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法務とは?業務内容や必要なスキルを紹介

2021.11.24
オフィスのミカタ編集部

企業に対し、コンプライアンス(法令遵守)が強く求められる昨今、法務部が担う役割の重要性は年々高まっている。しかし、企業運営に関する法律は多岐にわたるため、法務の具体的な業務内容がわかりづらい場合もあるのではないだろうか。今回は、企業における法務部の役割や業務内容を解説する。法務業務に必要となるスキルや求められる人物像についても見ていこう。

目次

●企業における、法務部の役割とは
●法務部の業務内容
●法務部の業務に必要なスキルと求められる人材像
●まとめ

企業における、法務部の役割とは

法務とは、企業活動に伴う法的な問題への対応を専門とする部門だ。その業務内容は、「企業活動に関連する法律問題に対する、解決策の策定と実行」、「社内外での活動に対する、コンプライアンスの徹底」、「企業が保有する所有権や知的財産権等の活用による、収益化の実施」など多岐にわたる。企業において法務が担う役割は、企業活動が法令や契約と整合性をもって適正に行われ、企業が健全な発展を遂げることができるように企業全体をサポートすることだ。特に法務部は、事業運営における「アクセル」と「ブレーキ」という両面の機能を有している。

企業活動における「アクセル」
企業は事業運営による利益を得るため、さまざまな手段を使って「売り上げ上昇」「コスト削減」を行う。法務部は法律に関する知識を武器として、有利な企業活動を後押しする。

企業活動における「ブレーキ」
営業部をはじめとする各部署では、ビジネスチャンスを活かすべく、さまざまな提案を実施する。しかし、場合によっては社外と法的なトラブルが発生し、企業に不利益が生まれる事態も懸念される。このような事態を未然に防ぐために、法務部がブレーキの役割を担い、リスクヘッジの機能を果たす。

「アクセル」と「ブレーキ」のどちらにおいても、企業にとって最良の選択が行えるように導くことが法務には求められる。このためには、「法律の境界」と「企業の利益」双方を踏まえた判断が必要となり、高いバランス感覚を問われることも多いだろう。

法務部の業務内容

では、具体的に法務はどのような業務を行うのだろうか。業務内容を詳しく見ていこう。

◆ 契約法務
法務部のメインの業務とも言えるのは、取引先との契約書類等にまつわる業務だ。企業取引においては、「売買契約書」「業務委託契約書」などのさまざまな契約書の作成と締結を行う。契約締結は、「契約書に定められた条項を承諾する」という意味を持つため、事前に契約書の内容に問題がないか、十分確認することが必要だ。「どのような条件のもとで契約を結ぶのか」「トラブルになってしまった際には、どのように対処すべきか」「契約内容を変えたい場合はどうすればよいのか」など、自社にとって不利な契約を締結することがないよう、法律の知識を持った法務担当者が、精査を実施するのが契約法務の仕事だ。

◆ 機関法務・組織法務
機関法務は、企業の意思決定を行う株主総会や取締役会など、企業の内部機関の活動が適法に行われることを目的とした事務局業務だ。これらの業務は、ミスにより企業の信用問題にも発展し得ることから、会社法を中心する法律知識を持つ、法務部が担当する場合が多い。

また、子会社の設立や株式の発行・分割等の実施、企業経営上必要となる法的手続き等の実施も、法務部が担う業務だ。事業運営においては、法的な知識や手続きが必要な作業が頻出する。その際に、税理士や経営陣と相談しながら事に当たるのが法務部の仕事だ。

◆ 社内規程・コンプライアンス
社内規程を整備する際、その内容に問題がないかどうかのチェックを行うのも法務部の業務だ。企業内には、「就業規則」「賃金規定」「服務規程」などさまざまな規程がある。これらの規程は、企業が独自に定めるが、労働基準法などの法律に則ったものとなっていることが必要だ。規程整備にあたっては、従業員の正当な権利が守られているか、対外的に事業の健全さを主張できるかという視点が求められる。

◆ 紛争訴訟対応
法務では、企業が顧客とトラブルを起こさないために、事前に契約書の確認や営業からの相談受付などを担当する。ただ、事前の対処を実施したにも関わらず顧客からクレームが入るなど、トラブルに発展することもある。そのようなとき、企業の内情をとりまとめるなどして現状を把握し、法律の専門的知識を用いて企業が不利益を被ることがないよう対処するのが法務の業務だ。時には訴訟対応を行うこともあるだろう。

◆ 法律に関する社内相談窓口
 法律に関する社内相談窓口として社員の質問に答えることも法務部の業務だ。近年の法改正により注目を集めているパワハラやセクハラといった社内の問題に関する相談の受付や、労働法等に関する内部研修の企画・運営などを担当する。

法務部の業務に必要なスキルと求められる人材像

幅広い業務を担当する法務部の業務を行うには、どのようなスキルや人材が求められるのだろうか。

● 高度な法律知識
 まず、法務での業務を行うには、高度な法律知識が不可欠となる。法務担当者が正しい法律知識を持っていなければ、法的なトラブルへの対処や、法令遵守のため適切な対応が困難となるからだ。また、法制度は改正があるため、常に最新の法令を理解しながら業務を遂行する必要がある。法務担当者には、常に学びながら情報をアップデートし続けるという姿勢も求められるだろう。

● 業界知識
 法務担当者は、その知識を活かして経営判断におけるアクセルやブレーキ役を担う。そのため、自社の事業内容や、業界の知識を詳しく理解していることも重要だ。自社の立ち位置、業界の情報などを踏まえたうえで、法律に抵触せず経営を行い事業拡大するため、専門的なアドバイスを行える、幅広い業界知識や視点が求められる。

● コミュニケーション
 法務部は、会社にとって有利となるような選択を、バランス感をもって判断することが必要だ。各部署に対する十分なヒアリングを行い、必要に応じて専門的な見解をわかりやすく相手に伝える機会もある。また、適法と違法の範囲について周囲にプレゼンを行い、納得させられる対話力とコミュニケーション力が必要と言える。

● 求められる人材像
 法務が取り扱う問題の中には、明確な答えがないケースも多い。また、企業間の契約や紛争などでは利害関係が発生し、その関係性も個々の取引に応じて異なる。このような状況の中で、企業の利益と法的に適正な活動の双方を踏まえた判断をしていくには、柔軟な姿勢や対応力も必要となるだろう。

まとめ

企業における法務部は、コンプライアンスを重視しながら、経営に必要な判断を行うだけでなく、各規程の整備や顧客とのトラブルの対応など、幅広い業務を担う。このため、事運営にまつわる各法律に関する幅広い知識や業界知識、法改正に関する情報のキャッチアップなど、さまざまなスキルや学ぶ姿勢が求められる。近年は、法知識・契約交渉のスキルなどの法務スキルを生かした経営判断の支援など、「企業経営の相談役」としての役割も期待されている。今後、法務部の重要性は更に増していくだろう。 

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