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人事評価システムは導入すべき? 人事評価システムで得られる効果とは

2020.06.09

 この記事は、人事評価システムに興味があるものの、導入すべきか悩んでいる人に向けたものである。人事評価システムを導入する事でどのような効果が得られるのか、また人事評価システムの形態や選ぶ際のポイントなどについても紹介している。人事評価システムについてよく理解する事で、最良の方法が明確になり、良い決断が出来るようになるかもしれない。

人事評価システムとは

 人事評価とは、従業員の業務の遂行度や能力をチェックして評価を出す仕組みの事だ。人事評価の結果は賃金や昇給にも反映するため、従業員のモチベーションにも左右する。定期的に必ず発生する業務ではあるが、社員の評価に対して最終責任を持つのは、実は人事担当者である事が多い。常日頃から一緒に働いている訳ではないため、詳細な業務内容や成果を人事担当者が把握するのには、かなりの時間や労力を費やす事になる。

 そんな中、人事担当者の負担を軽減させるべく、多くの企業に導入されているのが人事評価システムだ。経歴や実績、等級など従業員に関するデータや評価に必要な目標設定、社内承認のワークフローの仕組みなどが備わっているため、人事評価に費やす時間や人員削減が可能となる。また能力や貢献度を客観的にデータ分析出来るため、私情が入り込む事もなく公正な評価が出来るのだ。

人事評価システム導入で得られる効果

 人事評価システムを導入する事によって得られる効果は大きい。ここでは具体的にどのような効果があるのかを紹介していく。

評価を自動化できる

 人事評価の際、より正確な評価をしたいと考えるなら評価項目も細かくなる。ただ細かく項目を設定すると、いざ集計や分析をしようとすると、人の手ではミスが生じてしまう。特に従業員の数が多いと、作業も煩雑で膨大になるのだ。その点、人事評価システムを導入すると、詳細な評価項目を設定した上で正確は評価も出来る。人的エラーを防止できるのはもちろん、従業員に本質的なフィードバックが出来るようになるのもメリットの一つだ。

評価を効率化できる

 人事評価システム導入により目標の設定、共有、管理を一括して行う事が出来る。まずは会社全体のビジョンを明確化して共有し、実現するためのミッションを評価データに基づいて設定する事が可能となるのだ。人事担当者は進捗状況も把握する事で、成果だけではなく過程も含めて正当な評価が出来るようになる。

 また、従業員にとってはデータによる客観的な評価が受けられるため、従来のアナログ式の人事評価で感じたような不満も取り払える。さらに評価だけで終わるのではなく、データを有効活用して次の目標を多面的に設定できるのも、人事評価システムの特徴と言える。

人材をマネジメントできる

 プロジェクトが終了した後、人事評価をして終了とはならない。例えば目標が達成できなかった場合は、詳細な評価を受ける事で自分に足りなかった部分が把握できる。

 ちなみに評価結果はデータ化でき、蓄積されたデータは従業員や組織の分析に活用出来る。企業が目標を達成させるためにはまず個々の課題を洗い出す事が大切で、目標に対する共通認識や相互理解を促す事で従業員の意欲も高まり、会社の成果拡大に繋がる。また詳細な評価項目はタレントマネジメント業務を円滑にする。効果的な人材配置や離職率の削減に貢献し、従業員のモチベーションもアップさせられるのだ。

人事評価システムの形態

 人事評価システムには、「クラウド型」「オンプレミス型」「パッケージ型」という3種類の形態がある。

クラウド型

 3種類の人事評価システムの中で、最も主流であるのがクラウド型だ。インターネット経由でシステムを提供している形態で、一からシステム構築をする必要がなく、複雑な作業も無しで簡単に導入できる。またネットがつながる環境であれば外出先でも利用でき、データをクラウド上に保存しておくとバックアップも自動で行える。インストール不要で初期投資無し、数千円~数万円程度の月額制を採用している事からコストを抑えられるのも魅力だ。

オンプレミス型

 オンプレミス型は、自社サーバーを利用してシステムを構築する提供形態である。カスタマイズ性に優れ、自社に合わせて設計できるため、複雑な評価基準や独自の評価方法にも対応できる。事業規模の大きな会社は利便性が高い形態だが、サーバーの準備や導入時のカスタマイズには時間やコストがかかる。また障害が発生した時のトラブル対応やセキュリティ体制の構築など管理が必要になる点もある。そのため実際にオンプレミス型を導入しているのは、資金に余裕がある大手の企業に限られる。

パッケージ型

 パッケージ型とは、メーカーが製造・販売しているソフトウェアを購入して、パソコンにインストールするという提供形態だ。カスタマイズは出来ないが、汎用性を追及しているためシンプルで使いやすい。また製品価格も抑えられているので、事業規模の小さな会社でも導入しやすいという特徴がある。

 ただしインストール済みのパソコンに利用が限定されるため、複数でデータの共有は出来ない。バージョンアップやセキュリティ対策も自分達でしなければならず、導入後に様々なコストが必要になってくる。

人事評価システムを選ぶポイント

 ここからは人事評価システムを導入するとなった場合、どのような点に注意して選べば良いのかを紹介する。

操作性

 まず重視すべきは操作性である。たとえ高機能であっても、使い勝手が悪ければ結局使わなくなる。そもそも人事評価システムは大量の情報を扱うため、複雑になると操作も遅くなってしまうのだ。見やすく操作しやすいシステムなら処理スピードも速くなり、迅速に分析が出来る。従業員の誰が見ても評価内容が把握できるよう、一目でわかりやすいシステムが理想的だ。また評価項目や評価基準の変更など、独自の評価にカスタマイズできると更に使いやすい。説明だけでは使いやすさも把握できないため、可能であればトライアル出来る環境を作って、導入前に操作性を確認しておくと安心だ。

企業とのマッチ度

 企業とマッチしたシステムを導入する事も大切だ。例えば、人事評価の対象となる従業員の数によって適したシステムは違ってくる。小~中規模企業なら低価格で最低限の機能が搭載されていれば問題なし、一方で大規模企業の場合は高価格になるが、高機能システムの方が使いやすくなる。

 さらに高機能の人材評価システムの中でも、何を重視するのかを社内で相談し、目的に合った機能がついているものを選ばなければいけない。システムによって備わっている機能は違うため、目的は人材配置なのか育成重視なのか、または総合的に運用できるものが良いのかを十分に加味し、それに加えて不要な機能は無いかという観点で探していくと、無駄のない理想的なシステムを選び出せる。

他のシステムとの連携

 基本的に人事評価システムは、社員の評価に対して最終責任を持つ人事が使いやすいものが良い。勤怠管理や残業管理、日報管理、会計システムなど、他にも様々なシステムが導入されているが、連携してデータのやり取りが出来ると、わざわざ手入力で打ち込む必要もなく仕事を効率良く進められる。特に給与計算や休暇管理と連動させると、人事に関する業務は人事評価システムによって一元管理出来るようになり、作業がよりスピーディーに行えるのだ。

人事評価システムを導入して業務の効率化を図ろう

 人事評価システムを導入する事で、まずは人事業務を効率化させる事が出来る。膨大な量の仕事をコンパクトに、また人為的なミスを無くす事も出来る。

 さらにデータに基づいた正確な評価は従業員の不満を無くす。評価に納得できれば、自分が達成できなかった事を真摯に受け止め、次に向けて明確な目標が設定出来るようになる。つまり人事評価システムは従業員の社内満足度も向上させる事が出来るのだ。

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