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グループウェアとは?代表的な機能や導入時の注意点をわかりやすく解説

2021.05.11

コロナ禍や働き方改革によって就業環境が変化し、テレワークの導入や業務効率化、DX化が急速に進む昨今。こうしたワークフローの再整備の波が訪れる中、オンラインのコミュニケーション基盤として多くの企業が導入しているのが「グループウェア」だ。

そこで本記事では、グループウェアの導入を検討されている方に向けて、グループウェアでできることや、導入のメリット、グループウェア選定のポイントなどを詳細に解説しよう。

グループウェアとは

まずは、グループウェアがどのようなものかから説明しよう。

業務効率化に役立つアプリケーションが複合されたツール
グループウェアとは、企業内の情報共有に主眼を置いた情報系システムの一種で、スケジュール管理や掲示板、タスク管理、ファイル共有、設備予約といった業務効率化に役立つ複数のアプリケーションがパッケージ化されているものを指す。

現在はさまざまなグループウェアが出回っており、機能も料金も各社それぞれ。導入形態としてもクラウド型/オンプレミス型のものがある。導入にあたっては、自社が必要とする機能や使い勝手、費用対効果、メンテナンス性など、さまざまな面から比較検討することが重要だ。

ワークフローツールとグループウェアの違い
グループウェアと同様に、テレワーク導入のための環境整備や業務効率化を目的に導入されることの多いのがワークフローツールだ。

ワークフローツールとは、申請・承認・決裁の流れを電子化するシステム。経費や休暇の申請、稟議書の決裁などのフローをオンラインで行うことで業務の効率化を図ると同時に、ペーパーレス化によってコストダウンを図ることができる。

一方のグループウェアでも、機能の1つとしてワークフローをカバーしているものも多い。ただし、システムによっては簡易的な機能となっているものもあるため、複雑な条件分岐や代理申請など、自社に必要な要件を満たしているかは確認しておく必要があるだろう。

ワークフローツールについてより詳しく知りたい方はこちら。

コミュニケーションツールとグループウェアの違い
グループウェアと比較されることの多い、もう1つのITツールがコミュニケーションツール(社内SNSやビジネスチャットツール)だ。

コミュニケーションツールは、ChatworkやSlackをはじめとしたオンラインでの「会話」のためのツール。活発なコミュニケーションを目的に、カジュアルに利用できる点が大きな特長だ。

一方のグループウェアは情報共有や案件の進行管理など比較的フォーマルなコミュニケーションに強い。コミュニケーションツールはフロー型、グループウェアはストック型の情報系システムと言えるだろう。

また、グループウェアでも社内SNS機能を搭載しているものも少なくない。使い勝手を含めた機能性などを確かめながら比較すると良いだろう。

コミュニケーションツールについてより詳しく知りたい方はこちら

代表的なグループウェアの例

代表的なグループウェアの例

ここで、代表的なグループウェアを3つご紹介しよう。

Office365
1つ目はMicrosoft社提供のクラウド型グループウェア「Office365」。定番のOfficeアプリケーションを複数デバイスで利用でき、常に最新の状態で利用できるほか、Web会議やグループチャット、タスク管理など多彩な機能を搭載している。

Google Workspace
2つ目はGoogle社提供のクラウド型グループウェア「Google Workspace」。ドキュメントやスプレッドシートは同時編集ができ、テレワーク時のコラボレーションにも最適。チャットツールやスケジューラー、ビデオ会議など情報共有系のアプリケーションも充実している。

サイボウズOffice
3つ目はサイボウズ社提供の「サイボウズOffice」。掲示板やワークフロー、ファイル管理、タイムカード、電話メモなど、チーム内の情報共有に特化したアプリケーションを10種類以上搭載。クラウド型の他にオンプレミス型も用意されている。

グループウェアで主にできること

次に、グループウェアの代表的な機能を紹介しよう。

スケジューリング
個人のスケジュールだけでなく、他のメンバーのスケジュールも一目で把握ができるため、会議等の日程調整の効率化が図れる。

会議室などの設備予約
会議室以外にも、社用車やプロジェクター、ホワイトボードなど、各種設備の予約が
できる。

情報共有(掲示板機能)
全社や部署ごと、役職ごとなどで通達事項を発信できる機能。システムによって、公開日時指定や、掲示期間設定、閲覧の確認ができるものもある。

ワークフロー化
ワークフローは各種申請書類の作成・申請・承認が行える機能。ペーパーレス化を図れ
ると同時に、モバイル端末からも申請・承認が行えるため決裁のスピードアップにもつな
がる。

コミュニケーションチャット
1対1やグループでのオンラインコミュニケーション機能。社内メールよりも手軽で、テレワーク時の気軽なコミュニケーションに役立つ。

タスク管理
各人が抱えている案件や期日、重要度を可視化できる。本人の業務効率化につながるだけでなく、管理者が業務内容や案件の進捗状況を把握できるようになる。

契約書などの重要書類管理
契約書や社内の規定集など、各種文書を共有・管理できる機能。フォルダごとやファイルごとのアクセス権限設定機能やバージョン管理機能を搭載しているものも多い。

