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ダイレクトリクルーティングの市場規模が拡大中!関心が高まる背景など

2023.02.12
オフィスのミカタ編集部

ダイレクトリクルーティングとは、人材を探す企業が転職や就職したい人に直接アプローチし採用につなげる手法だ。人材獲得競争が激化する近年は関心度も高く市場規模も拡大している。本記事では、ダイレクトリクルーティングサービスの市場規模の概要や、ダイレクトリクルーティングが求められる背景などを解説する。ダイレクトリクルーティングの動向に関心がある担当者は参考にしてほしい。

目次

●ダイレクトリクルーティングとは
●ダイレクトリクルーティングの市場規模は拡大中
●ダイレクトリクルーティングのメリットとデメリット
●ダイレクトリクルーティングサービスの選定基準
●まとめ

ダイレクトリクルーティングとは

まずはダイレクトリクルーティングの概要をみていこう。

ダイレクトリクルーティングとは
ダイレクトリクルーティングとは、人材獲得に向けて企業側が能動的にアプローチする採用手法だ。具体的には、ダイレクトリクルーティングサービスを運営する企業と契約し、サービスの登録者の中で自社が欲しい人材にスカウトメールを送る方法が取られることが多い。従来の採用活動は、企業が求人を出した後は求職者からの応募を待つ「待ち」の採用活動が主流だった。近年では、企業側から求職者に働きかける「攻め」の採用活動であるダイレクトリクルーティングに関心が高まっている。

関連記事:『ダイレクトリクルーティングとは?メリットや注意点、選び方を紹介』

スカウトとの違い
ダイレクトリクルーティングに似た言葉に、「スカウト」がある。両者に根本的な違いはなく、どちらも獲得したい人材にアプローチする手法という点では同義に捉えられる。ダイレクトリクルーティングの方が後発的に誕生した人事用語で、近年ではダイレクトリクルーティングが正式な施策名として用いられることが一般的となった。スカウトは、ダイレクトリクルーティング施策のうちの「スカウトメール」で用いられることが多い。

ダイレクトリクルーティングの市場規模は拡大中

ここではダイレクトリクルーティングの市場規模をみていこう。

市場規模が拡大している背景
市場規模が拡大している背景には、「少子高齢化」「人材不足」がある。近年では採用競争が激化しており、求職者から選ばれる時代となった。それにより、企業側は自発的なアプローチで求職者に選ばれる確率を上げることが重要となっている。こうした背景を基に、ダイレクトリクルーティングの市場は右肩上がりを続け、近年では更に大きく伸びている。

ダイレクトリクルーティングサービス大手の株式会社i-plugによると、2019年2019年には約25億円の市場であったのが、2020年には35億円、2021年には40億円超えと市場規模が拡大しているとのデータを発表している。
(参考:『2022年3月期 - 決算説明資料』

今後利用が高まる採用手法としても注目が集まる
さらに、ProFuture株式会社/HR総研が出しているデータによると、採用担当者155名中41%が今後利用が高まる採用手法にダイレクトリクルーティングを挙げている。「リファラル採用」に続いて第2位の結果だ。
(出典:HR総研『キャリア採用に関する調査」結果報告利用が広がる「リファラル採用」と「ダイレクトソーシング』

ダイレクトリクルーティングのメリットとデメリット

ここでは、ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリットをみていこう。

<メリット1>企業と求職者のミスマッチを低減できる
ダイレクトリクルーティングを活用することで、企業と求職者のミスマッチを防ぐ効果がある。ダイレクトリクルーティングは、「この人を採用したい」という人に対して、企業側が自発的かつ直接アプローチできる。企業側が求める採用ターゲットに対し、事前にどのような人材であるかが明確になっていることで、面接時でのミスマッチ率を低減することが可能だ。ミスマッチ率を低減できれば、離職率を下げることにもつながり、結果的に採用コストや人材育成のコストを削減することも可能だろう。

