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市場価値を高めるための人事の仕事内容とキャリア形成のための必要スキルを解説

2022.04.08
オフィスのミカタ編集部

人事業務は人材の採用や教育など、会社の土台を支える大切な仕事。しかし、バックオフィス業務にはアウトソーシング化の波が訪れており、人事業務に関しても他人事ではない。今回は人事の仕事内容といった基礎的な部分から、市場価値の高い人事担当者になるために必要なスキルを紹介していく。

法人企業における人事の位置づけ・仕事内容

まずは人事が担う各種業務について簡単に紹介する。

人材採用・雇用
人事の仕事内容でもっとも認知されているのが人材採用・雇用の仕事だろう。自社の採用スケジュールに基づいて採用計画を練り、質の高い人材採用を実現する力が問われる。

人材教育・研修
採用した人材を含め、社員全般の教育や研修体制を構築し、運営するのも大切な仕事の一つ。社員のレベルアップを図ることで、企業成長を促進する意味を持つ。

人事評価・考課
各従業員の業績や能力を多角的に評価し、給与への還元や配置を行う仕組みづくりも人事の仕事だ。適切な評価で社員のモチベーションをアップし、業績を向上させることが求められる。

勤怠管理・労務管理
労務管理とは、従業員の給与や福利厚生に関する管理を行い、労働環境を整える業務だ。勤怠管理は労務管理の一部で、勤怠や労働時間、職務内容を管理することをいう。

労働環境の整備・構築
社員が実力を発揮するための環境や制度を構築することも忘れてはいけない。近年、社会問題になっているパワハラ、セクハラ、マタハラといった課題にもしっかりと取り組み、ダイバーシティを実現することも優秀な人材の留保、獲得には欠かせないだろう。

さらに詳しい人事の業務内容やそれに伴う必要なスキルについては以下の記事で紹介しているので、参考にしてほしい。
人事とは?業務内容や必要なスキルを紹介

企業の業態や業種・規模により人事業務の範囲は異なる

人事業務を先に紹介したが、実際は担当業務の境界線はとても曖昧で、企業の業態や業種・規模によって範囲が異なる。総務部が担当していたり、労務部が担当していたりする他、規模の小さな事業所などの場合はさらに広い業務を担当することも多い。

幅広い業務を経験してゼネラリストを目指すのか、一つの業務を極めてスペシャリストを目指すのかどちらも一長一短。どういったキャリアを築いていきたいのかで選ぶ道は変わるだろう。

企業形態における人事機能や仕事内容の違い

企業の規模によって人事機能に割ける人員が変わるため、仕事内容も企業ごとに全く異なるのが人事業務の難しいところだ。ここでは、企業規模や形態ごとの違いを見ていこう。

大企業では専門業務の担当として業務に従事
業務内容が細分化される大企業では、人事業務も担当が分かれていることが多い。採用業務だけでも、人材募集のプロモーション担当、面接管理、内定者フォローなど、業務を効率よく進めるための業務分担を行っているケースが多い。スペシャリストを目指したい人に向いているといえよう。

中小企業では人事全般をマルチに従事
中小企業では人事業務にそれほど人材を割けないため、マルチに業務をこなしていることが多い。横断的に業務を行うため全体を見通す力が備わるが、業務量が増えて人事担当者の負担が増えるためフォローが欠かせない。

スタートアップ・ベンチャーでは広報・広告塔を兼ねて業務に従事
スタートアップやベンチャー企業では、企業の成長を最優先項目にしているためバックオフィス業務が未整備であることが多い。それにより、人事担当者は人事業務だけでなく、広報、総務、庶務などバックオフィス全般を担当するケースも想定する必要がある。また、一般企業であれば必ずといっていいほどある前例やマニュアルも、スタートアップやベンチャーにはない。自ら仕事を作っていくという、貴重な体験ができることにやりがいを見いだせる人に向いているだろう。

外資系企業では業績への貢献度を数値化し業務に従事
外資系企業の人事機能は日本企業と異なり、それぞれの部署のマネージャーが採用や配属の権限を持ち、人事はそのサポートや制度の構築などを行っている。それにより、自身の評価(昇給・昇進)に関してもマネージャーの成績に連動する部分があり、マネージャーとの相性に左右されてしまう可能性がある。外資系企業では自ら実績や成果をアピールして評価を上げる必要があるため、目に見える実績が強い。数値化が難しい業務ではあるが、貢献度を数値化してアピールすることも忘れないようにしたい。