勤怠管理
グループウェアには、打刻と自動集計ができる簡易的な勤怠管理機能を備えているものも少なくない。給与計算ソフトとの連携も確認しておくと良いだろう。

グループウェア導入の主なメリット

グループウェア導入の主なメリット

続いて、グループウェアを導入することで得られるメリットをまとめてみよう。

組織内の情報共有の迅速化
1つ目のメリットは、組織内の情報共有がスムーズになる点だ。

グループウェアを導入することで、人や場所に点在していた組織内の情報を一元管理できるようになる。そのため、情報を取りにいく手間を大幅に削減でき、スピーディに次のアクションにつなげることができるのだ。

また、オンライン上でのコミュニケーション基盤として活用できるため、テレワーク時でも組織全体でコミュニケーションの活性化を図ることが可能だ。

情報漏洩リスクの軽減
2つ目のメリットとして、情報漏洩リスクの軽減があげられる。

グループウェアは、自社の目が行き届いた「仮想のオフィス」と言える。例えば業務で利用するファイルや、同僚との会話にしても、必要な情報をグループウェア内で完結することができれば、「外部」に持ち出す必要がなくなる。

ただし、グループウェア導入に際しては、データセンターのセキュリティ対策や監査ログ、アクセス制限機能など、グループウェア自体の安全性はしっかり確認しておこう。

承認・決裁フローの迅速化
3つ目のメリットは、承認・決裁のフローが迅速になる点だ。

ワークフロー機能によっていつでもどこでも申請・承認ができるようになるだけでなく、業務の可視化や情報共有の活性化によって決裁者の判断もスムーズになることは、ワークフローシステムにはないグループウェアの良さと言えるだろう。

グループウェアの導入以降の定着化が重要

ここまで見てきたように、グループウェアはこれからの新しい働き方を考える上で非常に役立つツールだ。しかし、導入したものの活用されずに終わってしまう例も少なくない。グループウェアの導入を成功させるには、ツールの選定だけでなく、導入後の浸透・定着化も大きなポイントとなる。

定着しない理由としては、
「十分に浸透せず、これまでのやり方との二重運用になって手間やトラブルが増える」
「機能が自社に合っておらず、結局人の手でカバーすることになり効率化になっていない」
「そもそも使いこなせない」
などがあげられる。

グループウェアを導入しても、現場で使われなければ当然、効果は発揮しない。浸透・定着までを見据えて、ツールの選定や本導入までの計画策定、ルールづくりを進めていくことが重要だ。
まずは失敗しないためのツール選定のポイントを次項にまとめるので参考にしてみよう。

グループウェアを選ぶ際の注意点

活用され、効果を発揮するグループウェアを選ぶためのポイントを5つ紹介しよう。

誰でも簡単に操作ができるか
1点目は、誰でも簡単に操作ができるかどうかだ。
グループウェアは一般的に、部署や雇用形態に関係なく全社導入するシステムである。「全ての従業員が使いこなせる操作性かどうか」という視点でチェックをしよう。

また、スマートフォンなどモバイル端末でも利用する場合には、モバイル端末での見やすさや操作性も確認が必要だ。
多くのサービスでは無料トライアル期間が設けられているため、その間にしっかり見極めよう。

必要な機能が最低限搭載されているかどうか
2点目は、必要な機能が搭載されているかどうかだ。
スケジュールや掲示板、ファイル管理などの基本的な機能のほかにも、グループウェアには多様な機能が搭載されており、システムごとの差も大きい。

どんな機能を必要とするかは部署や役職によっても異なるため、さまざまな立場の人の意見を参考にすると良いだろう。
一方で、多機能になるほど操作性は低くなる傾向にあるため、導入の目的を明確にして何が必要かを判断していくことが重要だ。

導入・運用におけるコストパフォーマンスが高いかどうか
3点目は、導入時・運用時のコストパフォーマンスだ。
機能性・拡張性の高さを求めれば、その分料金も高くなってくる。いかに活用してもらえるか、導入の目的に合っているかを軸に比較検討していこう。

また、アップデートの頻度やサポート体制などのアフターサービスの内容、ストレージの増設などで、追加費用はないかどうかも確認しよう。

セキュリティ対策は万全かどうか
4点目は、セキュリティ対策は万全かどうかだ。
特にクラウド型の場合は、外部サーバーを利用することになるため一層の注意が必要だ。

アクセス制限機能や監査ログ機能、多要素認証、データセンターのセキュリティ対策、国際標準に準拠しているかなどをチェックしておこう。

サポートが充実しているかどうか
5点目はサポートが充実しているかどうかだ。サポートの体制も各社で差が大きいため、導入前の確認が大切だ。

例えば
 ・導入時の設定はサポートしてもらえるのか?
 ・誰でもわかるようなマニュアルは用意されているのか?
 ・メールや電話での問い合わせ、活用セミナーは開催されているのか?
など、自社がどのようなサポートを必要としているかも明確にしておく必要があるだろう。

まとめ

本記事では、グループウェアの定義から、代表的な機能、導入のメリット、ツール選定のポイントまで紹介してきた。
多彩な機能を搭載したグループウェアは、使いこなせれば得られるメリットは非常に大きい。一方で、多種多様な分、自社に適したツール選定に悩む方も多いだろう。

グループウェアを導入する際は、ぜひ本記事を参考に導入後の定着を見据えてツール選定を行っていただき、生産性の向上やコミュニケーションの活性化に活かして欲しい。
気になるシステムが見つかったら、無料トライアルで使用感を確かめてみるのもおすすめだ。

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