リファラル採用が注目される理由って?メリットと注意点・成功のポイント
近年リファラル採用が注目されつつあるが、そもそも紹介による採用というのは昔から存在していたにも関わらず、なぜ今になって注目されるようになっただろうと疑問に思っている人も多いのではないか。この記事では、リファラル採用とは何かという基本の部分から、リファラル採用を導入するメリットや注意点、成功のポイントについて紹介していく。
リファラル採用とは?
リファラル採用という言葉自体に馴染みがないという人もいるかもしれない。リファラルとは、紹介や推薦という意味のある言葉であり、リファラル採用とは紹介者推薦による採用という意味である。アメリカにおいてはリファラルリクルーティングがかなり浸透しており、8割ほどの企業で採用されている。メインの採用手法として完全に定着しているのだ。日本でも紹介や推薦による採用は昔から行われていたが、縁故採用と混同されがちである。リファラル採用は血縁関係などに影響を受けず、あくまでもマッチングに主眼を置いた採用方法なのだ。
リファラル採用が注目される理由
リファラル採用が注目される理由としては、高齢化社会と定着率の問題にある。日本は少子高齢化によって人口が減少しているが、その影響もあり企業の採用競争が激化しているのだ。採用競争が激化することにより優秀な人材を採用することが難しく、採用に関わるコストも上がりがちである。せっかく採用した従業員もマッチせずに離職してしまう者が少なくない。リファラル採用を活用することによって、これらの問題の解決に繋がるため注目されているのだ。
リファラル採用のメリット
リファラル採用を活用することによって得られる具体的なメリットはどのようなものがあるのか見ていく。
採用コストの削減
リファラル採用を導入することによって得られるメリットとして、採用コストの削減が挙げられる。従来の採用方法では、求人媒体や転職エージェントに依頼する必要があり、それらの費用が高額なため採用コストが高くなりがちであった。しかし、リファラル採用はそれらの媒体などに支払う必要もなく、社員などの人脈を使った採用活動になるので基本的にコストが不要になるのだ。リファラル採用を導入している企業の中には、紹介者にインセンティブを支払う制度を取り入れているところもある。しかし、その場合であっても数十万円から100万円程度までであり、求人媒体や転職エージェントに依頼するコストよりも少ないのだ。
マッチング率と定着率の向上
リファラル採用の場合、マッチング率の向上が期待できるのも大きなメリットである。通常の採用ではなかなかマッチング率まで正しく予想するのは難しい。しかし、リファラル採用であれば、社員などがその職場に合いそうな人材を紹介するので認識違いなどが生じにくく、通常の採用よりはるかにマッチング率が高くなるのだ。紹介される側も、紹介者とは既に深い関係があるので何かあった時に相談できるので入社しやすく、定着率も高くなる傾向にある。定着率の高さは採用コストの削減にも繋がってくるので非常に大きなメリットである。
転職市場にいない人材にアプローチ可能
従来の採用方法の場合、求人媒体を見たり転職エージェントに登録しているなど、転職の意思がある人材しか採用することは出来なかった。しかし、そのような転職市場にはいない人材であっても、何となく今より条件のいい会社や、自分に合っている会社があれば転職したいと考えている優秀な人材というのは存在する。リファラル採用であれば、そういった転職市場にいない人材にもアプローチすることが出来るというメリットもあるのだ。転職の意思がそれほど強くない場合には、会社側が欲しいと思ってもすぐに入社してくれるとは限らない。しかし、接点を持ち続けることによって将来的に入社を検討してくれる可能性もある。優秀な人材に唾を付けておくことで、本格的に転職を考えてくれた時に入社してくれる可能性が高まるのだ。
リファラル採用のデメリット・注意点
リファラル採用にはメリットもあるがデメリットや注意点も存在する。どのような点を注意しなければならないのか見ていく。
人材が偏りやすい
リファラル採用のデメリットとして、人材が偏りやすいことが挙げられる。リファラル採用は社員などが自分のプライベートな繋がりのある人材を紹介することが多い。したがって、どうしても似たような人材が集まってしまう傾向にあるのだ。これはマッチングの向上に繋がるのでデメリットだけではなく、メリットでもあるのだが、場合によっては会社にとって不利益な人材構成になってしまう危険性もある。リファラル採用だけにするのではなく、通常の採用ルートを併用するなどして対策を打つ必要があるのだ。
人間関係への配慮が必要
リファラル採用は人間関係への配慮が必要になる。リファラル採用だからといって、紹介された人材を全て採用することが出来るという訳ではなく、面接の結果によっては不採用になるケースも当然ある。そうなった場合、紹介者と応募者の関係性が悪化してしまうことも考えられるのだ。したがって、リファラル採用であっても必ず採用する訳ではないということしっかり伝えておくということが大切になってくるだろう。不採用にした場合も、紹介者に対してしっかりと説明をするなどケアしなければならない。不採用にした場合も、紹介者に不採用になった方と食事に行くなどを指示し、その費用を会社側で負担するなどといった制度も必要だ。
また、入社後も紹介者を中心として派閥などが作られてしまい、社内の人間関係が悪化してしまう可能性もある。採用したとしても、紹介者を頼って入社してきたという意識が強い場合、紹介者が退職などすると一気にモチベーションが低下したり、一緒に紹介者の後を追って離職するというケースも少なくないのだ。入社後もしっかりケアしていく必要がある。
リファラル採用を成功させるポイント
リファラル採用をこれから導入するという場合、成功させるために実行すべきことを紹介する。
紹介する社員のメリットを与える
リファラル採用は社員に人材を紹介してもらうという制度だ。しかし、必ずしも採用される訳でもなく、人間関係に亀裂が生じるリスクが有るのであれば積極的に人材を紹介したいと考える社員は少ないだろう。社員が積極的に紹介したいと思えるような制度設計をする必要があるのだ。具体的には、人材を紹介して採用まで至った社員に対してインセンティブを与えるというものだ。インセンティブは20万円以上、100万円は超えない範囲で設定されることが多いが、これだけのボーナスがあるのであれば紹介しようと考える社員も増えるだろう。
また、紹介させるのを社員に全て任せてしまうのは負担が大きい。会社の業務内容や待遇などが書かれた紹介パンフレットを用意したり、どのように紹介すれば良いのかなどのレクチャーをするなど、会社側のバックアップ体制も必要不可欠である。
社員に説明をし、理解を得る
リファラル採用は社員に紹介してもらって初めて採用することが出来る制度なので、紹介をしてくれる社員に対してしっかりと説明をする必要がある。仕組みや目的を周知させないないと、マッチングを考慮しないただの求職者紹介になってしまう可能性もあるのだ。したがって、リファラル採用を活用するためには、ペルソナ認知などを高めるためにリクルーター教育もしておきたいところである。
リファラル採用でマッチした人材を
リファラル採用は採用コストを削減しながらも、マッチした人材を採用することが出来る可能性がある非常に魅力的な手法である。しかし、リファラル採用は社員に積極的に動いてもらうという大きな壁があるのも事実だ。リファラル採用に対して社員への徹底周知や、インセンティブ制度など体制をしっかり整えることが、リファラル採用成功のポイントである。