<メリット2>知名度の低さを補える
ダイレクトリクルーティングでは、企業の知名度の低さをカバーできるメリットもある。従来の採用手法では、求職者が求人広告を見て応募するため、企業の知名度が判断材料の一つとなっていた。しかし、ダイレクトリクルーティングでは、企業の知名度が低くても企業側から求職者に直接アプローチできるため、送られてくるスカウトメールを読んでもらえる可能性が高くなる。これは、ダイレクトリクルーティングを活用する上での大きな利点と言えるだろう。

<メリット3>優秀な潜在層に接触できる
潜在する優秀な人材に直接接触できることもメリットの一つだ。というのも、ダイレクトリクルーティングは、企業があらかじめ優秀な人材に絞り込んだ上でアプローチをかけられる。さらに、「声をかけられるまで転職を意識していなかった」というような、潜在層にもアプローチできるのが利点と言える。

<デメリット1>スカウト対象のソーシングや、文面作成など運用工数負担がある
ダイレクトリクルーティングを活用する上でのデメリットは、採用業務の負担増加が挙げられる。具体的には、スカウトメールを主軸に、欲しい人材にアプローチするための文面作成や、送信対象の選定のほか、返信対応などの業務が発生する。採用業務に人材を多く割けない企業では、一部の従業員に負担が偏ってしまうこともあるため、注意したい。

<デメリット2>効果が出るまで時間が必要
ダイレクトリクルーティングは、効果が出るまで時間を要することが多い。これまで自社の採用を人材紹介や求人広告に頼っていた場合には、企業側に人材の母集団が形成されてないことが多いほか、ノウハウが不足していることもある。ノウハウが蓄積されていないことで、新たな工程を作成する際に手間取り、効果が出るまでに時間がかかる場合がある。一時的に既存の採用手法と新たな手法を並行して取り入れるなど、工夫をしながら移行させていくのが望ましい。

ダイレクトリクルーティングサービスの選定基準

最後に、ダイレクトリクルーティングを実施する際に、サービスの選定基準を解説する。

自社の採用ターゲットに合う求職者が登録しているか
ダイレクトリクルーティングサービスを利用する際には、自社の採用ターゲットに合う人材が存在しているかが一番のポイントだ。職種、スキル、年齢など細部まで確認しアプローチできる求職者がいるかを念入りに確認しておくのが望ましい。

料金形態が予算と合うか
ダイレクトリクルーティングサービスは成果報酬型のサービスだけでなく、スカウトメール配信数に応じ料金が変動するサービスもある。また、成果報酬型でも応募課金や採用課金などが発生するかも確認しておきたい。

さらに、初期導入費がかかるサービスもあり、料金形態がサービスによってさまざまであるため、自社の予算に応じた最適なサービスを選定できるよう、事前に確認しておきたい。

人的リソースに不足がないか
ダイレクトリクルーティングサービスを利用する際には、人的リソースが不足していなかも確認しておこう。ダイレクトリクルーティングサービスを有効に活用していくためには、膨大なデータベースから自社の採用ターゲットにマッチする人材をピックアップし、一人ひとりに対しスカウトメールの文面や、返信対応が必要だ。そのため、社内に十分な人的リソースがないと対応しきれない場合もある。人材が不足している場合には、運用代行サービスや、アウトソーシングも視野に入れておくことが望ましい。

関連記事:『人事業務のアウトソーシングとは?期待できる効果や、注意点などを解説!』

まとめ 

少子高齢化や人材不足が課題となる中、自社が求める人材に直接アプローチできるダイレクトリクルーティングの市場規模は拡大を続けている。従来の採用手法に比べ、潜在する人材にアプローチできることや、採用コストの削減も可能なため、活用メリットも大きいだろう。一方で、導入に際しては採用ターゲットに合う求職者が登録しているかや、社内の人的リソースが不足していないかなどの確認が必要だ。効果的な採用活動を行うため、メリット・デメリットを考慮しつつ新たな採用手法を取り入れてみてはいかがだろうか。