人事に求められるポータブルスキル・意識

人事の仕事をする上で求められるポータブルスキルにはどんなものがあるのか、またどういった意識で仕事に取り組むべきなのかをみていこう。

社内外・採用を円滑に進める高いコミュニケーションスキル
人材採用のシーンでは入社希望者との最初の窓口となるため、企業イメージを大きく左右する存在となる。そのため、高いコミュニケーションスキルが求められる。

業績の向上を目的とした人事施策を企画するロジカルシンキングスキル
企業の業績向上に沿った人材を育成していくためには、課題の発見、分析、解決法をロジカルに考えるスキルが必須だ。目先の課題だけでなく、数年後の組織のあり方まで考える先を見通す力も欠かせない。

法令改正に沿った労働環境を構築する高いガバナンス意識
労働関連や社会保障の法令は数年で改正されることが多いため、常に自社の就業規則が法令に遵守しているかチェックする必要がある。そのためには高いガバナンス意識も必要とされる。

個人・法人の機密情報や秘密保持に対する高いセキュリティ意識
人事の仕事は個人・法人の機密情報を取り扱うため、高いセキュリティ意識が求められる。慎重なデータの扱いや秘密保持に対する正しい知識を身につけることが必要だ。

人事のスペシャリストとしてのHRBP

HRビジネスパートナー(HRBP)とは、米ミシガン大学のデイブ・ウルリッチ教授が提唱する人事機能の一つ。事業部門の責任者と連携して人材の調達、配置をし、人材に関する課題解決も行う。要は企業の業績を向上させるために人事機能を活用するのが主な仕事だ。

日本ではまだ浸透しているとは言えず、企業によって定義が大きく変わることが多い。従来の部門人事をHRBPと呼ぶ企業もあるが、本来は部門人事は事務作業中心の仕事、HRBPはコンサルティングなどがメインとなるためまったく異なるということを理解しておきたい。人事のスペシャリストとも言えるHRBPは、企業活動を推進するための人材活用で会社への貢献が期待されている。

人事のキャリアパスの例

前述したウルリッチ教授はHRBPだけでなくOD&TD、CoE、Opsという4つの分類で人事の役割が求められているとしている。これら4つを組み合わせながら人事のキャリアパスを描いていくのが、人事のスペシャリストを目指していく上で有効だろう。

採用担当からHRBP(CoE)へ
CoE(センターオブエクセレンス)とは、人事業務の中心となり採用や能力開発、評価制度などの人事関連の制度設計を行う役割を指す。社内の優秀な人材やノウハウ等を横断的に集め業務を推進する。HRBPとCoEを組み合わせれば、採用担当からのキャリアパスにぴったりだ。

労務担当からHRBP(OPs)へ
OPs(オペレーションズ)とは、給与計算、勤怠管理、福利厚生などの実務を統括して遂行する役割を担っている。人事担当者に、より重要性の高い業務に集中させるために労務業務をアウトシーシング化する企業が増えており、その推進も担当する。実務として労務業務をしていた経験をもとに、統括する立場へとキャリアアップするのがスムーズなキャリアパスとなるだろう。

研修担当からHRBP(OD&TD)へ
OD&TD(組織開発&タレント開発)は企業理念や経営方針を社内に浸透させて組織の目指す方向に導くODと、組織が目標を目指す上で必要な人材を育てるTDの2つからなる。研修担当などが行ってきた業務と重なる部分が多いが、より組織づくりの根幹に関われるOD&TDはやりがいも大幅にアップするだろう。

上記のようなキャリアパスを描きたいけれど実際にどんな行動をすればいいのか分からないと悩んでいる人も多いだろう。オフィスのMIKATAでは、バックオフィス業務に関するイベントやセミナーを多数開催している。業務の基礎的な内容から最新技術の習得、キャリアアップの方法など種類もさまざまだ。オンライン開催も多く、どこにいても参加可能なのも大きなメリット。ぜひ一度参加してみてほしい。
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まとめ

市場価値の高い人事担当者になるためには、今やHRBP、CoE 、OPs 、OD&TDといった知識は欠かせない。今ある業務をこなしているだけの日々に漫然とした不安を抱いている人は、ぜひキャリアパスを考えながらスキルアップを目指してほしい。