくなるため、エラーや手間も削減にもつながるだろう。

特徴③経理処理は人口知能で効率化
 クレジットカードや銀行口座の明細情報を自動で取得し、勘定科目を推測して仕訳を提案することができる。使用するたびにソフトが学習していき、経理が自動化され、入力ミスや手間を削減を可能にするだろう。

特徴④機能アップデートや料率変更などを自動で反映
 新機能や機能改善のアップデートや料率変更などがあった場合には、自動でシステムに反映する。

特徴⑤経営を見える化し、意思決定をスピードアップ
 現場から入力された取引データを元に、債権/債務レポートや資金繰りレポートを自動で作成することができる。直感的に使えるUIで、経理担当だけでなく役員や事業部長クラスの意思決定層も数字をすぐ把握し、クラウドだから複数の事業所データもリアルタイムに同期することができ、支店・部門ごとの最新の数字をいつでも把握することが可能になる。

世界No.1のクラウドERPシステム 「NetSuite」

Shearwater Japan株式会社が提供。ERP/財務会計、CRM、Eコマースなどの機能が、ひとつのアプリケーションに完全統合されている。

特徴①経営や営業データをユーザに合わせてリアルタイムに把握
 従業員の役割に応じて、アクセス可能な全てデータがダッシュボード上で一覧化され、ダッシュボードを起点として、すべての業務にアクセスできるのが特徴。ダッシュボードは、ユーザ―のニーズに合わせて変更可能だ。また、業務や業績の進捗を的確に把握できる点も良いだろう。

特徴②NetSuite OneWorldで、海外の複数会社を管理
 日本から海外複数子会社の基幹・会計状況をリアルタイムに管理し、世界19言語、通貨(記帳通貨、取引通貨、ローカル通貨)にも対応する。

特徴③リアルタイム経営管理基盤
 ひとつのアプリケーションに統合されているため、一元管理された業務を構築することができ、特定の業務を効率化するだけでなく、集計・分析・レポーティングまでを、ひとつのアプリケーションで実現する。データベースもひとつに統合されているため、業務ごとのデータ入力、業務間のファイル連携できる点もよいだろう。

業務に合わせて自由に構築できる「kintone」

 サイボウズ株式会社が提供。開発の知識がなくても自社の業務に必要なアプリケーションを簡単に作成することができる。

特徴①テンプレートの中から、自社の基幹業務に必要なものを選択
 自社の業務に必要なアプリケーションを作成することが可能となる。

特徴②利⽤イメージ「受発注管理」
 受注前の見積日、見積金額の記載を行うことで、どの顧客にどのような見積をいくらで提出したかを共有することが可能で、グラフで月別の担当者ごとの売上額を確認することもできる。

特徴③利⽤イメージ「商品見積作成」
 商品マスタ管理アプリと見積書作成アプリを作成し、見積書作成アプリは、外部の帳票作成サービスと連携することが可能のようだ。また登録したデータをそのまま帳票として出力することも可能なので、作業時間の短縮にも繋がっていきそうだ。

経営者から社員までひとつのチームとなり、意思疎通ができる「事務SOL」

 VIPソフトウェア株式会社が提供。社員数が3~100名程度のバックオフィスを最適化。各業務がひとつのシステム(ONE SYSTEM)で連携しているため、転記作業や集計作業が無くなり、転記ミスや集計にかかる無駄な時間を削減することができる。

特徴①データの一元管理が可能
 エクセルやワード、給与計算ソフトなどバラバラにしている作業を一つのシステムで終わらせることができ、データの一元管理が可能となる。

特徴②帳票をボタン一発で出力
 帳票(見積書、契約書、請求書、売掛帳、買掛帳、給与一覧、経費一覧など)をボタン一つで出力することを可能とし、CSVデータにて税理士に送ることもできる。

特徴③データ分析機能にて経営をサポート
 事務作業の結果としてできたデータを経営判断の参考データとして顧客ごとの売上比率や営業マンごとの売上、利益比率なども参照することが可能になる。

特徴④万全のセキュリティ
 顧客の経営にかかわる重要な契約情報を大切に保管するため、Microsoft社の「Microsoft Azure」を採用し、万全のセキュリティ対策を行っている。

まとめ

 ERPは各製品によって機能の有無や特徴が異なる。自社の現状を把握をし、目標や課題を明確化することが大切だ。
 情報の一元管理や業務の効率化、経営情報の見える化、経営スピードの向上など、導入のメリットを理解し、自社の課題を解決し、成長に繋がるシステムの導入を選んでほしい。